“スピード解決”広末涼子さんの浮気発覚~離婚に学ぶ「不倫の後始末」3つのポイント

中原 慶一

中原 慶一

“スピード解決”広末涼子さんの浮気発覚~離婚に学ぶ「不倫の後始末」3つのポイント
広末さんは事務所公式ホームページで正式に離婚の発表を行った(Yokohama Photo Base / PIXTA)

「私事ではありますが、私と広末順さんとは話し合いをした上で、離婚することに合意し、離婚届を提出いたしました」

7月23日、女優の広末涼子さん(43)は、所属事務所の公式サイトで報告した。ドロ沼化すると見られていた不倫騒動は、騒動発覚から2か月程度でアッサリ離婚が成立し幕引きとなった。

一方、元夫でキャンドルアーティストのキャンドル・ジュン氏(49)も、7月26日に公式サイトを通じて、代理人弁護士が「順氏の意向」を伝える形で広末涼子さんとの離婚成立を報告した。

騒動発覚から約2か月でのスピード解決

広末さんをめぐっては、6月8日に既婚者のシェフ・鳥羽周作氏(45)とのダブル不倫が「週刊文春」で報道され、事実を認めて謝罪するとともに、無期限謹慎処分が発表されていた。対する夫のジュン氏は、6月18日に単独会見を開催。広末さんとのプライベートな事情や鳥羽氏への怒りをにじませるなど、その赤裸々な内容が話題となり、異例の展開を見せていた。夕刊紙芸能記者が話す。

「その後、ジュン氏のかつての浮気騒動とパワハラ疑惑などが女性週刊誌で報じられ、“単独会見”で人心をつかんだジュン氏は一気に劣勢に立たされます。ジュン氏は離婚に反対していたため、ドロ沼化は必至との見方が大勢を占めていましたがこの報道が潮目になりました」

そんなこんなでフタをあけてみれば、騒動発覚から約2か月でのスピード解決。長男(19)、次男(12)、長女(8)の3人の子供の親権は広末さんが持つと言う。ちなみに、長男は、2003年から2008年まで婚姻関係にあった広末さんの前夫(モデルの岡沢高宏=47)との間の子であり、ジュン氏が会見時に明かしたところによれば、本人はその事実を今回の騒動まで知らなかったらしく、「子どもたちのためにも、これ以上の報道は控えてほしい」と訴えていた。

「今回、夫や不倫相手の関係者が積極的にマスコミに出てくるという前代未聞の展開となりましたが、これ以上、騒動を長引かせることは、広末、ジュン氏双方にとってよくないという考えで一致したのでしょう。もともと夫婦関係が壊れていたところに、今回の不倫の報道が出たということだと思います」(芸能ジャーナリスト)

「不貞した側」が“親権者”になるケースは少なくない

以上、人気女優の不倫発覚から離婚にいたる経緯の中で、われわれ一般人にも参考になる事柄はあるだろうか。

まず1点目は「親権」について。3人の子供の親権は広末さんが持つとのことだが、“不倫して離婚の原因を作った側”が親権を取得することに疑問の声もあがっている。一般的に親権は「母親が有利」などと言われるが、このようなことはまれなケースではなく、一般的によくあることなのか。

内縁関係を含めた離婚問題、不貞慰謝料請求などの男女問題などにも注力する、ベリーベスト法律事務所の安達里美弁護士はこう話す。

「まず広末さんの場合は『協議離婚』ですので、夫婦間の協議の結果、広末さんが親権者になることに双方合意したということでしょう。協議離婚の場合は、不貞された側がOKであれば不貞した側が親権者になることに法的に制約はありません。

夫婦間の協議が調わない場合、つまりどちらが親権者になるのか争いがある場合は、最終的には裁判所が親権者を指定することになります。その場合、不貞をした側が親権者になるケースも少なくないのです」

ジュン氏はことあるごとに“子どものことを考えて”と表明していたから、確かに、ジュン氏も広末さんが親権を持つということに同意したということだろう。

一般的な「不貞慰謝料」の金額は?

続いて2点目は「慰謝料」について。当初は、鳥羽氏に対して怒りをあらわにしていたジュン氏だが、離婚にあたっては「子どもたちのことを考えて、鳥羽氏に対し慰謝料請求はしない」と言明した。仮にこのようなケースの場合、慰謝料請求するとすれば、一体、いくらくらいになるのか。

「一般的な不貞慰謝料の金額は50万円~300万円の範囲で決着することがほとんどですが、今回の場合、広末さんが芸能人ということ、ジュン氏が会見を開いたり、鳥羽氏が週刊誌のインタビューに答えたりなど特殊な経緯をたどっていることから、一般の相場では推し量れません」(安達弁護士)

慰謝料が実際に回収できるかどうかは、請求される側の資力(財力)次第のところがあり、無職で財産もない状態だと回収はかなり困難だという。反対に鳥羽氏の妻が、広末さんに慰謝料請求することも可能だが、もし請求したとすれば、「相手が鳥羽さんと広末さんですので、回収の可能性は高いでしょうし、裁判は避けたいでしょうから、裁判外の和解も可能だと思います」(安達弁護士)と言う。

「不倫が原因」で離婚問題が“もつれる”ケース

さらに3点目。「すんなり離婚する方法」について。今回の広末さんのケースでは、スピード解決とあいなった訳だが、「不倫」をきっかけにした離婚問題で、調停、裁判などにもつれこむ場合はどのような争点でもめるケースが多いのか。同じく安達弁護士の話。

「不倫が原因で離婚問題がもつれるケースとしては、①不貞した側は離婚したいが、不貞された側は離婚したくない場合、②離婚は合意できているが慰謝料の額をはじめお金のことが折り合わない場合ですね。

①については、不貞した側を『有責配偶者』と呼んだりするのですが、有責配偶者からの離婚請求は認めらないのが原則になりますから、不貞された側が離婚に合意しない場合は離婚に至るまでにかなり長い年月がかかります。まあ、一生離婚できないというわけではないのですが。

②については、やはり不貞された側はお金でしか償ってもらえませんし、お子さんがいるお母さん側だったりすると、夫の不貞のせいで離婚になる上、子どもたちに経済的に大変な思いはさせたくないと考えますから、『取れるだけ取る』という戦略になり、紛争が長期化する傾向にありますね」

さらに、「不貞した側がすんなり離婚するためにすべきことは何か?」と聞いてみると…。

「それはやっぱり『お金をたくさん準備する』でしょうか。そう言ってしまうと身もフタもないですが(笑)、事実だと思います。裁判所も有責配偶者からの離婚を認める一要素としてお金のことは触れています。『せめてお金くらいは…』は真理なのでしょう」

広末さんのケースは特殊なケース。不貞の後始末は、とどのつまり、“金”で解決というのが偽らざる現実のようだ。

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