【明日判決】東電元会長らに「22兆円」賠償請求 「東電株主代表訴訟」とは

弁護士JP編集部

弁護士JP編集部

【明日判決】東電元会長らに「22兆円」賠償請求 「東電株主代表訴訟」とは
東京都千代田区にある「東京電力ホールディングス株式会社」本社(弁護士JP編集部)

福島第一原発事故について、東京電力の株主らが同社旧経営陣5人(※1)の責任を追及している「東電株主代表訴訟」の判決が、7月13日(水)15時に東京地裁で言い渡される。

(※1)勝俣恒久元会長、清水正孝元社長、武藤栄元副社長、武黒一郎元副社長、小森明生元常務

裁判の争点は「津波の予見可能性」。原告である株主らは、旧経営陣5人が巨大津波によって原発が襲われる可能性を知りながらも、十分な対策を講じなかったために事故が発生し、会社が多額の損害を被ったとして、5人に合計22兆円の損害賠償を求めている。

なお原告は、裁判によって回収された金銭について「原発事故の被害者の方々に対する損害賠償として使用されることを要求しています」としている。

株主代表訴訟とは?

「株主代表訴訟」とは、取締役などが会社に与えた損害の責任を追及する制度。本来は会社が主体となって責任追及するべきだが、仲間意識などからそれが行われなかった場合、会社や株主が損害を被るおそれがある。そのため株主には、取締役らに対し訴えを起こすことが認められている。

今回の訴訟では、東京電力の株主らが同社監査役に対し、旧経営陣を相手に損害賠償請求訴訟を起こすよう請求したものの、監査役が提訴しない意向を示した。それを受け、2012年3月5日、株主らが東京地裁へ株主代表訴訟を提訴するに至った。

東電の責任を追及する裁判、どのくらい行われている?

福島第一原発事故を巡り、東京電力は13日に判決を迎える「株主代表訴訟」以外にも、刑事裁判・民事裁判の両面からその責任が追求されている。

  • 刑事裁判
    旧経営陣3人(※2)が原発事故を防げなかったとして、検察審査会の起訴議決により「業務上過失致死傷罪」で強制起訴された裁判。1審では2019年9月に東京地裁が旧経営陣3人へ無罪判決を言い渡し、検察官役の指定弁護士が控訴した。2審は2023年1月18日に判決予定。

    (※2)勝俣恒久元会長、武藤栄元副社長、武黒一郎元副社長

  • 民事裁判
    「弁護士白書 2019年版」によると、ADR(裁判外紛争解決手続。訴訟によらない紛争解決方法)では十分な賠償が受けられなかった損害について全国各地で集団訴訟が提起されている。原告数は全国で1万人を超える見込みだという。

    →主な集団訴訟についてはこちら

電力ひっ迫が騒がれ、安全で安定的な電力供給への関心が高まっている今、福島第一原発事故を巡る裁判は誰にとっても「他人事」ではないだろう。まずは13日の判決について、司法はどのような判断を下すのか注目したい。

  • この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいて執筆しております。

編集部からのお願い

情報提供をお待ちしております

この記事をシェア