債権回収を弁護士に依頼した場合の流れとは? 交渉から法的手続きまで
  • 2022年06月28日
  • 債権回収

債権回収を弁護士に依頼した場合の流れとは? 交渉から法的手続きまで

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

「貸したお金が返ってこない」、「取引先が売掛金を支払ってくれない」など、債権回収がうまくいかずにお悩みの方は、法律の専門家である弁護士への依頼を考えることもあるでしょう。

弁護士に依頼した場合には、すぐに訴訟を起こすのではと考える方もいるかもしれません。しかし、弁護士は、訴訟以外にもさまざまな手段によって債権回収を行っています。今回は、弁護士に債権回収を依頼した場合の流れについてご紹介します。

1. 債権回収の基本

債権回収とは、債務者が金銭の支払いを怠っている場合に、債権者が自己の権利を実現する手段として金銭の回収を行うことをいいます。たとえば、お金を貸している相手に返済を求める場面や、取引先に売掛金の支払いを求める場面、交通事故の損害賠償金を請求する場面など、さまざまな場面で債権回収は問題となってきます。

債権回収の方法を大きく分けると、交渉による回収と法的手段による回収の2種類があります。弁護士に依頼した場合も、法的手段だけでなく交渉による方法も駆使しながら、状況に応じて適切に債権回収を行っていきます。

2. 交渉による回収

債権回収の際には、初めから法的手段をとるのではなく、まずは交渉による回収を目指すのが一般的です。

(1)電話やメールでの督促

債務者と連絡がとれる状態であれば、まずは電話やメールで支払いを求めます。支払期限を経過しているからといって、債務者に支払いの意思がないと断定してはいけません。単に支払期限を忘れているだけということもありますので、まずは電話やメールを使って督促してみるとよいでしょう。

(2)書面での督促

電話やメールでの連絡手段がない場合や、連絡できたとしても返事がない場合には、書面で支払いを求めることになります。書面の書き方に特に決まりはありませんが、請求額と期限は明確に記載し、こちらの要望を相手にはっきり伝えることが重要です。

(3)内容証明郵便での督促

上記のような手段をとっても債務者からの連絡や支払いがない場合は、弁護士への依頼を検討するようにしましょう。この段階で依頼を受けた弁護士は、債務者に内容証明郵便を送り、再度支払いの督促を求めることが多いです。

内容証明郵便とは、いつ、どんな内容の文書が、誰から誰宛てに差し出されたかを証明できるものです。内容証明郵便そのものには、支払いを強制する法的効力はありません。しかし、内容証明郵便という特別な形式の書面を弁護士名義で届けることで、債務者に対して心理的なプレッシャーを与え、支払いを促すという効果が期待できます。

内容証明郵便を受け取った債務者から連絡があった場合には、弁護士が窓口となって支払いに向けた交渉を行い、支払い方法および時期について合意が得られた場合には、合意書を作成することになります。

3. 法的手段による回収

交渉による債権回収がかなわなかった場合には、法的手段での債権回収を検討することになります。

(1)支払督促の申し立て

支払督促とは、簡易裁判所に対して行う法的手段のひとつです。簡単な書類審査だけで、裁判所から債務者に対して金銭の支払いを命じることができます。

手続きの流れですが、債権者の支払督促の申立てを受けた裁判所が支払督促正本を債務者に送達し、債務者がそれを受け取ってから2週間以内に督促異議を申し立てなければ、債権者は仮執行宣言を申し立てることができます。

それを受けた裁判所が仮執行宣言付支払督促正本を債務者に送達し、債務者がそれを受領した日から2週間以内に仮執行宣言後の督促異議を申し立てなかったときは、仮執行宣言付支払督促が確定します。

確定後、債権者は、債務者の財産を対象に強制執行を申し立てることができます。それが未払いの債権回収にあてられるため、問題の早期解決が期待できるといえるでしょう。

なお、短期間で問題解決を図る方法としては、60万円以下の金銭の支払いを求める場合に利用できる少額訴訟も有効です。原則1日で判決まで進み、強制執行を申し立てることもできます。

(2)仮差押え

支払督促の申し立てをしても債権回収ができなかった場合を含め、通常の民事訴訟手続き以外の方法では功を奏さなかった場合には、通常の民事訴訟手続きに進むことになります。

しかし、民事裁判は、判決が出るまでに長い期間を要することも少なくありません。その間に債務者によって財産が処分されてしまうと、たとえ勝訴しても、債権を回収できないという事態に陥ってしまいます。

これを防ぐために有効な手段が、あらかじめ債務者の財産を差し押さえておき、処分を禁止するという仮差押えです。

仮差押命令には強制執行の効力がないため、債権回収のための本訴を別途起こす必要があります。しかし、実際には、仮差押命令が発令されると、本訴を起こす前に債務者から任意の支払いを受けられるケースが多いようです。

(3)民事訴訟の提起

民事訴訟では、債権者が原告となり、借用書や契約書などの証拠によって金銭債権の存在を立証していくことになります。当事者同士の主張立証を経て、金銭債権の存在が認められる場合には、最終的に裁判官の判決によって金銭の支払いが命じられます。

(4)強制執行の申し立て

裁判で金銭債権の存在が認められたとしても、債務者が支払いに応じなければ、債権者にとっては意味がありません。そのため、判決確定後に債務者から支払いがない場合には、債務者の財産を差し押さえるなどといった強制執行の申し立てを行い、強制的に債権の回収を行っていきます。

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  • こちらに掲載されている情報は、2022年06月27日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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