元夫の子ども「引き渡し拒否」は法律的に有効? “親権者”あびる優さん娘と再会までの行方
![元夫の子ども「引き渡し拒否」は法律的に有効? “親権者”あびる優さん娘と再会までの行方](https://img.ben54.jp/news/192/Oet7vSXAu1Oy1664159214.jpg)
タレントのあびる優氏と、元夫の才賀紀左衛門氏による娘Aちゃんの親権争いが泥沼化している。
まず審判の末、Aちゃんの親権を持ったあびる氏の告発が「文春オンライン」に掲載(7月20日)され、Aちゃんが才賀氏による「連れ去り状態」にあることや、結婚当時にDVやモラハラなどがあったことを世間に訴えた。一方で、「女性セブン」誌上では、才賀氏の知人らの証言をまとめ、あびる氏が深夜にAちゃんを連れまわすなどの虐待が行われていたとする記事を公開(7月28日)するなど、メディアによる代理争いの様相も呈している。
SNS上では「子どもが完全に置き去りでかわいそう」と心配する声や、「親権者に引き渡さない状態は誘拐じゃないの?」といった制度自体への疑問の声などが多くあがっている。
家庭裁判所があびるさんを「親権者」と認めた
あびる氏と才賀氏が結婚したのは2014年9月、翌年5月にAちゃんが誕生した。しかし、その後2019年12月にふたりは離婚。才賀氏が親権を持つことを公表、Aちゃんを引き取っていた。
才賀氏が親権を持った理由について、あびる氏は文春オンラインの記事の中で以下のように語っている。
〈「ずっと離婚したかったのですが、彼は『離婚をしたらタダの俺になる』などと言って応じなかった。このタイミングを逃すと離婚できなくなると思い、親権者変更と引渡しは後で申し立てることにして、受け入れることにしたのです」〉(「文春オンライン」2022年7月20日記事より)
あびる氏は離婚の直後から、東京家裁に「親権者変更」と「引き渡し」の申し立てを行い、2021年に認められた(才賀は抗告したが棄却)。
しかし、引き渡し日になって才賀氏が「Aちゃんが嫌がっている」と引き渡しを拒否。さらに直接強制(※1)執行日には、Aちゃんが泣き出し執行不能となった。
(※1)民事執行法に基づく地裁の執行官による引渡し
「1日当たり4万円」も踏み倒している?
その後、あびる氏の申し立てにより、金銭の支払いを求めることで間接的に子どもの引き渡しを強制する「間接強制執行」が認められた。才賀氏はあびる氏に「1日当たり4万円支払う」必要がある状態となった。
それでも才賀氏は現在に至るまで引き渡しに応じておらず、支払いもされていない状態であるという。
また、あびる氏をママと読んで慕っていたはずのAちゃんは、引き渡し日以降「(あびる氏は)ママじゃない」「産んだだけのただのおばさん」などと言うようになっていたといい、家裁の審判書では下記のように指摘されている。
〈未成年者(Aちゃん)が債権者(あびる氏)に対して拒否的な感情を抱くに至ったのは、債務者(才賀氏)の影響を受けたことによることが明らかである〉(「文春オンライン」2022年7月27日記事より)
「誘拐」で捕まる可能性が低い理由
最高裁によれば、子どもの引き渡しを求めた申し立ては2014年以降、毎年100件程度あるものの、実際に引き渡しが実現した件数は約3割にとどまっている。
才賀氏によるブログでの”子育て投稿”など、メディアなどを通じて双方の主張やパフォーマンスが悪目立ちしている感はあるが、親権をもつ親が子どもと暮らせないケースは決して特殊ではない。
才賀氏による一連の「連れ去り」について、離婚問題を含む多くの男女・家族の問題を扱ってきた安達里美弁護士は、「誘拐(未成年者略取誘拐罪)にあたる可能性は低いと思う」と指摘する。
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