住宅ローンの返済が困難になったときの「任意売却」とは?
  • 2021年04月05日
  • 不動産・建築・住まい

住宅ローンの返済が困難になったときの「任意売却」とは?

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

せっかく手に入れたマイホームですが、給料が減ったり、仕事を失ったりしたなどの理由で、住宅ローンの返済が予定通りに行えなくなる方もいると思います。

金融機関と相談し、毎月の返済額を減らしてもらったり、返済期間を延ばしてもらったりすることで対応することもできますが、それでも厳しいという方は、最終的には自宅を手放すことを検討しなければなりません。

今回は、住宅ローンの返済が困難になった方に向けて、任意売却のメリット・デメリットやその方法について解説します。

1. 任意売却とは

任意売却とは、住宅ローンの支払いがさまざまな理由で困難となったときに、売却後も住宅ローンが残ってしまう自宅を金融機関の合意を得て売却する方法のことをいいます。

住宅ローンを借りて家を建てる場合には、通常、金融機関が自宅の土地と建物に抵当権を設定します。住宅ローンが残った自宅を売却するときには、原則として抵当権も付いた状態で買主に移転するため、なかなか買い手が付きません。そこで、金融機関から抵当権を外す合意を得た上で、自宅を売却する方法が、任意売却という手段になります。

任意売却をせずに住宅ローンの滞納が続くと、金融機関としては、最終的に不動産競売を申し立てて、強制的に自宅を売却し、そこから住宅ローンを回収することになります。そのため、任意売却は競売を回避する手段としても用いられます。

2. 任意売却のメリット・デメリット

任意売却には、以下のようなメリットとデメリットがあります。

(1)任意売却のメリット

任意売却のメリットとしては、以下のものがあります。

①競売よりも高い価格で売却できる

任意売却は、競売に比べると市場価格に近い金額、つまり高い金額で売却されるため、売却後に残る住宅ローンが少なくなります。他方、競売は市場価格より低い金額で売却されることがほとんどです。これは、競売の場合、事前に室内を見ることができない、室内に放置された物の撤去に多大な費用が発生する可能性ある、等の事情があるからです。

売却の結果、住宅ローンが残ってしまったとしても、破産をしないのであれば最終的に支払う金額が少ない方が債務者にとってはメリットが大きいといえます。

②転居費用や破産費用の交渉ができる

金融機関が同意してくれることが条件となりますが、任意売却の場合には、売却代金の中から、転居費用や破産費用を捻出してもらえることがあります。一方、競売の場合には、このような費用は一切出ません。

そのため、このような費用が確保できる任意売却のほうが債務者にとってはメリットがあります。

(2)任意売却のデメリット

任意売却のデメリットとしては、以下のものがあります。

①住宅ローンの滞納で信用情報機関に登録される

住宅ローンを3か月以上滞納したときには、信用情報機関に登録される可能性があります。

信用情報機関とは、いわゆるブラックリストのことで、これに登録されてしまうと、7年程度は新たに借り入れをすることが困難になります。

②連帯保証人の同意が必要

住宅ローンを借りるにあたって連帯保証人を付けたときには、任意売却をするにあたって連帯保証人の同意が必要になります。

夫が主債務者、妻が連帯保証人になり住宅ローンを借りたが、離婚をしてしまったというケースでは、離婚した妻から同意を取り付けなければなりません。

連帯保証人が同意しない、連帯保証人と連絡が取れないということが任意売却にあたって支障となることがあります。

3. 売却方法

上記のようにメリットが大きい任意売却ですが、いざやろうと思ってもどのように進めたらよいかわからない方も多いと思います。一般的に任意売却は、以下のような流れで進めることになります。

  1. 不動産会社に任意売却の依頼
  2. 物件の査定
  3. 債権者との交渉
  4. 物件の販売
  5. 売買契約
  6. 引っ越し準備
  7. 決済

任意売却をしたとしても、住宅ローンが残ることが多いので、残ってしまった住宅ローンの返済方法を検討しなければなりません。住宅ローンの残高が高額になるようであれば、破産を含めた債務整理を検討しなければならないこともあります。

住宅ローンの返済に困ったときには、早期に弁護士に相談をすることで、あらかじめ任意売却で必要な費用を確保した上で、破産などの債務整理を行うことも可能です。そのためには、債権者との交渉を弁護士が行う必要がありますので、任意売却を検討する際には、早期に弁護士へ相談することをおすすめします。

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