小池都知事、尾身会長を証人尋問の可能性も。グローバルダイニングのコロナ時短命令への違憲訴訟

弁護士JP編集部

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小池都知事、尾身会長を証人尋問の可能性も。グローバルダイニングのコロナ時短命令への違憲訴訟
11月15日 霞が関/弁護士JP編集部

飲食チェーンのグローバルダイニングが東京都を相手取り、新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく時短命令が違憲であるとして損害賠償を求めている裁判の第4回口頭弁論が、11月15日に東京地裁で開かれた。

東京都が営業の自由、表現の自由、法の下の平等を侵害?

「モンスーンカフェ」「カフェ ラ・ボエム」「権八」といった人気飲食店を展開している同社。訴訟の発端となったのは、首都圏1都3県が2度目の緊急事態宣言下にあった今年3月18日、小池百合子都知事が改正特別措置法に基づいて出した営業時間の短縮命令だ。このとき命令を受けた27店舗のうち、26店舗がグローバルダイニングの展開する飲食店だった。

これを受け同社は、命令そのものや、命令の根拠となった改正特別措置法が、憲法で保障された「営業の自由」を侵害しているとして東京都を提訴。また都が命令を下す理由の一つとして、同社代表・長谷川耕造氏が「緊急事態措置に応じない旨を強く発信」していることが挙げられていることから、表現の自由や法の下の平等も侵害しているとして、違憲性を争っている。

小池百合子都知事、尾身茂会長らを証人申請

裁判が進む中で疑いの目が向けられているのは、国が緊急事態宣言を判断する重要な指標である「重症病床使用率」の不正報告。東京都は本来、国の基準に従って調査・報告しなければならなかったものの、一部に都独自の基準で得たデータを使用することで重症病床使用率を意図的に高く報告し、緊急事態宣言の解除を引き延ばしていたというのだ。

こうした経緯を踏まえ、都ではどのように意思決定が行われていたのか、命令に合理性はあったのかなどを明らかにするため、原告であるグローバルダイニングは東京都の小池百合子知事、政府コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長ら5名を証人として法廷に呼ぶ申請を行った。原告弁護団の倉持麟太郎弁護士は「いずれも東京都のコロナ政策においてインパクトのある方々。裁判所が証人として採用すれば相当有意義な尋問ができるのでは」と期待感を表した。

次回期日は12月13日。

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