「PCR検査を拒否したらクビ」…コロナ禍で増える解雇トラブルの実態

弁護士JP編集部

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「PCR検査を拒否したらクビ」…コロナ禍で増える解雇トラブルの実態

10月22日、厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症に起因する雇用への影響に関する情報を更新した。
この調査は、都道府県労働局の聞き取り情報や公共職業安定所に寄せられた相談・報告等を基に集計されており、新型コロナウイルス感染症が雇用に与える影響についてタイムリーに把握する観点から、厚生労働省が2020年5月から実施している。

最新の発表によれば調査開始以来、2021年10月22日までの雇用調整の可能性がある事業所数は13万4445所、解雇等見込み労働者数は11万8875人に達したということがわかった。

業種別の解雇等見込み労働者数は、製造業が2万7761人と最多で、小売業(1万6344人)、飲食業(1万3749人)と続く。

都道府県別の解雇等見込み労働者数は、東京都が2万4594人と最多で、大阪府(1万481人)、愛知県(6482人)となっている。

コロナ禍以降の新型コロナウイルスに関係した解雇の実態や、もしも解雇をめぐるトラブルに巻き込まれた場合に労働者ができる対応について、労働問題に詳しい松井剛弁護士に聞いた。

新型コロナウイルスに関係する解雇の相談は増えているのでしょうか?

2020年1月以降、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、コロナに関係する労働相談は増えているといえます。とくに解雇に関わる相談は、1回目の緊急事態宣言が出た2020年5月くらいから、とても増えています。

これまで具体的にはどのような相談があったのでしょうか?

定年後、アルバイト勤務している60代の男性が新型コロナウイルスに感染したことを理由に雇止めにあったという事案がありました。その方は、新型コロナウイルスに感染した後、しばらく会社を休んでいたのですが、会社に対してコロナに感染したことを報告していませんでした。

この点について、本人は会社に報告したという認識であり会社としては報告を受けていないという争いはあるのですが、その方としては報告したという認識のもと、感染後1か月くらい経過した後、傷病手当金をもらおうと思い、必要書類の作成を会社に依頼しました。そのとき会社から「(コロナに感染したことを)初めて聞いた。もう来なくていい」と言われました。

そして、そのままの状態が続き、期間の定めのある雇用契約であったことから1か月半後の契約更新の時期に更新がなされず、雇止めになりました。

ほかにも「コロナに感染して休んだことを理由に解雇された」「コロナに感染したときにきちんと報告しなかったことを理由に解雇された」「同僚が感染し、自分が濃厚接触者に認定されて、その状態で勤務を継続したことを理由に解雇された」「派遣先の職場で毎日PCR検査を受けなければならなかったが、その検査を拒否したら解雇された」など、さまざまな相談がありました。

新型コロナウイルスを理由に解雇されたとき、労働者としてはどのような対応をとることができるのでしょうか?

解雇されたというケースであれば、解雇が新型コロナウイルスに感染したという理由だけなのであれば違法な解雇の可能性があります。その場合は、弁護士や労働組合に相談して、解雇を争うことを考えたほうが良いでしょう。職場復帰を目指すもいいし、そういう会社にはいたくないということなら金銭解決を目指すことも一般論としてあり得ます。

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