債務整理後に新たな借り入れを検討する際の注意点と方法

債務整理後に新たな借り入れを検討する際の注意点と方法

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

債務整理をすると、個人信用情報機関に「事故情報」が登録されるため、一定期間、原則として新規の借り入れができなくなります。

債務整理後にどうしても借り入れが必要となった場合には、国の「生活資金貸付制度」の利用などを検討しましょう。

今回は、債務整理後の新規借り入れに関する取り扱いと、どうしても新たな借り入れが必要となった場合の対処法・注意点について解説します。

1. 債務整理後の新規借り入れは原則として不可

債務整理をした場合、個人信用情報機関に「事故情報」が登録されるため、原則として一定期間、新規借り入れができなくなってしまいます。

(1)「事故情報」とは?

「事故情報」とは、個人信用情報機関に登録される、個人による過去の債務不履行などに関する情報をいいます。

個人信用情報機関には、以下の3つがあります。

全国銀行個人信用情報センター(KSC) 銀行系
株式会社日本信用情報機構(JICC) 貸金業者系(消費者金融など)
株式会社シー・アイ・シー(CIC) クレジットカード系

「債務整理」に該当する自己破産・個人再生・任意整理についても、事故情報として登録対象に含まれています。

(2)事故情報の登録により、一定期間新規借り入れができなくなる

事故情報の登録期間は、任意整理や自己破産・個人再生といった手続の違いや、信用情報機関毎によって変化しますが、5~10年程度とされています。

信用情報機関の事故情報は、銀行・貸金業者・クレジットカード会社が与信審査の際に参照しています。

事故情報が登録されている人については、収入や資産が十分多いなどの特段の事情がない限り、与信審査に通ることはありません。

したがって、債務整理をした後は、事故情報が抹消されるまで、新規に借り入れをすることは事実上不可能になってしまうのです。

2. 債務整理後に借り入れが必要になった場合の対処法・注意点

債務整理をした後、どうしても生活資金に困ってしまい、何とかして新規借り入れをしたいという状況が発生するかもしれません。

原則、債務整理をした以上は新たに借金を増やすべきではないのですが、どうしてもやむを得ない場合は、国が運営する「生活福祉資金貸付制度」を利用することをお勧めいたします。

万が一にでも「闇金(ヤミ金)」と呼ばれる業者を利用することは絶対に避けてください。

(1)生活福祉資金貸付制度を利用する

低所得者世帯(住民税非課税が目安)・障害者世帯・高齢者世帯(65歳以上の高齢者がいる世帯)を対象として、国による「生活福祉資金貸付制度」が設けられています。

たとえば、生活再建までの間の生活費用を資金使途とする場合には、単身であれば月15万円、2人以上の世帯であれば月20万円まで借り入れができます。

生活福祉資金貸付制度は、債務整理によって信用情報機関に事故情報が登録されている方でも利用できるほか、連帯保証人を立てることにより無利子で借り入れができるため、非常に便利な制度です。

現在では、新型コロナウイルス感染症の影響で生活に困窮している方に向けた「特例貸付」も行われているので、厚生労働省の窓口へ問い合わせてみましょう。

(参考:「生活福祉資金貸付制度」(厚生労働省))

(2)闇金(ヤミ金)には絶対に手を出さない

債務整理をした後でも、「ブラックOK」「誰でも利用可能」などのうたい文句で、新規の借り入れを勧誘してくる業者が存在します。

こうした業者は、いわゆる「闇金(ヤミ金)」である可能性が高いので、強く警戒することが大切です。

闇金(ヤミ金)の主な特徴としては、以下の点が挙げられます。

①貸金業者としての登録を受けていない

業として金銭の貸し付けを行う際には、内閣総理大臣または都道府県知事の登録を受けなければなりません(貸金業法第3条第1項、第11条第1項)。

したがって、無登録で貸金業を営む業者は違法な闇金(ヤミ金)です。

②利息制限法の上限を超える高額な金利を要求する

利息制限法第1条では、元本額に応じて以下の上限金利を設けています。

  • 10万円未満:年20%
  • 10万円以上100万円未満:年18%
  • 100万円以上:年15%

闇金(ヤミ金)は、利息制限法の上限金利をはるかに超え、年数百%や数千%といった法外な金利を請求するケースがあります。

③粗暴な取り立てを行う

債務者が借金を返済できないと、早朝や深夜に自宅に訪問したり、異様な高頻度で自宅に電話をかけてきたり、場合によっては職場などに押し掛けてくるなど、違法・粗暴な取り立てを行う闇金(ヤミ金)が多く存在します。

このように、一度闇金(ヤミ金)から借り入れをしてしまうと、債務者は弱みに付け込まれて大きな経済的・精神的な負担を抱えてしまうことになりかねません。

そのため、どんなにお金に困っていたとしても、闇金(ヤミ金)を利用することは絶対に避けましょう。

弁護士JP編集部
弁護士JP編集部

法的トラブルの解決につながるオリジナル記事を、弁護士監修のもとで発信している編集部です。法律の観点から様々なジャンルのお悩みをサポートしていきます。

  • こちらに掲載されている情報は、2022年06月02日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

お一人で悩まず、まずはご相談ください

まずはご相談ください

借金・債務整理に強い弁護士に、あなたの悩みを相談してみませんか?

弁護士を探す

借金・債務整理に強い弁護士

  • 菅谷 良平 弁護士

    ベリーベスト法律事務所 錦糸町オフィス

    東京都 江東区
    東京都江東区亀戸一丁目5番7号 錦糸町プライムタワー16階
    JR総武線・東京メトロ半蔵門線「錦糸町駅」南口から徒歩9分
    JR総武線・東武亀戸線「亀戸駅」北口から11分
    • 当日相談可
    • 休日相談可
    • 24時間予約受付
    • 電話相談可
    • ビデオ相談可
    • 初回相談無料

    ※初回相談無料は、ご相談の内容によって一部有料となる場合がございます。

     
    注力分野

    圧倒的な知識と経験で借金のお悩みを解決いたします!

  • 岩城 相浩 弁護士

    いわしろ法律事務所

    東京都 大田区
    東京都大田区西蒲田8-4-5 コアタカセ605
    JR、東急蒲田駅から徒歩2分
    • 当日相談可
    • 休日相談可
    • 24時間予約受付
    • 初回相談無料
     
    注力分野

    【年中無休】【弁護士直通】借金でお悩みのかたは、これ以上状況が悪くなる前にご連絡ください。任意整理、自己破産など、状況を改善しましょう。

  • 横溝 英紀 弁護士

    ベリーベスト法律事務所 堺オフィス

    大阪府 堺市堺区
    大阪府堺市堺区南花田口町2-3-20 三共堺東ビル5階
    南海高野線「堺東駅」より徒歩1分
    • 当日相談可
    • 休日相談可
    • 24時間予約受付
    • 電話相談可
    • ビデオ相談可
    • 初回相談無料

    ※初回相談無料は、ご相談の内容によって一部有料となる場合がございます。

     
    注力分野

    経験豊富な弁護士にお早目にご相談下さい!

  • 佐々木 輝 弁護士

    AWL法律税務事務所

    東京都 豊島区
    東京都豊島区池袋本町1-16-19 AUT池袋ビルディング401
    • 当日相談可
    • 休日相談可
    • 夜間相談可
    • 24時間予約受付
    • 全国出張対応
    • 電話相談可
    • ビデオ相談可
    • LINE相談可
    • メール相談可
    • 初回相談無料

    初回相談は30分まで無料対応です。当日・休日・夜間相談は、通常料金と異なります。

     
    注力分野

    【初回相談30分無料】【休日・早朝・夜間相談可】【電話・メール(LINE含む)・オンライン相談対応】【カード利用可】【全国対応】

  • 佐藤 英生 弁護士

    宝塚ともり法律事務所

    兵庫県 宝塚市
    兵庫県宝塚市川面5-2-4 OZFLAT601
    • 当日相談可
    • 休日相談可
    • 夜間相談可
    • 24時間予約受付
    • 全国出張対応
    • ビデオ相談可
    • 初回相談無料

    詳細についてはhttps://tomori-law.com/をご参照ください。

     
    注力分野

    【初回相談無料・現役非常勤裁判官】相談しやすく包容力のある弁護士をお探しなら私にご連絡ください わかりやすい説明と経験に基づいた的確なアドバイスを心がけています