「あまりに身勝手で短絡的」Twitter“復讐代行”で夫殺害を計画した妻に懲役10年

弁護士JP編集部

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「あまりに身勝手で短絡的」Twitter“復讐代行”で夫殺害を計画した妻に懲役10年
借金がバレた“逆恨み”から、夫の殺害を計画したという(kai / PIXTA)

Twitterで見つけた「恨み晴らし代行」に夫の殺害を依頼したとして、殺人未遂の罪に問われた瀧田深雪被告(45)に「懲役10年」の判決が言い渡された。

「50万円で夫を殺して」

判決によると、瀧田被告は夫に隠れて、夫や夫の前妻の名義でいわゆる闇金業者から1000万円を超える借金をしていた。これを知った夫は、瀧田被告が自由に使えるお金を月1〜2万円程度に制限。逆恨みした瀧田被告はTwitterで見つけた「恨み晴らし代行」に報酬50万円で夫の殺害を依頼したという(※)。

(※)実行犯は小西昂太受刑者(22)、酒井亮太被告(23)の2人。小西受刑者は今年7月14日、殺人未遂の罪で懲役8年の判決が言い渡されている。同罪に問われた酒井被告の裁判は係属中。事件の詳しい経緯は→「50万円で夫を殺して」借金1000万円バレた妻「恨み晴らし代行」“逆ギレ”依頼の果て…【本日判決】

事件の概要(画像:弁護士JP編集部)

「主文、被告人を懲役10年に処する」

10月31日15時、判決を聞くため東京地裁718号法廷に現れた瀧田被告は、黒のトレーナーに黒い細身のパンツ、黒のくるぶしソックス、ヒールなしの黒いミュール(かかとのないパンプス)を着用。トレーナーの襟元からは白いワイシャツがのぞいていた。髪の毛はひとつに束ねられ、逮捕時に比べていくぶん痩せているようにも見えた。

はじめに裁判長が名前を尋ねると、小さな声で「瀧田深雪です」と発言。その後、坂田威一郎裁判長が「主文、被告人を懲役10年に処する」と言い渡すと、瀧田被告は動じる様子もなく、静かに裁判長を見つめていた。

今月18日に開かれた初公判で瀧田被告は「主人の殺人依頼などしていません」と無罪を主張していたものの、坂田裁判長は

  • 実行犯の小西受刑者(瀧田被告に殺害を依頼されたと供述)はすでに刑が確定しており、虚偽を述べる理由がない
  • 瀧田被告がSNSで「殺し屋」などのワードを検索していた
  • 小西受刑者の携帯電話に被害者の自宅外観写真が保存されていた

ことなど、客観的視点から瀧田被告が主犯格であることは否定できないとバッサリ。「主犯格として共犯者より重い責任を負うべき」であり、自らの借金によって自由に使えるお金が制限されたことに不満を募らせ、犯行に及んだことについて「あまりに身勝手で短絡的」として、懲役10年の判決を言い渡した。

最後に裁判長が控訴について説明すると、瀧田被告はうなずくこともせず、静かに裁判長を見つめていたが、閉廷後には身を乗り出すようにして弁護士と言葉を交わしていた。瀧田被告は判決に何を思い、今後どのような対応に出るのだろうか。

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