投資詐欺によくある手口は? 返金してもらえる可能性は?

投資詐欺によくある手口は? 返金してもらえる可能性は?

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

投資詐欺の手口は多様であり、あらかじめ知っておくことが被害の予防に効果的です。また、万一被害に遭った場合にも、詐欺を行った相手方から返金を受けられる可能性があるため、その請求方法を知っておくとよいでしょう。

本記事では投資詐欺の手口や返金を受ける手段、投資詐欺の見分け方を解説します。

1. 投資詐欺の手口の種類

投資詐欺は、主に高齢者を中心に被害が増えています。投資詐欺の代表的な手口について解説します。

(1)未公開株

未公開株とはまだ上場していない株のことを指します。架空の株式だったり上場する見込みがなかったりする場合でも、「近々上場して値上がりする予定がある」などと虚偽の説明を行い、未公開株に投資させる手口です。

(2)劇場型

名前の通り、劇のように複数の業者が手を組みそれぞれが役割を持ち、架空の金融商品などを買わせる手口です。

(3)外国通貨

成長途中にある開発途上国などの通貨を、安値のうちに買って値上がり後に売ればもうかると誘い、投資させる手口を指します。

(4)権利

高級老人ホームの利用権や太陽光発電パネルを設置する土地の権利といった、ホットワードを持ち出して投資を促す手口です。

(5)プロ向けファンド

銀行や証券会社といった「投資のプロ」に向けたファンドへの投資を持ちかける手口です。2016年に施行された改正金融証券取引法で、一般投資家へのプロ向けファンドの販売は原則として禁じられました。

2. 投資詐欺の相手から返金してもらえる可能性はある?

投資詐欺を持ちかけてきた相手から返金してもらえる可能性はありますが、請求には複数のルートがあり、適切な方法を選ぶことが大切です。

また、詐欺の場合は、確実に返金されるとは限らず、返金を受けられるケースに該当するかを確認する必要があります。以下では、返金してもらうための手段について解説します。

(1)クーリング・オフ

クーリング・オフとは、一定期間内であれば契約申し込みの撤回や契約解除ができる制度です。投資詐欺がクーリング・オフの要件を満たしていないかを確認しておきましょう。取引の方式によってクーリング・オフの可否や期間が異なります。

(2)返金特約

契約を結ぶ際に、あらかじめ返金の条件を定めておくことで返金してもらうことができます。特約の成立には当事者間の合意が必要です。

(3)詐欺救済法

詐欺救済法(振り込め詐欺救済法)とは、詐欺などの犯罪行為で振り込みが利用された場合に、一定の要件を満たしたときは、振り込んだ口座を停止し、被害金の全部または一部を返金することを定めた法律です。

(4)加害者への請求

詐欺や錯誤(いわゆる誤解による意思表示)を理由として契約を取り消すか、もしくは業務の不履行を理由として投資契約を解除することで返金を受けられる可能性があります。

(5)民事訴訟の提起と刑事告訴

民事訴訟を提起することにより請求を行う方法もあります。

これに対し刑事告訴とは、取引のトラブルとして対応するのではなく、犯罪として警察に告訴する方法です。直接返金につながる方法ではないため、被害回復給付金支給制度の活用も検討する必要があります。

いずれの手段を講じるにせよ、確実に返金を受けられるという訳ではないことは知っておかなければなりません。できるだけ自分に有利になるよう対処したい場合は、制度や法律に関する知識が必要になります。

そのため、まずは弁護士にどのような対処が可能かを相談してみることをおすすめします。ケースごとに有効な手段をとれるだけでなく、その後の対応も一任できるため、早期解決が期待できるでしょう。

3. 投資詐欺かどうかを見分けるポイント

持ちかけられた話が投資詐欺ではないかを判断するポイントについて解説します。

(1)「確実・絶対」をうたっていないか

投資に「絶対」はあり得ません。相手が「確実・絶対」などの言い方をしてきている場合、投資詐欺である可能性が高いと判断します。

(2)複数人から投資話を受けていないか

別の相手からタイミングよく類似した投資話を持ちかけられた場合、グループでの劇場型詐欺のターゲットにされている可能性が高いでしょう。

(3)依頼元は信用できるか

たとえば、役所などの公共機関から土地の権利取得に関するあっせんを持ちかけられたとします。公共機関が一般の個人に投資話をしてくることはありませんので、そのような場合は詐欺と判断してください。

また、依頼元が実在の会社で、金融庁に登録されているかどうかを調べることも詐欺を見分ける指標となります。

(4)投資の配当金額は適正か

投資の配当には一定の相場があるため、不自然な高配当であれば警戒が必要です。

(5)立場を利用していないか

目上の人からの紹介だった場合、たとえ怪しいと思っていたとしても断りにくいこともあるかもしれません。このように上下関係を利用した詐欺も実在するため、慎重に判断しましょう。

投資詐欺の手口や返金を受ける方法について理解を深めることで、被害の予防・回復をしやすくなります。もし投資詐欺の被害に遭った場合は、速やかに弁護士へ相談することをおすすめします。

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法的トラブルの解決につながるオリジナル記事を、弁護士監修のもとで発信している編集部です。法律の観点から様々なジャンルのお悩みをサポートしていきます。

  • こちらに掲載されている情報は、2023年07月07日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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