“世界最強の酒”と“黒ひげゲーム”で泥酔させ、1650万円を搾取…名古屋きっての繁華街の平和を脅かした男のぼったくり手口

弁護士JP編集部

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“世界最強の酒”と“黒ひげゲーム”で泥酔させ、1650万円を搾取…名古屋きっての繁華街の平和を脅かした男のぼったくり手口
ぼったくり現場となったキャバクラのある名古屋・錦3丁目付近(天空のジュピター / PIXTA)

今月18日。愛知県警は名古屋市中区錦3丁目のキャバクラ『ONLY』で泥酔させた客からクレジットカードをだまし取ったとして同店実質的経営者の小笠原拓容疑者(26)ら男女10人を準詐欺容疑で逮捕したと発表した。同店や関係店舗では昨年11月ごろから今年2月にかけ少なくとも総額2300万円以上、15件の被害相談が警察に寄せられていたという……。

「準詐欺罪」は詐欺行為ではないが、被害者の判断能力の低さを利用して誘惑的手段によって、被害者から財物等を得ることで成立する。

刑法248条に規定され、刑罰は詐欺罪と同じで、10年以下の懲役となっている。

キャッチの声で入店し、安価な“サービステキーラ”を薦められ…

社会部記者が被害の経緯を説明する。

「被害に遭ったのは東京都町田市在住の会社役員A氏(55)です。2月4日未明、来名していたA氏は名古屋きっての繁華街、錦3丁目を1人で歩いていたところ小笠原のグループのキャッチから声をかけられ『ONLY』に誘導されたようです」

店内に入ったA氏は小笠原らとともに逮捕された19歳~24歳までの女性従業員らと飲酒をはじめたが、従業員らはA氏に対し安価な〝サービステキーラ〟を薦めたという。

前出の記者が続ける。

「女性従業員らが薦めたテキーラにはアルコール度数96のスピリタスが混ぜられていました。従業員らはA氏とゲームに興じたりして泥酔させ、共謀してクレジットカード計4枚を詐取しました。店内からはワニの口の中に指を入れてかみつかせるゲームやたるの中に入った海賊をナイフで刺していき飛び出させるゲームなどが押収されています」

泥酔させ、カード4枚を搾取し総額1650万円を決済

そのようにしてA氏からクレジットカードを詐取した小笠原らは『ONLY』や関係店で総額1650万円の金額を決済していたという。

「女性従業員らは酒席でA氏の資産情報などを把握し情報を共有していました。A氏が被害に遭ったのは2月5日の午前0時20分から午前6時にかけてと見られています。A氏のクレジットカードに上限はありませんでしたが、高額の請求を不審に思ったカード会社がA氏に連絡。被害同日にA氏が警察に相談。今回の逮捕に至りました」(同前)

逮捕された実質経営者は警察に「この男がいる限り平和にならない」といわしめた悪党

近年、錦3丁目ではぼったくり被害が相次いでおり、愛知県警は錦3丁目に10店舗以上のぼったくり店舗を構えていたグループのトップらを逮捕し、夜の街の治安は保たれつつあったという。しかし、またしても悪質な店舗による被害が起きてしまった。

「逮捕された実質的経営者の小笠原は警察からして〝この男がいる限り錦3丁目は平和にならない〟と言わしめた男のようです。警察は詐取した売り上げの一部が暴力団に流れた可能性もあるとみて慎重に捜査を続けています」

イタチごっこは続くのだろうか……。

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