小室圭さん司法試験不合格で解雇もある? 国際弁護士が語るNY年収2000万円生活の裏事情

弁護士JP編集部

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小室圭さん司法試験不合格で解雇もある? 国際弁護士が語るNY年収2000万円生活の裏事情
記者会見に臨まれる秋篠宮ご夫妻の長女眞子さんと小室圭さん(写真:産経新聞社 10月26日)

「私は眞子さんを愛しております」

先月26日、小室圭さんと秋篠宮ご夫妻の長女である眞子さんがご結婚された。入籍当日行われた記者会見では、約3年ぶりにふたりが並び、今のお気持ち、これからについてそれぞれの言葉で語られた。また、「誤った情報が事実であるかのような印象を与えかねない質問が含まれる」という事情もあり、記者からの質問は、すべて文章で回答という異例ともいえる対応も話題となった。その中でも、否定的な報道やインターネット上の書き込みにおいて、いわれのない誹謗中傷、誤った情報でいかにふたりが傷ついていたのか、眞子さんが個人的な感情をあらわに回答している箇所に少なからずある種の新鮮さを受けた人もいたようである。

冒頭の言葉は、小室圭さんがまっすぐに前を向き、時折はにかんだような笑みを見せながらしっかりと言葉を発したもの。

母親と元婚約者の間に起きた金銭トラブル、婚約の延期、自らへのバッシング…。紆余曲折の末に、ニューヨークでの新生活を始める二人にまたしても衝撃的な事実が判明したのは周知の通り。小室圭さんが7月に受験したニューヨーク州の弁護士試験に不合格だったことが判明したのである。

小室さんの今後はどのような形に落ち着くのか

ドラマチックな結婚劇を経てこれから始まる現実の生活はどうなるのであろうか。「眞子さんの1億円ともいわれる預貯金」(週刊新潮11月11日号)が頼りとも報じられる中、現実的には、一家の大黒柱として小室さんはニューヨークの法律事務所に「法律事務員」として勤務、当面家計を支えることになるのではないだろうか。「来年2月の試験に向けてがんばります」と知人に伝えたといわれる小室さんの今後はどのような形に落ち着くのか、事態を見守るしかない。

来年2月の司法試験に合格すれば、晴れて「国際弁護士」となり、一説には2000万円もの年収を得るとも言われている。そもそも日本国内では馴染みが薄い「国際弁護士」だが、どのような案件に対して弁護を行い、何を解決し、高収入を得られるのか、まだまだ知られていないことも多い。

自らもカリフォルニア州、ハワイ州、グアムの弁護士資格を持つ国際弁護士事情に詳しいタイタノ誠弁護士に、その実情や「国内弁護士」との違いなどについて聞いた。

まずは弁護士資格試験が不合格になった場合の処遇ですが、内定している法律事務所からの解雇などはあり得ますか

一般的にですが、大手事務所に採用された弁護士で司法試験に不合格する人はあまりいません。しかし、不合格になった場合でも、多くの大手事務所で2度まではチャンスが与えられることが多いのが実情です。

ただ、これは暗黙の了解というような部分もあることから、一部の大手事務所では不合格者が解雇になる事務所もありますし、すべての事務所がそうであるのか一概には言えません。なお、2度不合格になった場合は相当な特殊な理由がなければ解雇されます。

来年の試験まで、どのような仕事を行う可能性がありますか

2度目の試験までの期間、法律事務員としての業務内容ですが、これも事務所によってさまざまかと思います。業務内容が弁護士とほぼ変わらない事務所もありますし、図書館に籠もって延々とリサーチのみの事務所もあります。

また、大手事務所は極めて激務なのが一般的ですので、その中で国際弁護士となるべく、どのように勉強時間を捻出するのかが今後の大きな課題になるでしょう。

そもそも「国際弁護士」とは、どのような資格でしょうか

まず大前提として、「国際弁護士」という資格はありませんし、その定義ははっきりしていません。日本の弁護士資格を持っていて、なおかつ海外の弁護士資格を持っている人のことを国際弁護士という造語で呼んでいるに過ぎません。日本で「国際弁護士」と聞くと若干胡散臭い感じがするのもそのせいかもしれませんね(笑)。

小室圭さんが取得予定の弁護士資格はニューヨーク州のものなので、日本で一般的に言われる国際弁護士の意味とは少し違うかもしれません。ただし、勤務先となるローウェンスタイン・サンドラー法律事務所の小室さんのプロフィールを見る限りは、ベンチャーキャピタルやM&Aの業務を担当する予定です。つまり、個人的な意見ですが、ゆくゆくはニューヨークに進出してくる日系企業の窓口になったり、またその逆に米国企業の日本進出時の手助けのような役割を期待されているのかもしれません。

国境を越えた業務という意味では、将来的には国際弁護士と呼んで差支えない立場になるのではないのでしょうか。また、企業の国際契約となれば、世界ではイギリス法かニューヨーク法を用いることが一般的ですので、そういった意味でも、他国の弁護士資格より国際的な資格であると言えるでしょう。

小室圭さんが晴れて弁護士資格を取得した場合、想定年収が一説には2000万円とも言われていますが、現実的な収入なのでしょうか

全然現実的な年収です。大手の弁護士事務所だと今はむしろもっと上がっていて、弁護士の初任給は今2300万円ぐらいの事務所もあります。それがなくても、小室さんが卒業したロースクールの卒業生の平均初任給が2000万円程ですので、現実的な数字だと思います。ただ、小室さんが勤務する予定のニューヨークでの2000万円と、日本に住んでいる日本人の考える2000万円とだと少し感覚としては違うかもしれませんね。

全米でも特にニューヨークは突出して物価が高いということに注意が必要です。たとえば牛乳1パック(約4リットル)は500円位ですし(全米の平均よりも40%以上高い金額)、マンハッタンですと、日本でいうワンルーム(1K)マンションの月の家賃が40万円超などはザラです。さらには連邦、州の所得税と税金も全米中でも特に高い。

2000万円の給料を受け取ったとしても、どうでしょう、日本で考えられるような贅沢はできないかなと。ニューヨークの中心部ではなく郊外に住めば少しはラクになるかもしれません。東京でいえば、港区は生活費が高くなるけど、立川市であれば地に足の着いた生活ができるみたいな感覚でしょうか。

小室さんが勤めるような法律事務所では、主にどのような案件を扱うのですか

日本でいうところの「企業法務」を扱うのが一般的です。企業法務グループに加え、テックグループにも所属しているようなので、M&A、テック企業関連のベンチャーファイナンス等の案件を多く取り扱うのではないかと想像しています。

先ほども話した通り、小室さんには日本の大小さまざまな企業との窓口としての役割も期待されているのではないでしょうか。ただし大手事務所では長時間労働は当然のことなので、その点は覚悟する必要があるかもしれません。ローウェンスタイン・サンドラー法律事務所でいえば、初年度に要求されるお客さんへの請求時間数が年間2000時間という話を聞きます。

大手事務所では平均的ですが、それでもかなり過酷な数字です。1時間4~5万で考えれば年間8000万~1億円の売り上げがおおよそのノルマといえます。週6~7日勤務の激務でやっと達成できるかどうかと考えれば、しばらく休みはないかもしれません。

国際弁護士の一般的な「成功」とされるキャリアパスはどのようなものになるでしょうか

事務所によっていろいろなケースがあります。一般的には、同じ事務所であれば、「アソシエイト」弁護士を5~7年、中間職的な「カウンセル」弁護士として2~3年、最終的に「パートナー」弁護士となることが、出世コースの王道といえるのではないでしょうか。あるいは、皆さんがイメージされる通り、ステップアップのための離職率は高いので、ニューヨークの報酬が高い事務所や、よりキャリアアップに繋がる事務所へ移籍なども選択肢のひとつです。

パートナー弁護士ともなれば、事務所のオーナーの一人になり、利益のパーセンテージを貰うことになり、その中でも活躍している人はさらによりよい待遇を得られる。平均年収としては4000万~5000万円というところですが、億単位の年収も現実的となり得ます。ここまで上り詰めるには、クライアントを連れてくる、自分で顧客を作る能力を含む、幅広い能力が必須です。

また、別の成功ルートとしては、日本とは逆のパターンですが、キャリアを積んだ弁護士として州・連邦裁判所の裁判官や判事、司法長官などを目指す道などもありますが、小室さんの国籍を考えると現実的ではないかもしれません。むしろ「日本人」いうアドバンテージを最大限に活かして「パートナー」弁護士を目指し、ゆくゆくは日本でも国際弁護士として活躍するという道もあるかもしれません。

その前に、とにかくまずは来年の2月の弁護士試験に受かることが最優先であることは言うまでもありません。

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