磯遊びで貝を持ち帰ったら罰金3000万円!? GWは“悪意なき密漁”に注意

弁護士JP編集部

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2022年04月29日 10:02

磯遊びで貝を持ち帰ったら罰金3000万円!? GWは“悪意なき密漁”に注意 海水浴客や釣り人による“悪意なき密漁”が増えている(画像:弁護士JP編集部)

近年、レジャーの延長で密漁に手を染める事例が問題となっている。沿岸域には、アワビやナマコなど比較的簡単に捕獲できる“高級食材”も生息しており、見つければ思わず手を伸ばしたくなるかもしれない。しかし、2020年12月に施行された改正漁業法により、これらを許可なく捕獲した場合は「3年以下の懲役又は3000万円以下の罰金」が科されるため注意が必要だ。

磯遊びが楽しいこれからの季節、思い出となるはずの日が人生の歯車を狂わすきっかけとならないよう、注意すべき点を紹介する。

海水浴客や釣り人が続々と摘発

海上保安庁によると、2021年に海上犯罪取締りで送致した件数のうち、32.8%にあたる2114件が漁業関係法令違反だった。悪質な密漁が増加していることを受けて、海上保安庁や警察などは監視体制を強化。海水浴客や釣り人など一般人の摘発では「(ルールを)知らなかった」「自分で食べるつもりだった」というケースも少なくないという。

ここ数年で一般人が摘発された事例を紹介する。

  • 消防士5人が伊勢エビで書類送検(徳島県阿南市/2020年)
    漁業権や入漁権がないのにもかかわらず伊勢エビを捕ったとして、地元の消防署員5人が漁業法違反容疑などで書類送検された。非番だった5人は海岸でバーベキューをしており、素潜りで捕った伊勢エビなどを焼いて食べていたところを、徳島海上保安部に事情聴取された。5人は「バーベキューで食べるだけなら大丈夫」と思っていたという。
  • サザエ44個「少しぐらいなら構わないのでは」(兵庫県豊岡市/2021年)
    サザエ44個、アワビ1個を許可なく捕った女性が漁業法違反容疑で任意聴取された。海上保安官が発見し声をかけると「自宅で食べるつもりだった。少しぐらいなら構わないのでは」などと繰り返したという。採取が禁止されていることを知らなかったといい、任意聴取が進むうちに過ちの大きさに気づいたそうだ。
  • ナマコを網ですくった釣り人が書類送検(福岡県糸島市/2022年)
    ナマコ6匹、サザエ29個を網ですくい持ち帰ろうとした釣り人の男性が漁業法違反容疑で書類送検された。男性には漁業権や採捕許可がなかったが、調べに対し「少しだけならいいだろうと思った」と説明したという。

何を捕ったら密漁になる?

①アワビ、ナマコ、シラスウナギ:3年以下の懲役又は3000万円以下の罰金

日本の沿岸域に生息・回遊しているアワビ、ナマコ、シラスウナギ(ウナギの稚魚)は比較的簡単に捕れる上に高値で取引されるため、反社会的勢力の資金獲得手段として組織的な密漁の対象となってきた。

これを受け、捕獲そのものを厳罰化する改正漁業法が2020年12月に施行。例え海水浴客や釣り人など一般人であったとしても、漁業権や許可がないまま捕獲した場合、3年以下の懲役又は3000万円以下の罰金が科されることとなった(特定水産動植物の採捕の禁止)。

3000万円は、個人への罰金額としては国内最高額だ。水産庁は「例え自分で食べる分だけであっても捕ってはいけません。釣れてしまった場合などは、直ぐにその場で海へ返してください」と注意を呼びかけている。

②アサリ、サザエ、ワカメ、コンブ、イセエビ、タコなど:100万円以下の罰金

アサリ、サザエ、ワカメ、コンブ、イセエビ、タコなど「第一種共同漁業権」の対象となっている水産動植物を勝手に捕った場合も、漁業権を侵害したとして100万円以下の罰金が科される。

水産庁によると、海岸線に沿った沿岸域のほとんどは「漁業者が一定の水面(海、川、湖など)を共同で利用して漁業を営む権利」である共同漁業権が設定されている。このようなエリアには様々な禁止行為やルールが設けられているので、意図せずそれらを破り密漁とならないよう注意が必要だ。

県をまたぐと「使用NG」の道具も

釣りや潮干狩りなどに使用できる道具や、貝や魚などを捕ってよい大きさ、禁止区域、禁止期間などは、都道府県ごとにルールが定められている。

例えば、潮干狩りの定番道具である「は具(熊手など)」の、関東近郊での使用可否は以下の通りだ(水産庁ホームページより)。

  • 千葉県:使用禁止
  • 茨城県:使用可(霞ケ浦北浦を除きサイズ指定あり、網付き禁止)
  • 東京都:使用可(貝まきを除く)
  • 神奈川県:使用可(いそがねは夜間禁止、水中眼鏡の使用禁止、熊手はサイズ指定あり)

「は具」ひとつ取っても、都道府県ごとに異なるルールがある。水産庁によると、違反すれば「内容に応じて、例えば6か月以下の懲役もしくは10万円以下の罰金が科される可能性」があるといい、注意が必要だ。

水産庁のホームページには、都道府県ごとの遊漁ルール・マナーの確認方法がまとめられている。磯遊びの際には、十分確認してから出かけるべきだといえるだろう。

  • この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいて執筆しております。

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