2022年“犯罪増加率”トップは「沖縄県」 “殺人事件”がもっとも増えたのは何県?

弁護士JP編集部

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2022年“犯罪増加率”トップは「沖縄県」 “殺人事件”がもっとも増えたのは何県?
治安は悪くなっている?(Ichiro / PIXTA)

警察庁が2022年12月16日に公表した「令和4年1〜11月犯罪統計」によると、2022年1〜11月の刑法犯認知件数の総数は54万9884件で、前年比5.5%増だった。同統計資料で確認できる2018年以降、認知件数は減少を続けていたものの、2022年は増加という結果になった。

増加No.1の重要犯罪・重要窃盗犯は「ひったくり」

重要犯罪・重要窃盗犯(※1)の増減率を罪種別に見ると、もっとも増加率が高いのは「ひったくり」で39.9%、次いで増加率の高い「強制性交等」(19.6%)を大きく引き離し、突出して高い増加率となった。

一方、もっとも減少率が高かったのは「すり」で-4.4%。「侵入犯」「殺人」「強盗」も前年より減ったが、増加した犯罪に比べれば、その変動率はわずかなものだった。

(※1)治安情勢の観察をする際に、その指標となる犯罪。「重要犯罪」は殺人、強盗、放火、強制性交等、略取誘拐・人身売買、強制わいせつ、「重要窃盗犯」は侵入盗、自動車盗、ひったくり、すり

犯罪がもっとも増えたのは「沖縄県」

また、都道府県別に刑法犯認知件数(総数)の増減率を見ると、沖縄県が17.4%でもっとも高い増加率。一方、もっとも減少率が高かったのは富山県で-14.5%だった。

※いずれも上位10位を記載

“重要犯罪”がもっとも増えたのは「福島県」

さらに、重要犯罪に絞り都道府県別の増加率を見ると、もっとも増加率が高いのは福島県(54.2%)だった。一方、もっとも減少率が高かったのは福井県(-39.5%)だった。

※いずれも上位10位を記載

殺人の増加率がもっとも高いのは「滋賀県」

そして、重要犯罪・重要窃盗犯の増加率を罪種別・都道府県別で見ると、殺人の増加率がもっとも高いのは滋賀県(233.3%)だった。

その他の重要犯罪・重要窃盗犯では、強盗が栃木県(133.3%)、放火と強制性交等は高知県(放火500%、強制性交等200%)、略取誘拐・人身売買は茨城県(700%)、強制わいせつは福島県(250%)、侵入犯は群馬県(37.3%)、自動車盗は富山県(244.4%)、ひったくりは徳島県(300%)、すりは沖縄県(328.6%)でもっとも増加率が高かった。

※いずれも上位10位を記載

もっとも多くランクインしたのは「茨城県」

「重要犯罪・重要窃盗犯」罪種別の増加率TOP10にもっとも多くランクインしたのは茨城県。殺人(10位)、強盗(4位)、放火(4位)、強制性交等(8位)、略取誘拐・人身売買(1位)、侵入犯(10位)、ひったくり(5位)、すり(4位)と、8つの罪種において10位以内に入っている。次いで滋賀県、高知県が、それぞれ6つの罪種において10位以内に入っている。

増減率は、もともとの認知件数が少ないほど変動しやすい傾向にある。ところが、たとえば「強制性交等」の宮城県は25件→51件、「強制わいせつ」の福島県は12件→42件、「自動車盗」の富山県は18件→62件、「ひったくり」の千葉県は23件→80件など、もともと一定の認知件数があったとしても、増加率が顕著なケースも少なくなかった。

物価高、社会保障費の負担増、戦争など不安な社会情勢が続くが、犯罪件数の増加までは誰も望んでいないもの。2023年はどのようになるのか注視したい。

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