ゴミ袋でシェイクして“絶品”料理の出来上がり!? 米国 “極悪刑務所”で大人気「ジェイルライス」の作り方
映画「HOMIE KEI ~チカーノになった日本人~」や連載中の漫画「チカーノKEI〜米国極悪刑務所を生き抜いた日本人〜」などで知られるKEIさん。
現在はボランティア活動や、ファッションなどのプロデュースを手がけているが、かつては「ヤクザ」として悪の道を突き進んでいた。
その結果、KEIさんは覚醒剤密売の容疑によってFBIのおとり捜査で逮捕され、アメリカの刑務所の中でも凶悪犯罪者が集まる「レベル4」や、終身刑を受けた囚人だらけの「レベル5」の刑務所で計10年以上収監されることになった。
本記事では、KEIさんが実体験したアメリカ極悪刑務所内の文化や出来事などを紹介。連載第3回目は、プリズンの中の食事事情を紹介する。(全5回)
(#4に続く)
※この記事はKEIさんの書籍『アメリカ極悪刑務所を生き抜いた日本人 改訂版』(東京キララ社)より一部抜粋・構成。
食にこだわる囚人たち
タトゥー・アーティストのような特殊な才能があるヤツは、刑務所のなかで重宝される。毎月けっこうな金を稼ぐことも可能だろう。でも、プリズンでは何の才能のないヤツでも、何とかして金を稼ぎ出さなくてはならない。
日本の刑務所とは違って、アメリカの刑務所では何でも売っている。当然のことだが、必要な物は自力で稼いで買うしかない。だいたい食い物やら嗜好品やらがスーパーで売ってたら、買うのを我慢しろと言っても無理な話だ。ただし、好きに買い物をしたければ、プリズン内の仕事でもらう給料ではとてもやりくりできない。
刑務所内にはファミレスみたいな感じの食堂があって、朝昼晩の3食はそこでありつくことができる。だから無一文で入ってきても、飢え死にすることはない。しかし、ここの飯はお世辞にも美味いとは言えない。
毎週水曜日のランチはチーズバーガーとフライドポテトが出るので、その日だけは食堂も満員になるけど、他の日はガラガラ。毎日食堂に食いに行く囚人は、全体の3分の1くらいしかいない。
プリズンの人気メニュー
ちなみに、ホーミー(編注:メキシコ系アメリカ人「チカーノ」によるチカーノ・ギャングの構成員の事。KEIさんは組長にあたるビッグ・ホーミーに認められ、ホーミーとして迎えられていた。)たちも決して食堂の飯は食べなかった。食材を調達して、自分たち好みの食事を作るのだ。
そうなると食堂では、膨大な食材が余ることになる。食堂で働く連中はそれを盗み出して売ることで、けっこうな稼ぎになった。例えば鶏のムネ肉が1枚1ドル。自分たちのようにウェイト・トレーニングをする者は鶏肉と卵が必要なのでよく買っていた。
ホーミーたちはいろいろと工夫して、ラテン・テイストのスパイシーな料理を作り出す。なかでも人気だったのが「ジェイルライス(編注:KEIさんによる造語。本来はスプリットと呼ばれる。)」だ。

作り方は簡単。プリズンには電子レンジしか調理器具がないから、それを使って粉々にしたインスタントラーメンを茹で、ひき肉やソーセージを加熱する。それらとライスやドリトス、レタスやトマトなど、みんなで持ち寄った具材をぜんぶゴミ袋に入れる。
そこにインスタントラーメンの調味料やサルサソース、マヨネーズ、ルイジアナ・ホットソースなどをぶち込み、あとはゴミ袋を膨らませて一気にシェイク。これで完成だ。仲間が出所するときのパーティには欠かせない人気メニューだった。
自分が前著『チカーノになった日本人』で、このジェイルライスを紹介したところ自分でも信じられないくらいの大きな反響があって、自分の知り合いはもちろん、自分の店のお客さんなど大勢の人に食べてもらったが、かなり辛いにもかかわらずに大好評だった。
みなさんも友達が集まったときには、ジェイルライス・パーティを試してみてほしい。刑務所ではないので、ゴミ袋で混ぜる必要はないが、プリズン気分を味わいたい人はあえてゴミ袋で混ぜるのもいいかもしれない。
(第4回目に続く)
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