SF商法(催眠商法)とは? 高齢者は要注意! 手口と対策を解説

SF商法(催眠商法)とは? 高齢者は要注意! 手口と対策を解説

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

SF商法とは、さまざまな手段で消費者の判断を誤らせて販売する手口です。被害者の判断力を奪うような手口を使ってくるため、家族・親族が気付かないうちに被害に遭ってしまう可能性があります。

そうした事態を避けられるように、本コラムでは、SF商法で使われる手口や誘い込みの手段、実際に被害に遭ったときの対処法について解説します。

1. SF商法(催眠商法)とは?

SF商法は別名「催眠商法」と呼びます。はじめは「商品を試供する」「健康講座を開催する」などのうたい文句で会場に誘われたあと、話術を駆使されてその場が異様な雰囲気に盛り上がり、いつの間にか不相応に高額の商品を買わされたり、契約をさせられてしまったりする催眠的な商法です。

買わされる商品は、高級布団、健康食品、健康器具、磁気治療器といった「確かにあると便利だけど、絶対に必要かとあらためて考えるとそうとも言えない」ものが多い傾向があります。

密室空間で話術を使って巧みに信頼関係を築いてくるため、相手に嫌われるのを恐れてしまう性格の人や、拒否しづらい性格の人、周囲に良い顔をしてしまう人が、被害に遭いやすいと言えます。

判断力を失わせて商品を買わせる手口の性質上、被害に遭った高齢者の中には、自分が被害に遭ったことを認識しないままの人もいます。そのため会場に何度も通ってしまい被害額が高額になるケースや、家族が気付いても本人はだまされていることに気がつかないままのケースなどもあります。

2. SF商法(催眠商法)の手口と事例

SF商法は、元々の誘い文句とは別に高額な商品を売りつけることを目的とした、悪意のある手口です。実際に以下の手口が用いられます。

(1)本来の目的を隠して、つい足を運びたくなる情報を流して人を呼び込む

はじめから高額な商品を販売すると言っても、人は集まりません。そこで悪質な業者はまず日用品の試供や無料の講座といったお得なイベントを開催すると称して、人を呼び込みます。「くじに当たった」と言って会場に引き込む場合もあります。

この時点ではSF商法なのか本当にお得なイベントなのか、にわかには判別しづらくなっています。そのため人はつい会場に足を運びがちです。

(2)プレゼントや話術を駆使して、冷静さを失わせる

会場では最初に無料で日用品などのプレゼントを繰り返し、場を盛り上げていきます。商品をプレゼントする際に参加者に自ら大きな声で手を挙げさせたり、巧みな話術で信頼関係を築いたりすることで、参加者から冷静さを奪います。

そのあとで、業者が本当に売り込みたいものが出てきます。たとえば「高級布団が半額です、買いたい人は手を挙げてください!」などの声かけがなされます。実際には相場よりも高価な場合が多いのですが、参加者は本当にお得であるかのように錯覚し、つい手を挙げてしまいます。

(3)長時間密室に囲いこみ、契約をするまで帰さない

業者は隔離された空間に人を集めることで、外部からの情報をシャットアウトします。すると参加者は今の商品が本当に安いのかなど、客観的に判断しにくくなるでしょう。そのため周囲が盛り上がっていると、自分も釣られて商品を買ってしまいます。

また、会場内で販売員を付きっきりにさせたり、入り口に張り付けたりして、客を何も買わずに出るのが心理的に難しい状態にさせます。中には「自分が買わないと販売員がかわいそうだ」といった理由で、自ら商品を買ってしまう人もいます。

(4)競争意識をあおり判断力を奪う

会場は手を挙げた人が商品を入手できるという形式で進行されます。そこで「先着何名」とか「限定何個まで」といった言葉を用いることで、客の「周囲よりも早く手を挙げなければならない」という競争意識をあおります。客は周囲との競争意識で、「その商品は本当にお買い得か」「本当に自分に必要なのか」を考える暇が無くなります。

そのうち徐々に商品の価格も高額になっていきますが、参加者は判断力を無くした状態に陥り、われ先に手を挙げてしまいます。順番に出てくる商品に何度も手を挙げているうちに、購入金額が総額で数十万円近くになっていたケースもあります。

(5)実際にあった相談事例

実際にあったSF商法の相談事例を紹介します。この相談は消費生活センターに寄せられたもので、高齢の女性が無料商品を目当てに通っている店で、300万円以上もの高額な契約をしてしまった、というものです。きっかけは友人に誘われて健康講座に通い始めたことでした。この高齢女性は認知症気味であり、家族が女性宅を訪れた際、健康食品や高額な領収書が多数確認できたことから発覚しました。

出典:茅ヶ崎市「「催眠(SF)商法」の事例(閉め切った会場に人を集め高額な商品を購入させられた)

3. SF商法(催眠商法)の予防策

SF商法は、自分自身がだまされないように注意することも大切ですが、大事なご家族が巻き込まれないように気をつけることも肝心です。

(1)自分自身がだまされないために

  • 日頃見かけない場所で粗品を配布したりイベントが開かれたりしても、会場に入らない
  • なぜそこまで安いのか考えるようにする
  • 自分がだまされていると気がつけるようにする
  • 怪しいと気がついたらすぐその場から立ち去る
  • 大事な貯金を取り崩してまで必要な商品か考える
  • 普段から近所の人などと交流しておくことで、万が一詐欺に遭ったときも教えてもらえるようにする

(2)家族がだまされないために

  • 特に高齢者が狙われる場合があるので、家族にいる場合は気をつける
  • 出どころ不明な健康器具・食品などがあった場合、よく確認する
  • 被害に遭ったあとも本人の言うことに怒ったり頭ごなしに否定したりせず、よく話し合って同じ手口でだまされないようにする
  • 家族が認知症の場合は、成年後見制度の利用も検討する

4. SF商法(催眠商法)の被害に遭った場合の対処法

SF商法で商品を買わされてしまったときも、次の手段で被害の回復を試みられます。

(1)クーリングオフする

SF商法は、多くの場合キャッチセールスや訪問販売に該当します。該当する場合は購入してから8日間以内なら、クーリングオフを適用できます。8日間を過ぎても、書類が交付されていない・書類に不備があるなどの理由でクーリングオフできる場合もあります。気がついた場合は早めに消費生活センターに相談してください。

(2)契約解除する

クーリングオフの期間が過ぎてしまった場合も、消費者契約法4条の規定に基づいて契約を取り消すことができる場合があります。この法律は、消費者と業者の間には得られる情報や交渉力に差があることを前提として設けられています。

業者が誤った情報を述べて消費者に誤認させたり、困惑させて商品を買わなければならないかのように仕向けたりして結んだ契約に関して、消費者がその契約を取り消せることが定められています。

日用品に関しても、必要以上の分量を買わされていると認められれば、契約を取り消せる場合があります。

(3)専門家に相談する

自分での対処に困ったときは、すぐに専門家に相談してください。スムーズに相談できるように、連絡をする前に情報を整理して、時系列ごとに伝えられるようにしておくとスムーズに話が進みます。

  1. 警察

    最初から犯罪として110番をするのは難しいですが、9110番に連絡すると警察相談専用電話につながります。そこで被害に遭った旨を伝えることで、必要な相談窓口を紹介してもらえます。

  2. 消費生活センター

    消費生活センターは、消費者の悩みや契約に関するトラブルを処理・解決する組織です。相談が必要な場合はホットライン188番か最寄りの自治体の消費生活センターに連絡してください。

  3. 弁護士

    法律のプロフェッショナルである弁護士も、相談相手として適任です。被害が高額で支払った金額を取り戻すことを考えているときは相談することを検討してください。

SF商法は、主に高齢者などの判断を誤らせるなどして高額な商品を売りつける販売の手口ですが、契約を取り消せる可能性があります。自分や家族が被害に遭った場合は、できるだけ早く消費生活センターや弁護士に相談することが重要です。

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  • こちらに掲載されている情報は、2024年07月07日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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