3月上旬にドバイから帰国 「脅迫容疑」ガーシー議員の“逮捕”はある?

中原 慶一

中原 慶一

3月上旬にドバイから帰国 「脅迫容疑」ガーシー議員の“逮捕”はある? 「不逮捕特権」を持つガーシー議員だが(本人のインスタグラム〈https://www.instagram.com/gaasyy_ch/〉より)

ついに山は動くのかーー。ここへ来て“暴露系ユーチューバー”NHK党のガーシー参院議員(51=本名・東谷義和)周辺がにわかに慌ただしくなってきた。

警視庁は1月11日に、暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)や名誉毀損(きそん)などの疑いで、ガーシー議員の動画投稿による広告収入を管理している合同会社(東京都新宿区)の前代表の男性宅や、現代表の男性宅などを家宅捜索。ガーシー議員に対しては、任意の事情聴取も要請している。さらに“暴露”を受けた被害者は、事業からの撤退を余儀なくされたケースもあるといい、威力業務妨害容疑でも捜査が進んでいるようだ。

「日本に戻り、償うべき罪があるのであれば・・・」

ガーシー議員は12日午後にインスタグラムで生配信を行い「通常国会に出るつもりだったので、3月上旬に帰国し、国会に登院する」として、「警視庁の任意の事情聴取にも応じる」と言明。

これを受け、NHK党の立花孝志党首は、同日の記者会見で、ガーシー議員から3月上旬に帰国するとの報告を受け、警視庁に報告したとして、「警視庁からは帰国次第、捜査に協力いただきたいという旨を言われている。ガーシー氏本人も3月上旬に帰ると明言しているので、腹が据わったというか、気持ちを固めたのだろう」と説明。

現在、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに滞在中のガーシー議員の帰国時の身辺の安全などに触れた上で、「僕は実刑になることはないと思うので、日本に戻り、償うべき罪があるのであれば・・・もちろん全面的に否認するかもしれませんので、しっかりと司法の判断を受けた上で、国会議員としての仕事も平行してできると思いますから、やってほしいという思いがあります」と述べた。

今後の捜査によっては警察が「逮捕状」を取る可能性は十分ある

ガーシー議員をめぐっては、昨年2月から“暴露系”ユーチューバーとして活動をスタート。昨年7月10日に行われた参院選でNHK党から比例代表で立候補し、28万票以上を集め同党の得票数1位で初当選を果たしたが、「詐欺容疑で捜査されており、帰国すると不当に逮捕される恐れがある」として、それ以降、一度も帰国せず、国会にも参加していない。

これに関しては内外から批判を受けていた。ガーシー議員は、昨年8月と10月の臨時国会をいずれも欠席。「政治経済事情調査」を理由に海外渡航届を提出していたが、参院議運委理事会は「納得いく理由がない」として全会一致で不許可となっていた。

今回の強制捜査は動画配信などで“暴露”された複数人からの告訴を受理してのものだ。全国紙記者は解説する。

「タレントのゴシップ的な暴露話にとどまらず、所属事務所の社長らに対して、謝罪しないなら他のタレントを晒(さら)すと言ったり、ガーシーを取材していた雑誌記者に対するどう喝などは脅迫や誹謗(ひぼう)中傷のあたる疑いは十分にあった。

やっと警察が動いたかという感じです。警察から見れば、現時点でガーシー議員は『容疑者』。家宅捜索したということは、家宅捜索令状も出たという訳で、今後の捜査によっては、逮捕状を取る可能性は十分ある。警察の本気を感じます」

「ガーシー議員は告訴した人を知ることはできるはず」

一連のガーシー議員の騒動が事件化したことで、今まで、裏の取れない暴露情報を基本的にスルーしていたテレビ局も、このことを一斉に報道し始めた。犯罪や刑事事件の対応も多い杉山大介弁護士は、ため息まじりにこう話す。

「マスコミが大騒ぎしていることはもちろん認識していますが、この件について話題にすること自体、また彼の動画のネタにされ、彼の利益につながる可能性があるので、口にすることすら嫌悪感を覚えます。警察が暴力行為等処罰法違反を被疑として挙げていることは、明らかに問題を重く見ていることが理解できます。

正直、彼のような人間が国会議員にまでなり、目立てばうそでも何でもアリという今のネット世界の世紀末ぶりにはうんざりしているので、粛々と処分されてくださいという気持ちです」

しかし、ガーシー議員は、「捜査に協力する」としながらも、脅迫や名誉毀損容疑の告訴状を警視庁に提出した関係者に対して、「誰が告訴状を出したか調べたる」などと動画内で言及しており、挑発の姿勢も見せている。杉山弁護士が続ける。

「被疑事実や起訴状記載の公訴事実を確認すれば、加害者が被害者の氏名を知ることはできますから、ガーシー議員は告訴した人を知ることはできるはずです。しかし、それを盾にさらに脅したり、恫喝するような発言を重ねれば、逮捕の必要性も高まるでしょう。

かつて私が依頼を受けたケースでも、起訴状に名前を書かれるのも嫌だという被害者の方がいらっしゃいました。通常は起訴される事案だったのですけど、被害者のためにも不起訴にもっていきました」

逮捕はアリかナシか・・・

しかしながら、容疑が固まったとしても、国会議員は原則として国会の会期中は逮捕されないという「不逮捕特権」を持つガーシー氏、通常国会開催中の3月に帰国しても、逮捕、起訴されることはないのだろうか。

「在宅起訴になる可能性があるという意見もありますが、専門家の意見は割れているようです」と先の記者は話すが、杉山弁護士の見解はこうだ。

「暴力行為等処罰法違反として常習的な脅迫行為があると仮定すると、被害者への圧を含めた罪証隠滅のおそれも高く推認され、国外逃亡の危険性という点も含めると、逮捕はアリかナシかで言えば、アリよりの事案だとは思います。不逮捕特権については、議会への逮捕許諾請求などが行われたら、なかなか見られない手続きの話になり、興味深いと思っています」

つまり容疑が固まり、逮捕状が出て、それを例外的に参議院が許可をすれば逮捕もあり得るということのようだ。

ガーシー議員への包囲網は確実に狭まっているようにも見えるが、果たして、3月上旬に彼が帰国した際にはどういう事態が起こるのか、世間の興味は尽きない。

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