回転寿司で炎上したTikToker「開示請求」で“反撃”も…弁護士「逮捕の必要性を上げるだけ」とバッサリ

弁護士JP編集部

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回転寿司で炎上したTikToker「開示請求」で“反撃”も…弁護士「逮捕の必要性を上げるだけ」とバッサリ 元の動画は現在、削除されている

回転寿司で他人が注文した寿司を、レーンから直箸で取って食べる動画を「おいしそうだったのでたべちゃいました」などとテキストを付けて投稿したTikTokユーザーが炎上した。

動画を見た杉山大介弁護士は、この行為について「窃盗罪ですね」と指摘する。その理由は「店側の許容していない形で、寿司という“財物”の占有が移転しているから」であり、いわば「パチンコで不正機械を使って玉を取得するのが『窃盗』にあたるのと同じこと」だという。

ちなみに、動画ではお皿に載っている2貫のうち1貫だけを取っているが、2貫とも取った場合との罪の重さについては「1貫取られた時点でもう一方も売り物にならず、器物損壊にもなるから、実質的な犯罪としての被害額は一緒として、特に罪の重さに差はない」そうだ。

“自作自演”と釈明も「やっぱり犯罪になる話」

この動画は、第三者によってTikTokからTwitterへ転載されたことで炎上したと見られており、動画の投稿主と見られる人物は、Twitterで「自作自演だった」と“釈明”している(現在は非公開)。

ただし杉山弁護士は「(もし本当に自作自演だったとしても)偽計業務妨害、あるいは軽犯罪法31号で、やっぱり犯罪になる話かと」と言う。

「寿司を取られた人がいるかもしれないなら、その人を探して釈明が必要になりますし、それは業務の混乱を招くものです。業務の混乱を引き起こす具合によって偽計業務妨害まで行くかが分かれ、そこらの判断は微妙なものですが、いずれにしても犯罪としての告訴は十分にできた話だと思います」(杉山弁護士)

“転載被害”で開示請求しても「逮捕の必要性を上げるだけ」

また動画の投稿主と見られる人物は、動画を転載したTwitterアカウントに対して「動画を削除しなければ開示請求する」旨の“警告”もしたという。

「開示請求」とは、インターネットに情報を発信した人の氏名や住所を特定するために行われるもの。昨年10月に「改正プロバイダ責任制限法」が施行され、手続きが簡略化されたことも話題となった。

開示請求は、誹謗中傷の被害者救済や抑止効果にも期待が寄せられる制度だ。しかし、動画の中で犯罪にあたる行為をしてしまっている今回のようなケースにおいて、動画投稿主が開示請求することは、何かしらのメリットになるのだろうか。

杉山弁護士は「開示請求する違法性の根拠が見つからんように思います」と首をひねる。

「著作権や名誉毀損、プライバシーを唱えようにも、それぞれの侵害を正当化する要件を満たせそうだからです。報復をちらつかす行為でしかなく、逮捕の必要性を上げるだけなのでやめた方が良いです」(杉山弁護士)

Twitterに転載された動画は、2023年1月20日現在、削除されておらず、実際に開示請求が行われているのかも定かではない。

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