マッチングアプリ経由「プチぼったくり」被害が多発 男性心理につけこむ「新手口」を見破るには?

弁護士JP編集部

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2022年06月01日 17:09

マッチングアプリ経由「プチぼったくり」被害が多発  男性心理につけこむ「新手口」を見破るには? 警視庁公式YouTubeチャンネル「甘い誘いは、ぼったくり!」より(https://youtu.be/64TBw5Ztnfo)

「私の知っているお店に行こう」。

マッチングアプリで出会った女性から誘われた店で、男性客が不当な料金を請求される、いわゆる「ぼったくり」被害が2019年頃から増えはじめ、警視庁が注意を呼び掛けている。

警察も動かざるを得なかった…ひどすぎるぼったくり被害

「客引きから『1時間3000円』と勧誘され、友人と2人でキャバクラに行った。1時間もたたずに会計をしたが26万円を請求された」「客引きされたバーで飲み放題料金2000円を払い、お酒を1口飲んだところで意識が途絶えた。後日クレジットカードが限度額超過で使えなくなり、確認したところバーに行った日の夜中に約20万円決済されていた」

上記は共にぼったくりの被害が大きな問題になった2014~15年に、国民生活センターに寄せられた事例だ。当時は客引きに誘われて店に入ったが最後、法外な金額をサービス料金や飲食代として請求されるという手口が横行した。クレジットカードが不正に使用されたという訴えも多かった。

それまで「民事不介入」を理由に被害者の話を積極的に聞いてこなかった警察も、相談件数が増加したことから2015年6月に対策に乗り出す。その結果、警視庁は新宿歌舞伎町付近の店に対する約2か月の対策で14店舗41人を摘発し、ぼったくりを行っていた24店舗が廃業した。

警察官による盛り場パトロールの様子(警視庁ホームページ「警視庁の取組」より)

時を同じくして東京弁護士会の弁護士による「ぼったくり110番」も開設される。被害者からの相談を受けるだけでなく、店側との交渉も行った。

こうした地道な活動のかいもあり、被害の相談件数は減少。近年、ぼったくり被害数はピークを越えたと見られている。

警視庁担当者も「都内のぼったくり被害相談を網羅的に把握した統計はない」としつつ、コロナ禍以前に比べても今は「(被害が)減少しているという認識」を現場感覚として示している。

ぼったくり新時代は‟プチ”が主流?

しかし、直接客引きをされる昔ながらのぼったくりが減る一方で、スマホを利用した新たな手口が横行しているという。前出の警視庁担当者は「マッチングアプリにより知り合った女性に誘われた店舗で高額請求されたとの相談が多数寄せられている」と注意を呼びかける。

マッチングアプリによる新たなぼったくり被害は、「払えないほどの金額を請求されるわけでもない」、「デート中に事を荒立てるのも…」など巧みに男性心理をついてくる『プチぼったくり』が特徴的のようだ。

マッチングアプリ経由で『プチぼったくり』に遭った被害者の複雑な胸中は、TwitterなどSNSに投稿されたつぶやきからもうかがえる。

中には、周囲から引き留められたにも関わらず被害に遭った人もいる。

「払おうとする女性」は危険? 典型的な手口

マッチングアプリを使用した具体的な手口は、「ぼったくり店の関係者であることを隠した女性が店に誘い込み、酒をたくさん注文して飲むなどし、高額請求される」(警視庁担当者)のが一般的であるという。

また、会計時に女性がクレジットカードで支払おうとする素振りを見せるのも特徴のひとつだという。「この店ではクレジットカードが使用できなかったなどと言って、相手に現金で支払わせようとします」(警視庁担当者)。

さらには、まるで自らもぼったくり店の被害者であるかのようにふるまい、実際に一部の金額を支払うことで男性を「信用」させる女性もいるという。しかし店側と女性は共犯関係のため、女性の懐が痛むことはない。

プチぼったくり唯一の予防法とは…

対策のキーワードは「歌舞伎町」(写真:イデア/PIXTA)

警視庁では、2019年にぼったくり条例違反で検挙した店(都内)の女性店員がマッチングアプリで集客していたことが判明したことをきっかけに、ホームページやTwitter、YouTubeなどでも注意を呼びかけ始めたという。

現在、歌舞伎町でも「客引きに渡したお金は返ってきません」という注意喚起の街頭アナウンスが流れている。

アナウンスの通り、実際に起きてしまったぼったくりは刑事事件として立件するのが難しく、払ってしまったお金が手元に戻ってくることは稀だ。ぼったくり店に入店しないことが唯一の予防法になる。

警視庁によれば、マッチングアプリ経由のぼったくり被害は「(都内では)歌舞伎町地区以外ではほぼ見られていないのが現状」だという。自衛のひとつとして、マッチングアプリで出会った女性から「歌舞伎町」に誘導されたら注意と覚えておくのがいいだろう。

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