中学生の子どもによる課金トラブルについて相談できる窓口は?
  • 2021年05月25日
  • 消費者被害

中学生の子どもによる課金トラブルについて相談できる窓口は?

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

最近では、小学生・中学生といった子どもであってもスマートフォンを持つことが当たり前になりました。
それと同時に、課金式のオンラインゲームやアプリも普及しています。

こうした背景のなかで、子どもが勝手にオンラインゲームやアプリに課金したことにより、利用料金の請求が非常に高額になるというトラブルがしばしば発生しています。

子どもによるオンラインゲームでの課金は、法律上取り消すことができる場合がありますが、ケースバイケースで適切に判断することが大切です。
この記事では、未成年者によるオンラインゲームでの課金の返金を求めることができるかどうかについて、解説いたします。

1. 子どもによるオンラインゲームでの課金の返金は認められる?

最近のオンラインゲームでは、子どもであってもタップ操作によって簡単に有料アイテムを購入できるようになっています。
そのため、保護者の知らないところで子どもが高額の課金をしてしまい、後からその事実が判明してトラブルになるケースが多くなりました。

子どもが親に無断で課金をする問題について、法律上はどのように取り扱われるかについて、解説いたします。

(1)未成年者が単独でした法律行為は、原則として、取り消しが可能

未成年者は、未だ人格の形成が発展途上にあり、自分の行為の善悪や結果に対する判断能力が十分でないと考えられます。
そのため、民法では、未成年者は「制限行為能力者」と位置づけられています。そして、未成年者の法律行為については、すべて法定代理人の同意が必要とされているのです(民法第5条第1項)。

未成年者が法定代理人の同意なく法律行為をした場合、未成年者または法定代理人は、その法律行為を取り消すことが可能です(同条第2項)。
したがって、未成年の子どもがオンラインゲームで親に無断で課金をした場合には、原則として、その課金を取り消すことができるのです。

(2)「詐術」があった場合は取り消しが認められない

ただし、上記の取消権については、「制限行為能力者の詐術」があれば、取り消しが認められないことに注意が必要です(民法第21条)。

同規定によると、未成年者が契約の相手方に対して、自らが成年であることを信じさせるために噓をついた場合には、法律行為の取り消しが認められないとされています。

オンラインゲームをプレイする子どもは、未成年者が単独で課金をすることが認められないことを理解している場合も多いでしょう。
そのため、自分の判断で自由に課金をするために、登録する年齢を成年と偽る場合があるのです。

この場合には、詐術による例外規定に抵触して、課金の取り消しが認められない可能性があります。

(3)「詐術」の有無に関する判断基準は?

子どものオンラインゲームでの年齢詐称が「詐術」に当たるかどうかを判断するうえでは、経済産業省が公表している準則が参考になります。
(参考:「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」(経済産業省))

オンラインゲームの利用をはじめとする「電子商取引」上での年齢詐称は、特に相手を「騙す」という意図が強くなかったとしても、画面上の入力によって気軽に行えてしまいます。

そのため、経済産業省の準則では、単に「未成年者が虚偽の年齢や生年月日を入力した」という事実だけでなく、未成年者の意図的な虚偽の入力が「人を欺くに足りる」行為といえるのかどうかについて、他の事情も含めた総合判断が必要である、とされているのです。

考慮すべきとされている要素の具体例は、以下のとおりになります。

  • 未成年者の年齢
  • 商品や役務が、未成年者が取引に入ることが想定されるような性質のものか
  • 事業者が設定する未成年者か否かの確認のための画面上の表示が、未成年者に対する警告の意味を認識させるに足りる内容の表示であるか
  • 未成年者が取引に入る可能性の程度等に応じて、不実の入力により取引することを困難にする年齢確認の仕組みとなっているか

つまり、子どもによる課金の取り消しが認められるかどうかは、これらの要素を総合的に考慮したうえで判断されるのです。ケースバイケースともいえるでしょう。
かなり専門的な検討が必要になりますので、詳しくは弁護士にまで相談した方がよいでしょう。

2. 子どもによるゲームでの課金についてトラブルが発生した場合の対処法は?

知らないところで子どもがオンラインゲームに高額の課金をしていた場合には、以下の相談窓口へ、お早めにご相談ください。

(1)公的機関に事情を説明する

消費者庁管轄の消費生活センターでは、消費者契約に関する市民の悩み・相談を「消費者ホットライン」で受け付けています。
(参考:「消費者ホットライン」(消費者庁))
また、消費者ホットラインが回線混雑などにより繋がりにくい場合には、国民生活センターの「平日バックアップ相談」に連絡することも可能です。
(参考:「平日バックアップ相談」(国民生活センター))

(2)弁護士に相談する

弁護士に相談すれば、民法の規定などをふまえて具体的な相談内容を丁寧に検討したうえで、できる限り返金が認められるような主張構成を組み立ててもらい、サポートしてもらうことができます。

子どもによる高額のオンラインゲーム課金について、ゲーム会社に返金を求めたい場合には、弁護士に相談することをおすすめします。

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