結婚式の契約トラブル。キャンセルになった場合、返金を請求できる?
  • 2021年05月20日
  • 消費者被害

結婚式の契約トラブル。キャンセルになった場合、返金を請求できる?

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

新型コロナウイルス感染症の影響により、全国各地で予定されていた結婚式が相次いで延期・中止となっています。

結婚式を延期・中止した場合、キャンセル料が発生する可能性があります。また、結婚式を中止した場合には、すでに支払った費用は返金されないといわれることもあるでしょう。

キャンセル料が発生するのかどうか、すでに支払った費用は返還されるのかどうかは、契約書に記載された規定をきちんと確認することが大切です。

本コラムでは、結婚式のキャンセル料に関する法律問題について解説いたします。

1. 結婚式のキャンセル料の相場は?返金は認められる?

(1)まずは契約書の内容を確認しましょう

キャンセル料やすでに支払った費用の返金については、基本的にすべて、利用者(新郎新婦)と結婚式場との間で締結された会場利用契約の内容によって決まります。
つまり、キャンセル料の相場が特に定められているわけではないのです。

会場利用契約では、利用者または結婚式場どちらの都合によるかなどに応じて、キャンセル料の具体的な算定方法が定められています。したがって、まずは契約内容を確認することが重要になるのです。

(2)結婚式のキャンセル料に関するよくある契約条項

結婚式のキャンセル料規定として、比較的多く見受けられるのは以下のような内容です。

  1. 利用者の都合によるキャンセルの場合は、時期に応じたキャンセル料を支払う。
  2. 結婚式場の都合によるキャンセルの場合は、キャンセル料は発生しない。
  3. 不可抗力によるキャンセルの場合は、①の場合よりも減額されたキャンセル料を支払う。 また、結婚式場によっては、以下のようなキャンセル料規定を設けている場合もあります。
  4. 仮予約の段階でキャンセルされた場合、理由の如何を問わず、キャンセル料は発生しない。
  5. 結婚式場に対して支払われた内金(申込金、代金の一部)は、キャンセル理由の如何を問わず返金しない。ただし、結婚式場の都合によるキャンセルの場合はこの限りでない。

上記はあくまでも一例ですので、具体的なキャンセル料の計算方法については、ご自身が結婚式場と締結している契約内容をご確認ください。

2. あまりにも利用者に不利な規定は無効となる可能性がある

キャンセル料規定の内容が利用者にとってあまりにも不利な内容になっている場合は、消費者契約法により無効となる可能性があります。

(1)消費者契約法の不当条項規制

利用者の都合によるキャンセル料を定めた規定は、「違約金条項」(消費者契約法第9条第1号)に該当します。

違約金条項については、同号の規定により「解除の事由」「時期」などの区分に応じ、同種の事業者に生じる平均的な損害の額を超える部分は無効となるのです。

(2)無効になり得るキャンセル料規定の具体例

上記の違約金条項に関するルールを結婚式のキャンセル規定に当てはめると、以下のような内容のキャンセル料規定は、消費者契約法第9条第1号に基づき無効とされる可能性が高いでしょう。

  1. 挙式予定日まで数か月以上の日にちがあるにもかかわらず、全額または高率のキャンセル料を利用者に課す規定
  2. 挙式予定日の1年以上前の段階で利用者の都合によるキャンセルがされたケースでも、式場使用料の半額に相当する内金を全く返還しないとする規定

3. キャンセル料や返金を巡ってトラブルが発生した場合の対処法は?

結婚式場との間でキャンセル料や返金などを巡ってトラブルが発生してしまったら、速やかに、以下の窓口にまで相談してください。

(1)公的機関に相談する

消費者が事業者から搾取される事例が多いことをふまえて、消費者庁が設定する消費生活センターでは、「消費者ホットライン」を設けて消費者の相談に応じています。

また、消費者ホットラインが混雑などによってつながりにくい場合は、国民生活センターの「平日バックアップ相談」が代替窓口として設けられております。

(2)弁護士に相談する

結婚式場に対して、法的な根拠に基づいてキャンセル料の無効を争ったり、返金を求めたりしたい場合には、弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士は、消費者契約法の内容などをふまえ、会場利用契約にあるキャンセル料規定について、相談者・依頼者の権利を守るために考えられる法律構成を慎重に検討します。
結婚式場の担当者との交渉のやり取りもすべて弁護士に任せられるので、精神的な負担も大きく軽減されるでしょう。

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