年末年始「帰省しました」で“空き巣被害”リスク増!? SNSで避けるべき“NG投稿”とは

弁護士JP編集部

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年末年始「帰省しました」で“空き巣被害”リスク増!? SNSで避けるべき“NG投稿”とは
SNSの発信には「防犯対策」も必要に(haku/PIXTA)

一般的には6連休となる2022~23年の年末年始。

旅行会社JTBが発表した「旅行動向見通し」によれば、年末年始にかけて、帰省を含む国内旅行者数は2100万人にのぼるという。

普段生活する「自宅」を離れ、帰省先の実家や、旅行先でゆっくり過ごす人も多いのではないだろうか。

一方、留守宅が多くなる年末年始などの長期休暇期間は、空き巣にとっては絶好のチャンスでもある。

「空き巣対策」として、施錠の確認や防犯カメラの設置が一般的だが、“SNS上での振る舞い”にも「対策」が必要なことはご存じだろうか。

SNSについて「犯罪者が家にいながら“物色”できる」ツールだと語るのは、インターネットリテラシーに詳しい国際大学GLOCOM客員研究員の小木曽健氏だ。

犯罪者に狙われやすい“投稿”

取材に応じる小木曽健氏

小木曽氏が、犯罪者に狙われやすい投稿として真っ先にあげるのが、“人に見せたいモノ”の投稿である。

「高級車、バッグ、アクセサリー。高価なロードバイクやオートバイ。そういう物を持っていたら、自慢したくなりますよね。でも、まさにそれを狙う犯罪者がいるということを、知っておいた方がいいと思います」(小木曽氏)

事実、2018年に愛知県で摘発された窃盗団は、SNSに投稿されていた内容から、ターゲットと盗み出す物を決めていたとされる。

当時大学生だった男性は、高級ブランド品を身につけたり、高級車を運転する様子などをインスタグラムに投稿していたことから、窃盗団に目をつけられ、被害に遭った。

被害に遭った男性が使用していたとされる「#ルイヴィトン」の検索結果(※一部画像を編集しています)

この窃盗団は、1年半の間に計約160件の窃盗や窃盗未遂などを繰り返し、35人が摘発された。被害総額は3000万円を超えるという。

投稿を組み合わせれば家が特定…

いくら高価な物を持っていても、自宅がバレなければ、空き巣に遭うこともない――そう考えた人もいるかもしれない。

しかし小木曽氏によれば「あっさり自宅を大公開してる人」は多いのだという。

「たとえば、サイクリングしたルートを地図上に表示してくれるアプリがありますが、どう見ても自宅からスタートして、自宅に戻っているようなルートマップの画像を、そのまま投稿している人がいます。『家はこの辺りだよね?』とわかってしまうでしょう。コロナ禍で愛好者が増えたロードバイクはパーツも高価で、ホイール1個で10万円する物もあります。多くの方は部屋の中にしまっていると思いますが、『高価な物を持ってます。家はこの辺りです』は、やるよりやらない方がいいですね」(小木曽氏)

ジョギング経路を記録できるアプリも多くある(「ランタスティック」公式HP〈https://www.runtastic.com/ja/〉より)

さらに、犯罪者はひとつの投稿ではなく、何個もの投稿を組み合わせて「情報のパズル」を組み立てるという。

「気にされる方なら、ジョギングや犬の散歩など、家の近所でしかやらないことは、あまり写真つきであげない方がいいです。『犬の散歩中、こんな店が開店してた』という投稿をしたら、そのお店の近くに住んでいることがわかります。同じ人が、別の投稿で『スカイライン!R32です』なんて写真を投稿していたら、犯罪者は『あの店の近所にR32スカイラインがあるのか』という具合に情報を組み合わせていきますので、注意が必要です」(小木曽氏)。

“ストーカー”にも気を付けて

年末年始に特に気をつけたい投稿としては、「今日から年末年始の休暇です。羽伸ばしてきます」というような長期不在を匂わせるものだ。

「年末年始は空き巣だけではなく、ストーカー被害に遭っている人にとっても注意が必要な時期です。空き巣もストーカーも、長期不在がわかれば、家の中に入ってくる可能性が上がります。わざわざ“行く前”に投稿するのではなく、旅行が終わってから『行ってきた』と投稿しても良いのではないでしょうか」(小木曽氏)

この“時差投稿”は簡単であるだけでなく、年末年始に限らず普段からも有効だと小木曽氏は続ける。

「『○○にいる』ではなくて『○○に行ってきた』のように、投稿する場所と投稿するタイミングをズラすだけで、リスクはかなり減るでしょう。また、こういうことを実践すると、犯罪者に対して“用心してる”という宣言にもなります。犯罪者は用心深い人よりも、脇の甘い人を好みますからね」(小木曽氏)

気をつけるべき人

では、犯罪者に脇が甘いと思われ、“ターゲットにされやすい”人はいるのだろうか。

「今、タレントと一般人の境目がなくなってきています。たとえば、TikTokやインスタグラム、YouTubeには“一般人タレント”と呼べるような人がいっぱいいます。タレント並のリスクがあるのに、一般人と同じくらいの危機管理しかしていないケースも珍しくない。言うまでもなく、普通の人よりも気を付けた方がいいです。

ただし、心配しすぎないことも大切です。SNSを介して事件・事故に巻き込まれるより、車の運転やスポーツの方が何倍もリスクが大きいものです。たとえば、ネットの投稿が心配だ…って考えながら歩いてる方が、「転ぶ」危険は増しますよね。

気をつけなきゃいけない人ほど気をつけてなかったり、心配しなくて良い人ほど気にし過ぎていたり……。知識を身につけた上で、“自分はどのくらい気をつけるか”決めてほしいと思います」(小木曽氏)

なにかと事故やトラブルが増える年末年始。リアルだけではなく、ネット上でもいつもより少し“防犯”意識をプラスすることで、犯罪者を寄せ付けない良い年を迎えたいところだ。

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