施工不良で損害賠償を請求された! そのとき、どう動けばいい?
  • 2021年06月07日
  • 不動産・建築・住まい

施工不良で損害賠償を請求された! そのとき、どう動けばいい?

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

新築住宅の販売や建築施工を行う会社は、引き渡し後に施主から施工不良があったと主張されることもあります。施工不良に心当たりがある場合には、施主に対して謝罪をして誠意をもって対応する必要がありますが、場合によっては施主から損害賠償請求をされることもあります。そのような場合にはどのように対応したらよいのでしょうか。

今回は、施主から施工不良で損害賠償請求をされた場合の業者側の対応方法について解説します。

1. 施工会社の責任範囲はどこまで?

施主から施工不良を主張された場合に、施工会社はどの範囲まで責任を負う必要があるのでしょうか。施工会社が負う責任としては、主に契約不適合責任と不法行為責任があります。以下で詳しく説明します。

(1)契約不適合責任(瑕疵担保責任)

引き渡しをした新築住宅が欠陥住宅であった場合には、建物の売主は、契約不適合(瑕疵担保)責任を追及される場合があります。

契約不適合(瑕疵担保)責任とは、引き渡された目的物が契約の内容に適合しない場合に、売主が負う責任のことをいいます。従来は瑕疵担保責任と呼ばれ、目的物に「隠れた瑕疵」があった場合に売主が責任を負っていましたが、民法改正によって、契約不適合責任に名称が変更されるとともに売主が責任を負う場合も目的物が「契約の内容に適合しない」場合となりました。

したがって、売主が責任を負う場合は目的物に隠れた瑕疵があったかどうかではなく、一般的に備わっているはずの品質や性能が不足している場合や契約によって予定されていた品質や性能が不足している場合へと変わりました。

引き渡された建物が契約不適合であった場合には、買主は、売主に対して、追完請求、代金減額請求、契約の解除、損害賠償請求が可能です。

契約不適合責任を追及する場合には、民法上期間制限があり、具体的には買主が契約不適合を知ったときから1年以内に通知をしなければなりません。

もっとも、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)では、民法の特例として、新築住宅の工事請負契約については、「構造耐力上主要な部分」および「雨水の浸入を防止する部分」に契約不適合があった場合には、引き渡しのときから10年間、契約不適合責任を負うとしています。

(2)不法行為責任

施工会社が住宅の売主ではない場合には、購入者と直接の契約関係はありませんので上記の契約不適合責任を負うことはありません。しかし、別途民法の不法行為責任が問題になることがあります。

施工会社は、施工会社が施行した建物について居住者の生命、身体または財産を危険にさらすような安全性を損なう瑕疵があり、その点について施工会社に故意または過失がある場合には、建物の購入者から損害賠償請求をされる可能性があります。

民法の不法行為責任にも期間制限があり、損害および加害者を知ったときから3年以内または不法行為のときから20年以内に権利行使をする必要があります。

2. 施工不良で損害賠償請求された場合の対応方法とは

施主や購入者から施工不良を理由に損害賠償請求をされた施工会社としては、以下のような対応をする必要があります。

(1)施主や購入者との話し合い

まずは、施工不良の内容や原因を明らかにしたうえで、施工会社に原因がある施工不良である場合には、施主や購入者と話し合いの場を設けて解決を図ります。

損害賠償を求めていたとしても、施工不良を補修したり、追加工事を行うことによって納得してもらえる場合もありますので、どのような解決方法が最適であるかについてよく話し合うことが重要です。

施工会社に原因のない施工不良である場合でも、「責任はありません」と言うだけではなく、資料や根拠を示しながら誠意をもって対応するようにしましょう。

(2)訴訟を提起された場合には弁護士に相談を

施主や購入者が話し合いによっても納得できない場合には、施工会社を相手方として損害賠償を求める訴訟を提起することがあります。

訴訟では、施工会社に責任があるのか、責任がある場合にどの範囲の損害を賠償するのかについて原告との間で争っていかなければなりません。訴訟手続きは、極めて専門的な手続きですので、施工会社だけでは適切に進めていくことは難しいといえます。専門家である弁護士のサポートを受けながら進めていくようにしましょう。

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