【後遺障害】骨折でもらえるお金と等級認定されるポイント
- 交通事故
交通事故で骨折をすると、神経障害、運動障害、欠損障害、機能障害、変形障害、短縮障害といった後遺障害が生じる可能性があります。それぞれの後遺障害には、認定基準が定められていますので、適正な後遺障害認定を受けるためにも、障害の部位や内容に応じて対策をしていくようにしましょう。
1. 「骨折」が原因で認められうる後遺障害の種類
交通事故により骨折すると、骨が元の状態に戻ったとしても、さまざまな後遺症が生じてしまうことがあります。骨折が原因で生じる可能性がある後遺障害には、以下の6つの種類があります。
- 神経障害
- 運動障害
- 欠損障害
- 機能障害
- 変形障害
- 短縮障害
後遺障害の種類によって認定基準や等級が異なるため、2章で後遺障害ごとの認定基準や等級をみていきましょう。
2. 骨折が原因の後遺症で認められる後遺障害は?
以下では、骨折が原因の後遺症が生じた場合に認められる可能性のある後遺障害を説明します。
(1)骨折の後遺障害とその等級
交通事故で骨折してしまった場合の治療法には、おもに以下の2つの方法があります。
- 保存療法
- 手術
軽い骨折であればギプスなどで患部を固定する保存療法が選択されますが、保存療法では回復が見込めないようなケースでは手術が選択されます。骨折した部位により治療期間は異なるものの、6か月程度が目安となります。
なお、骨折が原因で認定される可能性のある後遺障害には、以下の6つの種類があります。
①神経障害
神経障害とは、骨折した部位に痛みや痺れなどが残ってしまう障害をいいます。骨折による神経障害で認定される可能性のある後遺障害等級は、以下のとおりです。
| 等級 | 後遺障害 |
|---|---|
| 12級13号 | 局部に頑固な神経症状を残すもの |
| 14級9号 | 局部に神経症状を残すもの |
②運動障害
運動障害とは、頸椎の骨折により首の曲げ伸ばしに制限が生じる障害、また、胸椎・腰椎の骨折により胸腰部の曲げ伸ばしに制限が生じる障害をいいます。骨折による運動障害で認定される可能性のある後遺障害等級は、以下のとおりです。
| 等級 | 後遺障害 |
|---|---|
| 6級5号 | 脊柱に著しい運動障害を残すもの |
| 8級2号 | 脊柱に運動障害を残すもの |
③欠損障害
欠損障害とは、上肢・手指・下肢・足指の全部または一部を失ってしまう障害をいいます。骨折による欠損障害で認定される可能性のある後遺障害等級は、以下のとおりです。
| 等級 | 後遺障害 | |
|---|---|---|
| 1級 | 3号 | 両上肢をひじ関節以上で失ったもの |
| 5号 | 両下肢をひざ関節以上で失ったもの | |
| 2級 | 3号 | 両上肢を手関節以上で失ったもの |
| 4号 | 両下肢を足関節以上で失ったもの | |
| 3級5号 | 両手の手指の全部を失ったもの | |
| 4級 | 4号 | 1上肢をひじ関節以上で失ったもの |
| 5号 | 1下肢をひざ関節以上で失ったもの | |
| 7号 | 両足をリスフラン関節以上で失ったもの | |
| 5級 | 4号 | 1上肢を手関節以上で失ったもの |
| 5号 | 1下肢を足関節以上で失ったもの | |
| 8号 | 両足の足指の全部を失ったもの | |
| 6級8号 | 1手の5の手指又はおや指を含み4の手指を失ったもの | |
| 7級 | 6号 | 1手のおや指を含み3の手指を失ったもの又はおや指以外の4の手指を失ったもの |
| 8号 | 1足をリスフラン関節以上で失ったもの | |
| 8級 | 3号 | 1手のおや指を含み2の手指を失ったもの又はおや指以外の3の手指を失ったもの |
| 10号 | 1足の足指の全部を失ったもの | |
| 9級 | 12号 | 1手のおや指又はおや指以外の2の手指を失ったもの |
| 14号 | 1足の第1の足指を含み2以上の足指を失ったもの | |
| 10級9号 | 1足の第1の足指又は他の4の足指を失ったもの | |
| 11級8号 | 1手のひとさし指、なか指又はくすり指を失ったもの | |
| 12級 | 9号 | 1手のこ指を失ったもの |
| 11号 | 1足の第2の足指を失ったもの、第2の足指を含み2の足指を失ったもの又は第3の足指以下の3の足指を失ったもの | |
| 13級 | 7号 | 1手のおや指の指骨の1部を失ったもの |
| 9号 | 1足の第3の足指以下の1又は2の足指を失ったもの | |
| 14級6号 | 1手のおや指以外の手指の指骨の1部を失ったもの | |
④機能障害
機能障害とは、上肢の関節(肩・肘・手首・手指)または下肢の関節(股関節・膝・足首・足指)の曲げ伸ばし(可動域)に支障が生じる障害をいいます。骨折による機能障害で認定される可能性のある後遺障害等級は、以下のとおりです。
| 等級 | 後遺障害 | |
|---|---|---|
| 1級 | 4号 | 両上肢の用を全廃したもの |
| 6号 | 両下肢の用を全廃したもの | |
| 4級6号 | 両手の手指の全部の用を廃したもの | |
| 5級 | 6号 | 1上肢の用を全廃したもの |
| 7号 | 1下肢の用に全廃したもの | |
| 6級 | 6号 | 1上肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの |
| 7号 | 1下肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの | |
| 7級 | 7号 | 1手の5の手指又はおや指を含み4の手指の用を廃したもの |
| 11号 | 両足の足指の全部の用を廃したもの | |
| 8級 | 4号 | 1手のおや指を含み3の手指の用を廃したもの又はおや指以外の4の手指の用を廃したもの |
| 6号 | 1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの | |
| 7号 | 1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの | |
| 9級 | 13号 | 1手のおや指を含み2の手指の用を廃したもの又はおや指以外の3の手指の用を廃したもの |
| 15号 | 1足の足指の全部の用を廃したもの | |
| 10級 | 7号 | 1手のおや指又はおや指以外の2の手指の用を廃したもの |
| 10号 | 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの | |
| 11号 | 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの | |
| 11級9号 | 1足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの | |
| 12級 | 6号 | 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの |
| 7号 | 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの | |
| 10号 | 1手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの | |
| 12号 | 1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの | |
| 13級 | 6号 | 1手のこ指の用を廃したもの |
| 10号 | 1足の第2の足指の用を廃したもの、第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの又は第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの | |
| 14級 | 7号 | 1手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの |
| 8号 | 1足の第3の足指以下の1又は2の足指の用を廃したもの | |
⑤変形障害
変形障害とは、頸椎・胸椎・腰椎が圧迫骨折や破裂骨折することで、正常な形状と比べて脊柱に変形が生じる障害をいいます。骨折による変形障害で認定される可能性のある後遺障害等級は、以下のとおりです。
| 等級 | 後遺障害 | |
|---|---|---|
| 6級5号 | 脊柱に著しい変形を残すもの | |
| 7級 | 9号 | 1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの |
| 10号 | 1下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの | |
| 8級 | 8号 | 1上肢に偽関節を残すもの |
| 9号 | 1下肢に偽関節を残すもの | |
| 11級 | 7号 | 脊柱に変形を残すもの |
| 12級 | 8号 | 長管骨に変形を残すもの |
⑥短縮障害
短縮障害とは、脚の骨を骨折し、骨折した部分が短縮して癒合することで左右の足の長さが変わってしまう障害をいいます。骨折による短縮障害で認定される可能性のある後遺障害等級は、以下のとおりです。
| 等級 | 後遺障害 |
|---|---|
| 8級5号 | 1下肢を5センチメートル以上短縮したもの |
| 10級8号 | 1下肢を3センチメートル以上短縮したもの |
| 13級8号 | 1下肢を1センチメートル以上短縮したもの |
(2)交通事故による骨折で後遺症が残ったらやるべきこと
交通事故で骨折し、骨癒合したものの、神経障害、運動障害、欠損障害、機能障害、変形障害、短縮障害にあたる後遺症が生じたときは、後遺障害等級申請を行うようにしましょう。
後遺障害等級が認定されれば、後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益を請求できますので、適正な等級認定を受けることが大切です。
3. 骨折の後遺障害で給付される金銭と相場額
骨折で後遺障害が認定されるとどのような損害を請求できるのでしょうか。以下では、骨折の後遺障害で給付される金銭とその相場を説明します。
(1)骨折の後遺障害で給付される金銭
骨折により後遺障害が認定されると、以下のような損害を請求することができます。
- 後遺障害逸失利益
- 後遺障害慰謝料
後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益は、後遺障害等級認定の手続きで認定された等級に応じてもらえる補償が変動しますので、適正な等級認定を受けることが重要です。
(2)骨折の後遺障害での慰謝料(保険金)の相場額
交通事故の慰謝料の算定基準には、以下の3つの種類があります。
- 自賠責保険基準
- 任意保険基準
- 弁護士基準
どの基準を採用するかによって、慰謝料の金額は大きく変わります。以下で自賠責保険基準と弁護士基準による後遺障害慰謝料額の違いをまとめましたので参考にしてみてください。
| 等級 | 後遺障害慰謝料の金額 | |
|---|---|---|
| 自賠責保険基準 | 弁護士基準 | |
| 1級 | 1150万円 | 2800万円 |
| 2級 | 998万円 | 2370万円 |
| 3級 | 861万円 | 1990万円 |
| 4級 | 737万円 | 1670万円 |
| 5級 | 618万円 | 1400万円 |
| 6級 | 512万円 | 1180万円 |
| 7級 | 419万円 | 1000万円 |
| 8級 | 331万円 | 830万円 |
| 9級 | 249万円 | 690万円 |
| 10級 | 190万円 | 550万円 |
| 11級 | 136万円 | 420万円 |
| 12級 | 94万円 | 290万円 |
| 13級 | 57万円 | 180万円 |
| 14級 | 32万円 | 110万円 |
4. 骨折での後遺障害等級認定のポイント
骨折で後遺障害認定を受けるためのポイントは、以下のとおりです。
(1)治療段階で弁護士に相談する
後遺障害等級認定の申請は、症状固定後に行いますが、後遺障害等級の審査にあたっては通院の頻度・期間、事故直後の検査結果、治療経過なども考慮されます。
そのため、適正な等級認定を受けるには治療段階から弁護士のサポートを受けることが有益です。治療段階で弁護士に相談をすれば、具体的な症状に応じた対処法をアドバイスしてもらえるので、後遺障害等級認定の可能性を高めることができるでしょう。
(2)画像診断の取得と精密検査を行う
後遺障害等級の審査にあたっては、画像所見などの他覚的所見の有無が重視されます。骨折により痛みが生じた場合には、12級または14級の等級になりますが、圧迫骨折が残っていることをレントゲンで確認できれば、より上位の等級を狙える可能性が高くなります。
画像診断や精密検査は、事故直後に行うことが重要です。事故による外傷がなかったとしても、画像診断や精密検査を受けておくことをおすすめします。
- こちらに掲載されている情報は、2024年10月24日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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