「人質にされた!」…最悪事態を回避するために「やってはいけない」6つ「やるべき」4つ

弁護士JP編集部

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「人質にされた!」…最悪事態を回避するために「やってはいけない」6つ「やるべき」4つ
事件に巻き込まれた時、「知識」の有無が命運を分ける(※写真はイメージです やんちんぐ / PIXTA)

もしもワニに襲われたら…そんなめったにないことにわざわざ備えておく必要なんかない!多くの人はそう考えているかもしれない。だが、「まさか」が起こってしまうのが現実というものだ。世の中では運よりも、「知恵」の方がサバイバルには有効だったりする。

本連載では、クマやナイフを振り回す悪漢に襲われながら逃げ切るなど、誰もしたくない経験を持つ2人の作者が実体験も踏まえ、状況別に生き残る術をわかりやすく紹介。まさに「窮地から生き延びるためのノウハウ」を、万一の時に備え、共有する。

第1回のテーマは、「もしも人質になってしまったら」。絶対になりたくない状況だが、だからこそ、その時に備え、対応策を頭に入れ、シミュレーションしておく。そのことで、最悪の事態は回避できるかもしれない…。(全4回)

※ この記事はジョシュア・ペイビン/デビット・ボーゲニクト(訳:梅澤乃奈)の書籍『もしもワニに襲われたら』(文響社)より一部抜粋・構成しています。

テロリストは人質を“もの”として扱う

テロリストは人質を人間ではなく、ただの“もの”として扱うことで力と支配権を行使するのです。テロリストにとって、“もの”と化した人質を乱暴に扱うなど造作もありません。下記の助言に従い、乱暴な扱いや最悪の結果を避けましょう。

1. 平静を保つこと

周囲の人々も平静でいられるように、手助けをしてあげましょう。覚えておいてください。人質をとっている犯人は極度の緊張状態に陥り、さらにおびえているのです。 これ以上、刺激してはいけません。犯人から話しかけられたとき以外は声をかけないこと。

2. テロリストが発砲したら、頭を下げて床に伏せる

床に腹をつけて体を伸ばします。可能であれば壁の後ろに隠れてください。しかし、あまり遠くまで移動しないこと。逃亡、または反撃をたくらんでいると犯人に勘違いされてしまいます。調度品では銃弾から身を守るには不十分です。相手が大口径の銃を持っていたら、なおさら無意味です。

3.急な動作、不審な行動は慎む

財布、パスポート、チケットなどの持ち物を隠そうとしてコソコソしないこと。

4.要求に従う

ためらいを見せると、その場で殺されてしまうかもしれません。そうでなくても、あとで報復されたり、見せしめに選ばれたりする危険もあります。警戒を怠らないこと、そして逃亡の計画を立てたり、英雄になろうとしたりしないこと。

「手を頭の後ろで組め」、「頭を下げていろ」、または「別の体勢をとれ」などと言われたら、おとなしく従いましょう。しんどい体勢であったとしても、 許可なく動いてはいけません。

気分を落ち着かせるために、自分に話しかけるといいでしょう。その体勢で長時間をすごさなくてはならない可能性もあります。苦しい状況を乗りこえるため、精神面と感情面を整えておくことです。

5. テロリストを直視しない。指示されない限り話しかけないこと

何かある場合は手を挙げて、礼儀正しく接しましょう。

質問に答えるときは丁寧さを心がけながらも、服従しないように気をつけてください。落ち着いた声で話すこと。

人質にされた時、冷静であることが最悪の事態を回避する

6. 挑発しない

テロリストは見せしめの犠牲者を探しているものです。 反抗的な態度をとれば、見せしめに殺されてしまうこともあるでしょう

7. テロリストの性格や行動を慎重に観察する

頭の中で、彼らに呼び名をつけましょう。そうすることで、解放後に犯人を特定する助けになります。服装、アクセント、顔の特徴、背丈など、外見上の特徴を記憶しておくと、捜査の助けになるでしょう。

8. ハイジャックに遭遇した場合は、最も近い避難口を確認しておく

出口まで座席が何列あるのかを数えておきましょう。緊急救助の際には煙で視界が遮られることもあります。一 刻も早く、飛行機の外へ出られるようにしておかなくてはなりません。機内が煙で充満しても、機内の床や座席にはLEDの誘導灯が設置されています。ハイジャック犯による大虐殺が確実だという状況になるまでは、逃げようとしないこと。

9. 救援隊が機内へ入ってきたら、身をかがめてじっとしておく

銃撃戦が繰り広げられるかもしれません。急に動くとテロリストの注意を引いたり、救援隊に誤って狙撃されたりする危険があります

10、事件解決時に救援隊に自らの名前と、誰がテロリストなのかを伝える

テロリストの中には、人質を装って逃げようとする者もいます。

【プロの助言】

・テロリストに格好の餌食だと思われるのを避けるため、人の多い場所でパスポートを取り出さないこと。

・空港、駅、バス乗り場、高級ホテルのロビー、裕福な観光客が訪れる店などでは特に警戒しましょう。内戦やゲリラ活動の場合は、ほとんどが自国民を標的とするため観光客は比較的安全です。対してテロリストは、 最も注目を集められる場所を標的に選ぶのです。

・遊歩道、有名な歴史的建造物、パレードの通り道、屋外マーケット、コンサート会場など、多くの人が集まる場所はテロリストの標的になりやすいです。

  • この記事は、書籍発刊時点の情報や法律に基づいて執筆しております。
書籍画像

もしもワニに襲われたら

ジョシュア・ペイビン/デビット・ボーゲニクト(訳:梅澤乃奈)
文響社

危機管理のスペシャリストたちの知識を結集した全米ミリオンセラーに大幅加筆! ミレニアル版として生まれ変わった「超実践的・なぜかちょっと笑えるサバイバルブック」

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