大掃除、義実家あいさつ… 年末年始「夫婦の共同作業」によって“離婚の危険”が可視化されるワケ

Nana Numoto

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大掃除、義実家あいさつ… 年末年始「夫婦の共同作業」によって“離婚の危険”が可視化されるワケ
大掃除は本来“2人で”計画して実行する必要があるが…(yamasan0708/Shutterstock)

厚生労働省の「人口動態統計」によると、昨年1年間だけで「約18万組」の夫婦が離婚している。ピークだった2003年以降、離婚件数は減少傾向が続いているものの、婚姻件数が「約52万件」であることを考えれば、約3.5組に1組が離婚しているのが現状だ。

離婚には至っていないが「近ごろ夫婦の関係性が良くない…」と悩んでいる人も多いかもしれない。そんな“夫婦仲”の相談に乗っている「恋人・夫婦仲相談所」(http://fufunaka.com/)の三松真由美氏は、年末のこの時期、特に“大掃除をしない夫婦”について、「将来離婚の危険性が高い」と指摘する。果たしてその真意とは。

大掃除をしない夫婦=離婚危機!?

年末のこの時期、仕事が休みになって夫婦・家族の時間が増えるという方も多いと思います。ずばり離婚の可能性が高い夫婦の特徴を教えてください。

三松真由美(以下、三松):離婚の可能性が高い夫婦は、家の中で「2人でやらなければならないこと」のすり合わせができていないことが多いです。どちらかが言い訳をして「やらなければならないこと」をサボっていたり、そもそも共有していなかったり…。そんな状態が積み重なるにつれ、離婚の可能性も高くなっていきます。

中でも、年末というのは離婚危機が可視化しやすい時期です。特に大掃除は、「どこまでやるか」というゴールを明確にしないと終わりがありません。たとえば床掃除は、床を拭いたら終わりなのか、ワックスまでかけるのかとか。そのような“すり合わせ”ができていない夫婦が、大掃除をハナからしなかったり、片方だけでしてしまったりする。だからこそ、「大掃除をしない夫婦=離婚の可能性が高い」と言えると思います。

大掃除をしない夫婦は“すり合わせ”ができていないと指摘する三松氏

義実家に対する向き合い方で口論発生…

年末は離婚危機が可視化されやすいとのことですが、大掃除の他にどんなイベントがチェックポイントになりますか。

三松:コロナ禍が落ち着いたことで、年末年始にどちらかの実家に帰省するという夫婦が増えています。ですが、義実家の風習がわからないままに同行を強制されれば、口論になることは確実と言えるでしょう。

たとえば、お姑さんとの接し方ひとつとっても、お土産は何を買えばいいのか、家事をどこまで手伝えばいいのかなど、妻は夫からの“事前情報”がなければわかりませんよね。ここでもやはり夫婦間のすり合わせが大切になってくるんです。

あとは、年末年始にまとまった時間ができる“余裕のある夫婦”の場合、その時間こそが「この夫でいいのか」、「この妻でいいのか」と考えるきっかけになることもあります。非日常ゆえの問題が起こりやすい時期と言えるでしょう。

姑の健康状態や味の好みがわからなければお土産選びも難しい(Rammy_Rammy/Shutterstock)

実は危険な「ペットや子どもを介してのコミュニケーション」

では年末のこの時期はもちろん、日ごろから注意するべき振る舞いはありますか。

三松:会話の仕方ですね。たくさん会話をしろということではありません。「ありがとう」、「おはよう」などの短い言葉こそ、きちんと相手の目を見て言ってみてください。

実は会話が短かったり、ほとんど話をしていなかったりする家庭でも、仲良い夫婦はたくさんいます。会話の際に相手を向いているのか、目を見てコミュニケーションがとれているのか。ささいなことですが、こうした部分が夫婦仲では重要です。

逆にたくさん会話をしているようでコミュニケーションがあまり取れていない夫婦は、子どもに「ママに言っといて」「パパひどいよね」など、話しやすい相手につい言付けをしていることがあります。子どもやペットに自分のストレスを吐いたらコミュニケーションが取れていない証拠で、こうなったら離婚の危機が近いですよ。

コミュニケーション=すり合わせ作業

夫婦間のすり合わせと、目を見ての会話を意識すれば夫婦仲は大きく改善されそうです。ほかにも簡単にできる工夫があれば教えてください。

三松:「これさえやってくれたら許せる」という行動があれば、それを共有しておくのも良いかもしれないですね。たとえば、大掃除なら「年末は私がやるから、あなたはお盆に掃除をしてほしい」など。その夫婦なりのルールを決めておくと、気持ちが楽になるかもしれません。

コミュニケーションと言うと「ふわっ」としていますが、基本は“ゴールのすり合わせ”作業です。夫婦とはいえ、生まれた環境も、育った環境も違うのですから、考えているゴールも違います。それを合わせていくことが夫婦仲では必然的に重要になります。

一年の節目に見直す夫婦関係

危機を迎えつつある夫婦にとって、インタビューでたびたび触れられた「すり合わせ」は特に強く意識したいポイントだ。掃除ひとつをとっても、どんな生活環境がお互いの理想なのか、相手は何をしてほしいと思っているのか、しっかり理解し合う必要がある。

仕事なら意識して気を付けることができるささいなすれ違いも、家庭ではなおざりにしてしまいがち。一年の節目となる年末年始を機に、夫婦間のコミュニケーション不足の解消に努めてみてはいかがだろうか。

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