
- 債権回収
違法な債権回収代行に注意! 合法な債権回収は弁護士に相談を
「売掛金が期限を過ぎても支払われない」、「友人に貸したお金が返ってこない」など、法人や個人を問わず、債権回収でお悩みの方は少なくありません。債権者自身で債権回収することが難しい場合には、債権回収代行の業者に依頼しようと考えるかもしれません。
しかし、債権回収代行を行うためには、国の許可が必要などの制限があり、なかには違法な債権回収代行も存在するので注意が必要です。
今回は、債権回収業の許可の制度と弁護士に債権回収を依頼するメリットについて解説します。
1. 債権回収には国の認可が必要
弁護士以外の民間企業が債権回収業務を行うためには、国の許可が必要になります。
(1)債権管理回収業に関する特別措置法とは
債権管理回収業に関する特別措置法(通称:サービサー法)とは、バブル経済の崩壊に伴い不良債権処理が課題となっている状況下で、弁護士以外の債権回収会社が業として債権回収および管理を行うことができるようにすることで、不良債権処理の促進を図り、国民経済の健全な発展に資することを目的とした法律です。
サービサー法による許可を受けて債権回収業務を行う会社のことを、一般的に「サービサー」と呼びます。
従来は、債権回収業務は、弁護士法によって弁護士以外には認められていませんでした。しかし、サービサー法が制定されたことによって、法務大臣の許可を受けることにより、民間の業者でも合法的に債権回収業務を行うことが可能になりました。
(2)サービサー法の許可のハードルは高い
サービサー法による許可を受けて債権回収業を行うためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 資本金5億円以上の株式会社であること
- 常務に従事する取締役の1名以上に弁護士が含まれていること
- 暴力団員等の関与がないこと
このような厳しい許可条件がありますので、どのような企業でも簡単に許可が得られるわけではありません。そのため、債権回収を謳う業者の中には、サービサー法の許可を得ずに違法に債権回収を行っているところもあります。
また、サービサーが扱うことができる債権は、以下の「特定金銭債権」に限定されています。
- 銀行などの金融機関・貸金業者が有する貸付債
- リース・クレジット債権
- 特定目的会社が流動化対象資産として有する金銭債権
- 法的倒産手続中の者が有する金銭債権
- 保証会社・金融機関などが有する求償債権
- その他、政令指定で定める特定金銭債権
どのような債権でも扱えるわけではありませんので注意が必要です。
2. 債権回収は弁護士に相談を
債権回収でお悩みの方は、弁護士に相談をすることも検討してみましょう。弁護士の債権回収には、以下のようなメリットがあります。
(1)個人から法人まであらゆる債権の回収が可能
サービサーが扱うことができる債権は特定金銭債権に限定されていますが、弁護士が扱うことができる債権には制限はありません。もちろん、相手に資力がない場合や債権の存在を立証する証拠がまったくないような場合には、弁護士であっても回収が難しいこともありますが、幅広い債権を対象として業務を行うことができるのが弁護士のメリットです。
(2)適切な回収方法の提案をしてもらえる
弁護士は、普段から業務として債権回収を行っていますので、債権回収についての豊富な知識と経験を有しています。督促をしたにもかかわらず支払いがない、長期間家賃を滞納しているなどさまざまなケースに応じた適切な債権回収をサポートしてもらうことが可能です。ただし、債権回収の実績がある弁護士を選ぶことが肝要です。
(3)交渉から法的手続きまで対応可能
弁護士に依頼をすることによって、依頼者に代わって債務者との交渉を行うことができます。弁護士から請求をされたことによって任意に応じてくれる債務者もいますので、債権回収の可能性が高まります。
また、債務者の財産調査などを行うことによって、適切に債権回収を図る手段を講じることができます。任意の交渉で支払いをしない債務者に対しては、訴訟手続きによって債権回収を図ります。
一見わかりやすいところに相手方が財産を持っていない場合は、どこに執行を仕掛けるかといった点について、依頼者との間で相手方についてよく確認してプランを練ることもあります。そのようなアラカルトな対応も、弁護士として直接委任されているからこそのサービスです。
交渉や訴訟手続きは、一般の方にとってはハードルの高い行為です。他人に一任することで、精神的な負担も軽減されるでしょう。また、弁護士に依頼することであらゆる債権に対して、また、様々な状況にも対応しやすくなります。
- こちらに掲載されている情報は、2022年02月16日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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