能登半島地震「国から依頼され家屋の損壊調査を…」被災地における悪質商法の“二次被害”国民生活センターが注意喚起

弁護士JP編集部

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能登半島地震「国から依頼され家屋の損壊調査を…」被災地における悪質商法の“二次被害”国民生活センターが注意喚起
震災に乗じ、被災者から生活資金を搾取する業者が後を絶たない(DragonOne/photoAC ※写真はイメージ)

国民生活センターが1日夕に発生した「令和6年能登半島地震」における”二次被害”に注意を呼び掛けている。過去の地震、大雨などの災害時に、「便乗した悪質商法が多数発生している」とし、具体的な相談事例も示している。

保険が使えると勧誘する手口に注意

最近多いものとしては、「火災保険を使って自己負担なく住宅の修理ができる」など、災害に便乗し、「保険金が使える」と勧誘する手口があり、実際に消費生活センターに相談が寄せられているという。今回の能登半島地震でも大きな火災被害が発生しており、要注意だ。

その他、災害で屋根瓦がずれ、見積もりのつもりで業者を読んだところ、屋根にビニールシートをかけられ、高額な作業料を提示されたという事例もあったという。

過去の震災ではオレオレ詐欺、義援金詐欺も

過去の地震では、2016年の熊本地震時に、自宅や店舗の空き巣や忍び込みなどの侵入盗が多数発生、被災地にいる身内を語るオレオレ詐欺への注意も呼び掛けられた。2011年の東日本大震災の際は、義援金名目の詐欺、被災者に対する生活資金や事業資金の融資保証名目の詐欺が発生している。

富山ではブルーシートを高額で売りつけ

今回の震災でも、被災地の富山で県外ナンバー車が、「国から依頼され家屋の損壊状況を調査している」として、「ブルーシートが必要な場合は1メートル1000円で10メートルから販売する」等の文言で高額で売りつけようとした事例が富山県警から報告されている。

地震で壊滅的被害を受けた被災者の不安と混乱に便乗し、生活資金を騙し取るなど言語道断だが、ネット上では、注意喚起を装う”デマ”も拡散されており、情報精査には注意が必要だ。X上では具体的な車種、ナンバーまで記載され、「火事場泥棒」と決めつけられたポストが流布されたが、のちにデマと判明した事案もあった。

各方面の支援の輪は拡大

こうした被災地の混乱をさらにかき乱す非道な行為の一方で、被災地への支援の輪はどんどん拡大している。いち早く現地へ食料を届けた山崎製パン、敷島製パンなどの食品メーカーによる支援。緊急支援募金を募る「Yahoo!基金」は、5日14時までに寄付総額13億円を突破、寄付人数は、77万人を超えている。

政府も5日、岸田総理が対策本部で避難所の衛生環境の改善および、仮設住宅の建設準備に取り掛かることを指示。併せて、被災者の生活再建などの中長期の支援も求めた。

被災地は生存率が落ち込む「発生72時間」を過ぎ、一刻の予断も許さない状況にある。被災者の心身も激しく消耗されている。そうした中で、支援体制は着々と整備されつつある。困難かもしれないが、なんとか冷静さを保つ。それが、”二次被害”回避の最善策になる。

■国民生活センター「ご用心 災害に便乗した悪質商法

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