光回線の電話勧誘でトラブルが発生した!解約や返金を求める方法は?

光回線の電話勧誘でトラブルが発生した!解約や返金を求める方法は?

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

電話勧誘によって光回線の契約を締結した後に内容をよく確認したら、思っていた契約内容と違っており料金も高かった、というトラブルが多発しています。

もし電話勧誘によって不本意な光回線契約の締結を強いられてしまったら、法律をふまえながら、冷静な対応を取ることが重要になります。

本コラムでは、特に解約や返金を求める方法を中心としながら、光回線契約の締結に関するトラブルへの対処法について解説します。

1. 電話勧誘による光回線契約におけるトラブルのパターン

光回線の契約で特にトラブルが発生する可能性が高いのは、電話で勧誘を受けた場合です。

具体的には、契約を締結した後から以下のような問題が判明し、契約者と電気通信サービス事業者との間でトラブルに発展することがあるのです。

(1)電話口で言われた料金と実際の料金が違う

勧誘の電話口では、営業マンはセールストークとして、詳細な料金体系を説明せずに、最低料金ばかりを殊更に強調することがよくあります。
この場合、電話口で聞いた料金よりも、実際の料金がかなり高額になることが大半です。

利用者としては、既存の契約プランと比較して得だと考え、乗り換えることを決断することでしょう。
しかし、実際には今までよりも高額となっていることを契約後に知り、トラブルに発展してしまうのです。

(2)不要な有料オプションが付いている

電話勧誘では基本料金の説明だけをして、実際の契約時には多数の有料オプションが勝手に付けられていた、という手口も一般的になっています。

この場合、電話口で聞いて理解していた利用料金よりも実際の利用料金の方がかなり高額となり、トラブルに発展してしまうのです。

(3)契約したつもりがないのに契約したことになっていた

事業者側が適切に説明をしなかったため、そもそも利用者側に光回線を契約する意思がないのに、気づいたら契約を締結したことになっていた、というパターンもあります。

利用者側としても、サインや印鑑を要する書類の記載内容はよく確認する必要があります。しかし、書類の内容をきちんと説明しない事業者の行為は違法である可能性があります。

2. 不本意な光回線契約の解約・返金を求める方法は?

電話勧誘などによって不本意に光回線契約を締結させられた場合、法律や自主基準に従って、解約や返金を求めることができる場合があります。

もし光回線契約の締結に関する疑問を少しでも持った場合には、消費生活センター・国民生活センターなどの公的窓口や、弁護士にまでお問い合わせください。

(1)電気通信事業法に基づくクーリングオフ

電気通信事業法第26条の3第1項では、「初期契約解除制度」(クーリングオフ)が定められています。

このクーリングオフに関するルールにより、利用者は契約書面の受領日を初日として8日間、光回線契約を無条件で解約することが可能です。契約書面の受領日より光回線サービスの提供が開始された日が遅い場合には、提供が開始された日から8日間、無条件で解約することができます。

ただし、この場合は実際に光回線サービスの提供を受けた数日間分の料金は支払わなければならないということに留意してください(同条第3項但書)。

(2)自主基準に基づく申し込みの撤回

クーリングオフ期間が過ぎてしまった場合でも、電気通信事業者の自主基準に基づき、光回線契約のリセットが認められる可能性があります。
(参考:「電気通信事業者の営業活動に関する自主基準及びガイドライン」(電気通信サービス向上推進協議会))

自主基準第8条第1項・第2項によると、原則、無償で契約締結申し込みの撤回が認められることになっています。また、光回線サービスの提供開始前(回線敷設工事を伴う場合は、工事前)であれば、原則、利用者に料金及び経費の支払いを求めないとされています。

自主基準に法的拘束力はありませんが、多くの電気通信事業者は自主基準を尊重・遵守しているため、申し込みの撤回が認められる可能性は高いでしょう。

(3)消費者契約法に基づく契約取り消し

クーリングオフや自主基準に基づく申し込みの撤回が認められないとしても、消費者契約法に基づく取り消しが認められる可能性があります(同法第4条)。

光回線契約が消費者契約法により取り消される可能性がある場合の具体例は、以下のとおりです。

  • 利用料金として、実際よりも安い金額を伝えた(不実告知)
  • 確実な予定がないのに、「今後近いうちに確実に値下げされる」と伝えた(断定的判断の提供)
  • 違約金条項の内容を説明しなかった(不利益事実の不告知)
  • 訪問勧誘時に、利用者が退去を求めたにもかかわらず退去しなかった(不退去)
  • 代理店での勧誘時に、利用者が退去しようとしたにもかかわらず強引に引き留めた(退去妨害)
  • 利用者が必要としない有料オプションを大量に契約させた(過量契約)

いずれの方法による場合でも、事業者に対して光回線契約の解約・返金を認めさせるには、きちんとした法的根拠のある主張を展開することが必要になります。

弁護士であれば、法的検討から交渉・裁判手続に至るまで、依頼者を強力にバックアップすることが可能です。
光回線契約のトラブルに巻き込まれた場合は、弁護士にまで、お早めにご相談ください。

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法的トラブルの解決につながるオリジナル記事を、弁護士監修のもとで発信している編集部です。法律の観点から様々なジャンルのお悩みをサポートしていきます。

  • こちらに掲載されている情報は、2021年05月19日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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