刑事事件で逮捕された後の流れを解説|逮捕・起訴・刑事裁判
  • 2021年06月30日
  • 裁判・法的手続

刑事事件で逮捕された後の流れを解説|逮捕・起訴・刑事裁判

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

刑事事件でご自身やご家族が逮捕されてしまった場合には、不安を和らげて正しい対応をするために、その後の刑事手続きがどのように進行するのかをきちんと把握しておくことが大切です。

この記事では、刑事事件で逮捕されてから、刑事裁判の判決が確定するまでの流れについて解説します。

1. 刑事事件で逮捕されてから、起訴に至るまでの流れ

刑事事件で逮捕された場合には、まずは捜査機関が犯罪事実に関する捜査を行って、検察官が起訴・不起訴の判断をします。
逮捕から起訴に至るまでの大まかな流れは、以下の通りになっています。

(1)逮捕・起訴前勾留|最大23日間

「逮捕」は一時的な身柄拘束であり、その期間は最大72時間(3日間)と決められています(刑事訴訟法205条2項)。
具体的には、警察に逮捕された場合には、48時間以内に検察官に送致されます。その後、
検察官は24時間以内に釈放するか、後述する「勾留請求」を行うか決定しなければなりません(同法203条1項、205条1項)。
検察官は、長期の身柄拘束が必要と考えた場合には、裁判官に対して「勾留請求」を行います。
そして、勾留請求を受けた裁判官は、以下の要件を満たす場合に限り、勾留状を発行することになるのです(同法207条1項、60条1項参照)。

①罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があること

②以下のいずれかに該当すること

  • 被疑者が定まった住居を有しないこと
  • 被疑者が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があること
  • 被疑者が逃亡すると疑うに足りる相当な理由があること

③勾留の必要性が認められること

勾留状が発行されると、身柄拘束は「逮捕」から「起訴前勾留」に移行します。
起訴前勾留の期間は原則10日間とされていますが(同法208条1項)、やむを得ない事由がある場合にはさらに10日を超えない範囲で延長することができるため(同条2項)、最大20日間となるのです。

したがって、逮捕・起訴前勾留を合わせた身柄拘束期間は、最大23日間となります。

この期間に、警察や検察は犯罪事実に関する捜査をすすめます。

そして、捜査の一環として、被疑者に対する取り調べも行われることになるでしょう。

なお、身柄拘束期間中であっても、原則として、弁護人は被疑者といつでも接見することが可能です(同法39条1項、3項)。
不起訴処分を得るためには、この起訴前勾留の期間中に、弁護士に依頼して身柄を解放するための弁護活動を行ってもらうことが重要になるのです。

(2)起訴するかどうかを判断するのは検察官

被疑者を起訴するかどうかの判断は、すべて、検察官に委ねられています(刑事訴訟法247条)。

検察官が起訴をするのは、「裁判で犯罪事実を確実に立証できる」という見込みを抱いているときです。
ただし、犯罪の事実を立証できそうな場合でも、被疑者の性格・年齢・境遇、犯罪の軽重・情状、犯罪後の情況などを考慮して、あえて起訴しないという判断に至るケースもあるのです。(起訴猶予処分)。

なお、100万円以下の罰金または科料に処す場合には、「略式手続」という簡易的な手続きがとられる可能性もあります。

一方で、不起訴となった場合には、身柄を拘束されていた被疑者については、直ちに釈放されます。
一方、起訴された場合には、「起訴後勾留」に切り替わり、被疑者の身柄拘束が続くことになります。

2. 起訴後および刑事裁判の流れ

被疑者が検察官によって起訴された場合、公判が開かれることになります。
起訴後および公判手続き(刑事裁判)の大まかな流れは、以下の通りです。

(1)起訴後勾留|当初2か月、1か月ごとに更新

被疑者が起訴された場合、「被告人」と呼称が変更され、身柄拘束は「起訴前勾留」から「起訴後勾留」へと自動的に切り替わります。

起訴後勾留の期間は当初2か月ですが、その後1か月ごとに更新されます(刑事訴訟法60条2項)。

起訴後勾留期間中も、弁護人は被告人といつでも接見することができます(同法39条1項)。

(2)起訴後勾留中も身柄が解放される場合がある

起訴された後に勾留されている間であっても、弁護人や被告人自身が「保釈」を請求すれば、身柄が解放される可能性があります(刑事訴訟法89条、90条)。

保釈を認めてもらうためは、一定額の「保釈保証金」を裁判所に預ける必要があります(刑事訴訟法93条、94条)。

(3)公判手続き|検察官が犯罪事実を立証

検察官が起訴を行うと、一定期間の後に、裁判所によって刑事裁判の公判手続きが開始されます。

刑事裁判においては、検察官が、物証や証人などの証拠を用いながら、起訴状に記載されている犯罪の成立要件を立証しようとします。

被告人としては、弁護人と相談しながら、「罪を認めるかどうか」の判断も含む対応方針を決定していく必要があるのです。

(4)判決

裁判官は「犯罪の証明があったとき」に、被告人の酌むべき事情等を考慮したうえで、判決を下します(刑事訴訟法333条1項)。

判決では、有罪または無罪、および被告人に科す量刑が明示されることになるのです。

(5)上訴(控訴・上告)or判決確定

検察官と被告人のどちらも、1審で下された判決に不服がある場合には、「控訴」を行うことができます(刑事訴訟法372条)。

控訴期間は、判決の宣告日を含めて14日間です(同法373条、358条)。

そして、高等裁判所が下した判決に対して不服がある場合には、最高裁判所に対する「上告」が認められているのです。ただし、最高裁判所への上告は、憲法違反・判例違反などの一定の要件を満たす場合に限られます(同法405条)。

上訴がない場合には、控訴期間・上告期間が経過した段階で判決が確定することになります。

刑事手続きは長期間に及ぶことが多く、そのプロセスもかなり複雑なものになっているのです。
もし刑事手続きについてわからないことがある場合には、弁護士に確認することをおすすめします。

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  • こちらに掲載されている情報は、2021年06月25日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。