成人した子どもからお金を要求される! 対策はある?

成人した子どもからお金を要求される! 対策はある?

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

成人した子どもからお金を要求されて困っている場合、お金を渡し続けても状況は好転しません。早いうちに対処しておく必要があります。

この記事では、子どもからお金を要求されたときの対処法や、話し合いで解決するための制度である「親族関係調整調停」の概要を解説します。子どもとの金銭トラブルに悩んでいる方は、ぜひご覧ください。

1. 成人した子どもからお金を求められた際の対処法

子どもからお金を要求された際は、毅然(きぜん)とした態度での対応が必要です。

(1)話し合いを行う

成人済みの子どもがお金を求めてきた場合、まずは家族で話し合いましょう。子ども側としても、もしかしたら借金を抱えていたり、定職につけずに悩んでいたりするかもしれません。なぜ親にお金を要求しなければならない状況に陥っているのか、しっかりと説明してもらう必要があります。

お金を渡すこと以外にも、就職のサポートやメンタルケアなど、親が行える援助は多数存在します。すぐには解決しなかったとしても、親子間でコミュニケーションを取り続けることが大切です。

(2)あえて厳しい態度をとる

話し合いを要求しても、子どもが応じてくれない場合は、あえて厳しい態度をとるのも一つの手です。たとえば、子どもが現在実家で暮らしている場合、いつでも親を頼れる環境が、子どもの精神的な自立を妨げている可能性もあるため、一人暮らしをさせてみてもいいかもしれません。

子どもの要求に応じてお金を渡し続けていると、老後資金や貯金が底をつき、将来的に家族全員が困窮することも考えられます。子どもの将来も考えて、毅然とした対応も必要です。

(3)弁護士に相談する

話し合いや厳しい対応をしても状況が変わらない場合は、弁護士に相談する方法もあります。弁護士に相談すれば、適切なアドバイスを受けることができます。

なお、親子間で発生した恐喝・窃盗トラブルは「親族相盗例」が適用されるため罪に問うことはできません。暴行や強盗に発展すると刑事事件として扱えますが、ただお金を渡しているだけでは、警察に通報しても十分な対応は受けられない可能性が高いでしょう。着実に問題を解決するためには、弁護士への相談が効果的です。

2. 親子のトラブルを解決するためには?

親子間での金銭に絡む問題を解決するには、親族関係調整調停の実施がおすすめです。

(1)親族関係調整調停の手続きを行う

親族関係調整調停とは、家庭裁判所を介して親族関係の話し合いを行う制度です。第三者である調停委員が話し合いに加わり、的確なアドバイスをもらうことができます。ただし、子どもが話し合いに参加しなければ調停が不成立になる点には注意が必要です。

親族関係調整調停以外にも、以下のようなケースでよく調停が行われます。

  • 生活費の分担
  • 養育費の請求
  • 離婚調停
  • 財産、遺産管理
  • 同居、別居について

親族関係調整調停の流れは以下のとおりです。

①家庭裁判所に申し立てを行う

必要書類を送付し、調停申し立ての手続きを行います。

②調停期日に、調停委員と面談を行う

指定された調停期日になったら、双方が家庭裁判所に足を運び、調停委員と面談を行い、和解できる方法を考えることになります。なお、調停期日は、通常1か月に1回のペースで繰り返されます。

③調停案に同意する

調停委員が提示した調停案に双方が同意すると、調停は成立となります。なお、親族間の金銭に絡む争いは、家庭裁判所が審判を行う対象にはなりませんので、どちらか片方でも同意しなかった場合は、もう一度両者で話し合いを行う必要があります。

(2)申し立てに必要な書類・費用とは?

親族関係調整調停に必要な書類は、以下のとおりです。これは一例で、地域などによって内容が変わることもあるため、お住まいの地域はどのような内容なのかをご確認ください。

  • 親族間調整調停申立書
  • 親族間調整調停申立書の写し(相手の人数分)
  • 連絡先等の届出書
  • 進行に関する照会回答書
  • 1200円分の収入印紙
  • 連絡用の切手

手続きにかかる費用は、1200円分の収入印紙と連絡用切手の料金のみで、このほかに、別途費用が請求されることはなく調停が行えるため、金銭的に苦しい場合でも申し立てがしやすくなっています。ただし、弁護士への相談や依頼を行う場合、別途料金がかかる点には注意が必要です。

成人した子どもからお金を要求されており、話し合いをしても問題解決に至らない場合は、弁護士に相談するのもひとつの方法です。親族関係調整調停のサポートも行ってくれるため、心強い味方となりますので、成人した子どもからお金を要求されていてお困りの方は、一度弁護士へ相談することをおすすめします。

弁護士JP編集部
弁護士JP編集部

法的トラブルの解決につながるオリジナル記事を、弁護士監修のもとで発信している編集部です。法律の観点から様々なジャンルのお悩みをサポートしていきます。

  • こちらに掲載されている情報は、2023年10月06日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

お一人で悩まず、まずはご相談ください

まずはご相談ください

家族・親子に強い弁護士に、あなたの悩みを相談してみませんか?

弁護士を探す
まずはご相談ください

お一人で悩まず、まずはご相談ください

家族・親子に強い弁護士に、あなたの悩みを相談してみませんか?

関連コラム

家族・親子に強い弁護士

  • 藤田 奈津子 弁護士

    みとみらい法律事務所

    茨城県 水戸市
    茨城県水戸市南町3-3-33 PS第3ビル8階

    電話対応時間はAM9:30〜PM5:30(PM0:00〜PM1:00を除く)です

     
    注力分野

    後見申立・財産管理や死後事務・親子や兄弟関係に関する問題(認知,親子関係不存在,扶養義務)など,家族や親子に関する様々なご相談を受け付けております。

  • 岡部 頌平 弁護士

    弁護士法人葛飾総合法律事務所

    東京都 葛飾区
    東京都葛飾区東金町1-42-3 道ビル5階
    常磐線・京成線「金町」駅から徒歩1分
    • 当日相談可
    • 24時間予約受付
    • ビデオ相談可
    • 初回相談無料

    初回相談は、面談相談に限り30分無料となります。電話で概要を伺い、予約となります

     
  • 笠木 拓海 弁護士

    ベリーベスト法律事務所 横浜オフィス

    神奈川県 横浜市神奈川区
    神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町3-33-8 アーバンセンター横浜ウエスト10階
    各線「横浜」駅より徒歩10分
    • 当日相談可
    • 休日相談可
    • 24時間予約受付
    • 全国対応
    • 電話相談可
    • ビデオ相談可
    • 初回相談無料

    ※初回相談無料は、ご相談の内容によって一部有料となる場合がございます。

     
  • 園田 真一朗 弁護士

    ベリーベスト法律事務所 京都オフィス

    京都府 京都市中京区
    京都府京都市中京区烏丸通錦小路上ル手洗水町659 烏丸中央ビル2階
    阪急京都線「烏丸駅」・市営地下鉄「四条駅」より徒歩3分
    • 当日相談可
    • 休日相談可
    • 24時間予約受付
    • 全国対応
    • 電話相談可
    • ビデオ相談可
    • 初回相談無料

    ※初回相談無料は、ご相談の内容によって一部有料となる場合がございます。

     
  • 大城 拓摩 弁護士

    ベリーベスト法律事務所 浜松オフィス

    静岡県 浜松市中央区
    静岡県浜松市中央区鍛冶町319-28 遠鉄鍛冶町ビル11階
    JR「浜松駅」メイワン口から徒歩5分
    • 当日相談可
    • 休日相談可
    • 24時間予約受付
    • 全国対応
    • 電話相談可
    • ビデオ相談可
    • 初回相談無料

    ※初回相談無料は、ご相談の内容によって一部有料となる場合がございます。