指定暴力団「浪川会」総裁ら逮捕でマスコミが色めきだった理由…風俗店とみかじめ料など、カネの流れの“闇”解明へ

弁護士JP編集部

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指定暴力団「浪川会」総裁ら逮捕でマスコミが色めきだった理由…風俗店とみかじめ料など、カネの流れの“闇”解明へ
九州の資金力ある暴力団幹部逮捕で闇の資金の流れの解明に期待がかかる(ぱんだ / PIXTA)

今月3日。大阪府警は共謀のうえ福岡県大牟田市に本部を置く暴力団『浪川会』総裁の浪川政浩こと朴政浩(67)容疑者ら関係者2人と大阪市内の無職・鈴木祐介(44)容疑者を会社法違反(特別背任)容疑等で逮捕した。浪川会は九州きっての資金力を持つ暴力団として知られており、総裁である朴の逮捕にマスコミ関係者らはどよめいた――。

 

架空のメンテナンス契約締結し、”用心棒代”入金

大阪府警担当記者が浪川逮捕の経緯について説明する。

「浪川は1月13日に会社設立の際に虚偽の内容の定款を登記申請に用いたとして電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑で別件ですでに逮捕されていた鈴木(同容疑で再逮捕)とともに大阪府警に逮捕されていました。

鈴木は全国にデリヘル数十店舗を展開する業界大手のSグループの運営会社の元代表取締役で浪川会への用心棒代として浪川会組員である中畑諭信(54)が実質的に運営する建設コンサルティング会社と架空のメンテナンス業務契約を締結。

令和2年10月~令和4年2月にかけ34回に亘り合計1092万円を会社名義の口座から入金し、会社に財産上の損害を与えたとして会社法違反(特別背任)容疑での逮捕となりました」

鈴木は自身が運営していたデリヘルグループの内紛で「トラブルを抱えていた」(同前)とも言われているが、浪川、鈴木らはこの会社法違反容疑のほかにも東京都の条例で暴力団排除特別強化地域として定められている品川区内の場所に風俗の営業所を設け、用心棒代として合計528万円を入金、利益供与したとして東京都・暴力団排除条例違反にも問われている。

九州きっての資金力の実態解明へメス

両者の関係は「2018年の暮れごろから始まった」(捜査関係者)と言うが、逮捕された浪川が九州きっての資金力を誇る暴力団の総裁であることからマスコミ関係者らは「すわ浪川会の資金の流れが解明されるのではないか」と色めきだった。

前出の大阪府警担当記者が続ける。

「鈴木側から浪川側にわたった金は約3年間で少なくとも4600万円程度に上ると見られています。大阪府警は今後、中畑が運営していた建設コンサルティング会社からの金の流れを含め慎重に捜査を進めています」

実態の解明が待たれる……。

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