ゴールデンボンバー・歌広場淳さん6人不倫も発覚で窮地。元交際相手の女性らは損害賠償請求できる?

弁護士JP編集部

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ゴールデンボンバー・歌広場淳さん6人不倫も発覚で窮地。元交際相手の女性らは損害賠償請求できる?
歌広場淳さんのブログに綴られた謝罪・反省文(ゴールデンボンバー 歌広場淳オフィシャルブログより)

複数の交際女性のうちのひとりはAさん同様妊娠 、中絶

「女々しくて」などのヒット曲を持つ人気バンドのゴールデンボンバー(略称 金爆)。楽器は“エアー”演奏でありながら、紅白出場も果たすなど、その人気は国民的だ。先ごろメンバーのひとりで「Be-su」担当の歌広場敦さんの不倫疑惑が、週刊文春によって報じられたのは記憶に新しい。記事によれば、妻子がありながら20代の女性Aさんと交際の末に妊娠。相手女性は切迫流産、人口妊娠中絶にいたったというもの。

その報道を受け、歌広場さんの公式ブログには謝罪と反省の文章が掲載され、活動自粛も発表。事態は一旦収束に向かっていると思われた。しかし、そのわずか1週間後、『週刊文春』(11月25日号)によって、Aさん以外の複数の女性(Bさん~Gさん)との不貞行為の疑惑について続報が報じられることとなった。

11月10日の謝罪以降、ブログの更新はない
(画像:ゴールデンボンバー 歌広場淳オフィシャルブログより)

こちらの記事によると、交際女性のうちのひとりGさんは、Aさん同様、妊娠。その事実を歌広場さんに告げると、「ごめん、無理だから堕ろして。認知もできない」といわれ、中絶手術をしていたという。 女性は、歌広場さんに婚約相手(2016年6月一般人女性と結婚)がいることを知らずに歌広場さんと交際。中絶後も付き合いが続いた数カ月後、婚約相手との結婚を告げられたという。

このように交際から年数がたっているケースでは、精神的、肉体的にもダメージを負った女性側が泣き寝入りということも少なくない。たとえば女性が元交際相手の男性に対しての損害賠償請求は可能であるのか、杉山大介弁護士に聞いた。

2人が「法的保護に値する」関係性であったのか

杉山弁護士: 損害賠償を請求するには、そもそも法的保護に値する利益に損害が生じている必要があります。今回のケースでも、相手方女性に「法的保護に値する利益」があったかがまず大事になります。

男女の人間関係を民法で保護するということは、自由に離脱させないということです。婚姻にはそのような保護価値が認められています。そこから派生して、実質結婚している、ほぼ結婚に向かっているということで、内縁や婚約にも保護に値する利益が認められています。

一方で、これよりも緩やかな人間関係については、今のところ法律上保護された利益であるとして確立されてはいません。そのため、何らかの法律上保護された利益を主張する場合、婚姻を基軸として、少なくとも婚姻に向けたやり取りや前提など、基軸に近づける論理は必要になってくると考えます。まずは、「自分と男性との関係性を、法律は保護せよ」と言えなければならないのです。

そのため、婚約相手がいることを隠していた事実も、騙されたと訴える側が、結婚できると思って具体的なことを進めていた事実と合わさることで、ようやく意味を持ってきうることになります。

仮にそういう法律上の請求が成立する理論を組めたとしても、次には立証の課題が出てきます。LINEのやり取りや、たとえば結婚を前提として購入した物があるなど、二人の関係性がただの恋愛を超えたものであったことを示せる証拠が、どれだけ集まるかは課題です。

また気を付けなければならないのが「時効」の問題です。不法行為で損害賠償を請求する場合、損害および加害者を知ってから3年で、請求ができなくなります。

このように、男女の問題を、人情を超えて法律問題にしようとするとなかなかハードルは高いのです。一方で、パートナーシップなど多様な人間関係が構築される中で、法律側も今までと異なる思考が求められるのではないかと議論も盛んであり、私自身、unbuilt(未構築)な領域として関心を持っているところです。

前述の時効の問題もありますし、ご自身の具体的な関係が法律上どう評価されるかについて、法律家に一度相談してみるのも一案かと思います。

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