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「AV」と「性描写の多い一般映画」の“違い”とは? 風営法“7割ルール”のボーダーライン

「AV」と「性描写の多い一般映画」の“違い”とは? 風営法“7割ルール”のボーダーライン
AV販売も届出をしていなければ違法になる(Graphs / PIXTA)

いわゆるフーゾクは風営法上、「性風俗関連特殊営業」というカテゴリーに属し、さらに大きく5つに区分されている。

そのうちの「映像送信型性風俗特殊営業」、いわゆるAV関連の営業について、“歌舞伎町弁護士”の異名を持つ、風俗業界の法律トラブルで実績豊富な若林翔氏が詳しく解説する。

増加する同人AV、個人撮影AV

ここ最近、大手AVメーカーなどの適正AV業界のみならず、同人AVや個人撮影AVといわれる個人や少人数でAVの販売などを行う業者が増えてきている。これらのAVに関連する営業が「映像送信型性風俗特殊営業」である。

<専ら、性的好奇心をそそるため性的な行為を表す場面又は衣服を脱いだ人の姿態の映像を見せる営業で、電気通信設備を用いてその客に当該映像を伝達することにより営むもの>

簡単に言えば、ネットなどでエロ画像・動画を見せるビジネスのことで、同人AVやライブチャットの人気を受けて、2020年以降、風営法上の届出数も増加傾向にある。

どんなものが‟エロ動画”となるのか

「性的好奇心をそそるため」とは、当該客の性的な感情を著しく刺激する目的であると社会通念上認められるものをいい、風営法の解釈運用基準(警察庁通達)によると、以下のようなものが全体の2割以上含まれているものであるとされる。

◇衣服を脱いだ人の姿態で、次に掲げるものーー。

  • 大腿部を開いた姿態
  • 陰部、臀部又は胸部を誇示した姿態
  • 自慰の姿態
  • 排泄の姿態
  • 愛撫の姿態又はこれを連想させる姿態
  • 緊縛の姿態

◇性的な行為を表す場面で、次に掲げるものーー。

  • 男女間の性交又は性交を連想させる行為
  • 強姦、輪姦その他のりょう辱行為
  • 性交類似行為
  • 変態性欲に基づく性行為

「性的な行為を表す場面」とは、性交、性交類似行為、自慰行為などが行われている場面をいい、「衣服を脱いだ人の姿態」とは、全裸または半裸など社会通念上、公衆の面前で人が着用しているべき衣服を脱いだ人の姿態をいう。

これらの映像を「専ら」(7〜8割以上)見せるもののことだ。デリヘルなどの性風俗店のサイトなどで、性的な行為などの映像があったとしても、全体の7割未満であれば、映像送信型性風俗特殊営業にあたらない。

「性的な行為を表す場面または衣服を脱いだ人の姿態の映像」は、一般的な映画などでも描かれるが、そのパートが占める割合が物語全体の7〜8割未満である場合は問題にはならない。

動画プラットフォームに配信する場合「シロ」は本当?

一時期、同人AVや個撮AV、ライブチャットを手がける人々の間で、『FC2』などのプラットフォーム側が風営法の映像送信型性風俗特殊営業の届出を出しているので、そうしたサービスを利用する者は、風営法が求める届出を出さなくてもいい、という誤解がまん延した。

結論から言えば、FC2などのプラットフォームを利用する場合でも、同人AV・個撮AV業者や、アダルトライブチャット事業者は風営法の映像送信型性風俗特殊営業の届出が必要だと考えている。風営法上、届出が必要なのは当該営業を「営むもの」と規定されており、営業の主体はプラットフォームではなく、業者だからだ。

風営法は、映像送信型性風俗特殊「営業」をしようとする者に届出を義務付けているので、実は「無料」でアダルト動画を視聴させるサイトは届出をする必要はない。ただし、無料であったとしてもその他の要素も含めて営業に該当すると判断されることはある。

アフィリエイト広告などの広告収入がある場合や、顧客誘引のために一定期間だけ無料にしているようなサイト、無料サイトから有料サイトへの誘導があり全体として見れば営利性が認められるような場合には、「営業」と判断されることも十分考えられるからだ。

これを同人AVなどとの関係でいえば、『Fantia(ファンティア)』などのファンクラブでの集客を見込んで、『pornhub(ポルノハブ)』などでは無料動画のみをアップロードするような場合、両者一体として営業と評価されることも考えられるだろう。

【若林翔】 グラディアトル法律事務所入所後、2013年から代表弁護士を務める。 ナイトビジネスのトラブル相談の豊富な経験を生かし初の著書『歌舞伎町弁護士』を出版。

  • この記事は、書籍発刊時点の情報や法律に基づいて執筆しております。
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歌舞伎町弁護士

若林翔
小学館新書

夜の街のルール、私がご案内しましょう。 欲望渦巻く新宿・歌舞伎町では、日々、多様な事件が起きている。 トラブルに遭った人も、ナイトビジネスの経営者も、窮地に陥った時の強い味方が「歌舞伎町弁護士」だ。 3000件以上の風俗トラブルを担当したのを始め、ナイトビジネスにまつわる依頼を数多く解決してきた弁護士が、「弁護士バッジ」越しに見る“日本一の歓楽街”の現在と未来―― さらに風営法改正、悪質スカウト問題、風俗合法化議論まで徹底解説する。

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