クーリング・オフを定めている法律とは? 泣き寝入りしないための知識
  • 2021年07月19日
  • 消費者被害

クーリング・オフを定めている法律とは? 泣き寝入りしないための知識

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

勢いで買い物をしてしまった後に、返品したいと思ったことは誰にでもあるのではないでしょうか。とはいえ、物を買うこと、法的には売買契約の成立ですから、商品が気に入らないからといって後から一方的に取り消すことはできないのが原則です。

それでも、突然の訪問や電話で不意打ちのように勧誘された場合や、一定の取引については、契約の後でも契約を解除して返品できる制度があります。これをクーリング・オフ制度といいます。クーリング・オフ制度の概要とどんな場合に返品できるのかを解説します。

1. クーリング・オフ制度を定めた法律と適用範囲

クーリング・オフ制度は、消費者保護の観点から特定商取引法(「特商法」といいます)とその関連法で定められた制度です。適用される範囲が限定されているので、その範囲を理解しておくことが重要です。

(1)クーリング・オフ制度が適用できる場合

クーリング・オフ制度による契約の解除や返品ができるのは、次の場合に限られています。また、販売類型によってクーリング・オフができる期間が異なっています。

➀訪問販売(特商法第9条)

事業者が消費者の自宅などに実際に訪問して、商品や権利などを売ったり、役務の提供を行うことを内容とする契約をしたりする取引のことです。たとえば、自宅に押し掛けて高い羽毛布団セットや買わせたりするケースが該当します。

クーリング・オフ期間:8日間

➁電話勧誘販売(特商法第24条)

事業者が電話で商品を買うように勧誘し、その後消費者が購入の申し込みを行う取引のことです。業者からの勧誘電話をいったん切った後に、消費者が改めて電話などで申し込んだ場合も含まれます。

クーリング・オフ期間:8日間

③連鎖販売取引(マルチ商法)(特商法第40条)

個人を販売員になるように勧誘し、またその個人に販売員になるよう勧誘させるというかたちで、販売組織を連鎖的に拡大して行われる取引をいいます。いわゆるマルチ商法と呼ばれています。

クーリング・オフ期間:20日間

④特定継続的役務提供(特商法第48条)

長期的・継続的な役務の提供に対し、高い値段を払うことを内容とする取引のことです。現在、エステティック、美容医療、語学教室、家庭教師、学習塾、結婚相手紹介サービス、パソコン教室の合計7つの役務が特定継続的役務として指定されています。

クーリング・オフ期間:8日間

➄業務提供誘引販売取引(内職・モニター商法)(特商法第58条)

仕事を紹介するという口実で消費者を誘引し、仕事に必要であるといって商品を売りつける取引のことをいいます。

クーリング・オフ期間:20日間

⑥訪問購入(特商法第58条の14)

事業者が消費者の自宅などを訪問して、消費者の持っている物品を買い取る取引のことをいいます。

クーリング・オフ期間:8日間

(2)クーリング・オフ制度が適用にならない場合

以下の場合は、クーリング・オフ制度の対象外です。

➀通信販売

事業者がインターネット・雑誌などで商品を広告し、それを見た消費者がインターネット・郵便・電話などの通信手段によって申し込みをする取引のことです。通信販売では、商品をじっくり見て買うか買わないか検討する時間があるため、クーリング・オフ制度は適用されないことを知っておきましょう。

➁訪問販売・電話勧誘販売におけるクーリング・オフの適用除外

訪問販売や電話勧誘販売であっても、クーリング・オフできない場合があります。

以下の場合は、いずれもクーリング・オフの適用対象外です。

  • クーリング・オフ期間が過ぎた場合
  • 消費者が店舗に出向いて契約をした場合(特定継続的役務提供に該当するものは除かれます)
  • 事業者間取引の場合(購入した者が個人消費者である必要があります)
  • 現金取引であって、かつ、代金が総額3000円未満の場合
  • 化粧品や健康食品などの指定消耗品について、商品を使用した場合の使用済み分
  • その他、適用除外にあたる商品やサービス

2. クーリング・オフの申し込み方

クーリング・オフに該当する場合は、次の手順でクーリング・オフを申し込みましょう。

(1)クーリング・オフの通知書を送る

解除したい契約の書面を受け取った日を含めて8日間(契約類型によっては20日間)以内に、はがきや手紙などの書面で事業者の代表者宛に通知をします。なお、商品をクレジットで買った場合は、クレジット会社へも同様に通知します。

郵送方法は、簡易書留郵便など、少なくとも発送した事実を証明できる方法で行いましょう。
また、期限内にクーリング・オフの意思表示をしたことの証拠を残すため、書面の両面をコピーして保管しておきましょう。

(2)クーリング・オフの通知による効果と商品の返品

クーリング・オフを通知すると、契約は解除されます。速やかに商品を業者に返品し、代金の返還を求めましょう。なお、返品送料は販売会社の負担ですから、着払いで返送することができます。

本記事では、クーリング・オフの制度について解説しました。クーリング・オフは万が一のときに使える制度ですが、契約後8日または20日という期間制限がありますので、契約後に後悔している場合は早めの対応が重要です。

もしも、購入した商品や契約がクーリング・オフの対象になるのかわからない場合は、早めに消費者センターに相談するとよいでしょう。

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  • こちらに掲載されている情報は、2021年07月13日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。