コロナ禍の東京美々卯「解散手続きは無効」元店長らが株主の地位確認などを求めて提訴

弁護士JP編集部

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コロナ禍の東京美々卯「解散手続きは無効」元店長らが株主の地位確認などを求めて提訴 提訴後会見を行った原告(11月2日厚生労働省/弁護士JP編集部撮影)

2020年5月に首都圏の全6店舗を閉店した「うどんすき」の名店「美々卯(みみう)」(本店・大阪市)の元店長ら6人が2021年11月1日、運営会社の「東京美々卯」を相手取り、会社解散決議の無効と労働者の株主としての地位確認を求める訴えを東京地裁に起こした。

東京美々卯は、関西で展開する「美々卯」の子会社として1972年に設立され、京橋本店の他、渋谷・新宿・池袋・横浜のデパートなどで6店を展開していた。

2020年5月に突然全店閉鎖・会社清算を行い、パートを含む約200人の従業員全員に書面による退職同意を求め、応じない従業員を解雇した。ホームページ上で運営会社は、会社清算の理由として新型コロナウイルスの感染拡大で業績が落ち、営業の継続が難しいと判断したとしている。2020年7月には、従業員9人が解雇無効や賃金、慰謝料など計約6822万支払いなどを求める訴えを東京地裁に起こしている。

「紙屑になる」と聞いてサインしてしまった

会見した原告、訴状によれば、会社解散決議の無効について「解散決議は事前に労働組合の同意が必要であるという労働協約に反してなされたものであり、なんら通知もなく解散を決定した不当労働行為は明らか」。労働者の株主としての地位確認については「解散決議に先立ち株式を所有していた従業員から株式を買い取る際に、本来行われるべき株主総会を開催しておらず、自己株式取得に必要な手続きがなされておらず売買は無効」と主張している。

元店長の男性は、「役員から紙屑になると言われ、家族に相談の上、株式の買い取りに応じサインしてしまった。株主総会で特別決議が必要であるなどの手続きの知識があれば、組合に相談して、いろいろできたのではないか。無知だったのがこの結果になった。美々卯の再開が目標。店舗を愛してくれたお客さまのため、家族のために頑張っていきたい」と訴えた。

原告の一人である男性は、店舗閉鎖からの1年半の生活について「貯金と社会保険の失業保険で食いつないでいたが、子どもが3人いてお金がかかる年代に差し掛かり、生活にならないので、アルバイトをしながら(争議を)続けている。争議を終え、家族に安心してもらいたい」と心境を語った。

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