交通事故“死者数”8年ぶり増、最多は「大阪府」だが… 事故“遭遇率”が一番高い都道府県は?
警察庁が今月公表した「令和5年中の交通事故死者数について」によると、2023年中に交通事故で亡くなった人は2678人(昨年比68人増)だった。2016年より続いた最少記録の更新はストップし、8年ぶりの増加となった。
亡くなった人のうち54.7%にあたる1465人は65歳以上の高齢者。約半数が高齢者という状況は、同資料から読み取れる2013年以降変わっていない。
死亡事故の“遭遇率”もっとも高いのは「徳島県」
死者数を都道府県別に見ると、もっとも多かったのは大阪府で148人、次いで愛知県145人、東京都136人だった。
一方、もっとも少なかったのは佐賀県で13人、次いで鳥取県14人、福井県20人だった。
上の表のように「死者数」を多い順に並べてみると、上位にランクインしている都道府県は比較的人口が多く、反対に少ない順に並べたランキングでは、比較的人口が少ない都道府県が上位となっていることが分かる。
そこで、同資料で公表されている「人口10万人当たり死者数」を確認すると、もっとも死者数が多かったのは徳島県で3.98人、次いで三重県3.79人、青森県3.74人。もっとも死者数が少なかったのは東京都0.97人、神奈川県1.25人、佐賀県1.62人だった。
人口10万人当たりの死者数が多かった上位10都道府県のうち、徳島県、山梨県、高知県、島根県は死者数が少なかったものの、むしろ事故に“遭遇する確率”でいえば、全国トップクラスだったということになる。
一方、死者数そのものが多かった東京都、神奈川県、埼玉県、大阪府、兵庫県、愛知県、福岡県は、人口比で見れば事故に遭う確率は低かったと言えるだろう。
なお佐賀県と奈良県は、「死者数」「人口10万人当たり死者数」のいずれも全国的に少ないという結果となった。
→昨年のランキングはこちら。事故“遭遇率”がもっとも高かったのは…?
もっとも死亡事故が多かったのは「12月」
昨年の交通死亡事故に関するその他のデータを見ると、月別の交通事故死者数は例年の傾向と変わらず12月が最多で300人(1日当たり9.7人)だった。
また、死者数が3人以上だった交通事故は7件発生しており、3件だった昨年から倍以上の増加となった(各都道府県警察から警察庁が2023年12月27日までに報告を受けたものを集約)。
国家公安委員長「重く受け止めております」
国家公安委員会委員長は、2023年の交通死亡事故について「8年ぶりに増加に転じたことを重く受け止めております」とコメント。
「こどもや高齢者をはじめとする歩行者の安全の確保、自転車等の交通ルール遵守の徹底、飲酒運転等の悪質・危険な交通違反の取締り等の多角的な取組を、これまで以上に、効果的かつ強力に推進するよう、警察を指導してまいりたいと考えております」と決意を表明した。
統計はあくまで“データ”であり、いつどこで交通事故に遭うかは予測不可能だ。車やバイクを運転する人も、自転車に乗る人も、歩行者も、ひとりひとりが「当事者」として、交通安全に十分留意すべきである。
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