解決事例
遺産相続
全ての遺産を他の相続人に譲るとの遺言書が存在していたが、遺留分として2,500万円を獲得
相談前
■事例の背景と相談内容
依頼者の父が半年ほど前に他界。不動産・預貯金・有価証券を残し亡くなったため、相続が発生しました。母は父に先行して亡くなっていたため、相続人は依頼者と依頼者の兄の2人のみでしたが、一次相続(母の相続)についても遺産分割協議は未了の状態でした。
当初、依頼人本人が相手方(兄)と直接遺産分割交渉を行っていましたが、遺言書に全ての遺産を兄に譲るとあったため、自分が全ての財産を相続し家を守っていく、依頼人に対しては何も渡さないとの交渉で埒が明かず、納得がいかなかったため、当事務所に相談に来られました。亡母の一次相続も遺産分割協議が未了の状態であり、一次相続もまとめて依頼したいとのことでした。また、遺産の全容を相手方が教えてくれず、不動産や預金もどれくらいあるのか依頼人は全く把握できていないとのことでした。
相談後
■永岡法律事務所の対応と結果
相談を受けた後、まず遺言書の内容を確認し、公正役場から原本を取り寄せて内容を確認。同人に、名寄せや証券会社、銀行への照会を行い、不動産や有価証券類を把握するとともに、銀行の取引履歴について過去2年分全て開示を受け、使い込みがないか等を確認しつつ、遺産の総額を把握しました。不動産については、立地と近隣の取引事例も考慮し、依頼人に有利になるよう実勢価格を基準とした金額を前提とし、遺産の総額を出来る限り大きく見積もることにより依頼人の遺留分額が増えるように交渉いたしました。
そうして協議を重ねた結果、遺留分として2,500万円を取得することができました。 相手方は当初頑なに当方の提案を拒絶していましたが、このまま折り合いがつかなければ遺産分割調停や審判となる旨を丁寧に説明の上、説得を続けたところ、冷静に話し合いに応じてもらえたこともあり、任意の話し合いにより遺産分割が無事解決した事例となりました。
永岡 孝裕 弁護士からのコメント
遺留分を侵害する内容の遺言書を被相続人が残したために生じてしまったトラブルの典型例ともいえる事案です。
未だに、特に田舎の方では「すべて長男が引き継ぐべき」と考えてらっしゃる方も多く、そのような内容の遺言書が書かれているケースも非常に多く目にします。
このような事案については、対応方法やなしうる方法も確立しておりますので、ぜひご相談ください。
交渉に応じない他の相続人に対し遺産分割調停を申立てし、法定相続分より多くの額を獲得
相談前
■事例の背景と相談内容
依頼者の父は10年前に遺言書なく他界し遺産分割も未了でした。数年前に母も他界しました。依頼者の父母が不動産を残し亡くなった形になりましたが、母の相続時に、不動産を全て依頼者の兄に相続させる旨の遺言書があったため、不動産の帰属を巡り紛争となりました。依頼者自身は2人兄弟でしたが、戸籍の収集過程で異母兄弟1人もいることが発覚し、相続人は3人という状態でした。当初、依頼人本人が相手方である兄と直接交渉を行っていましたが、相手方は、自筆証書遺言があると言いながらその内容も見せず、依頼人に対しては何も渡さないとの態度であり、自身が把握する父母の遺産の詳細な開示にも一切応じなかっため、当事務所に相談に来られました。
相談後
■永岡法律事務所の対応と結果
相談を受けた後、まず、異母兄弟1人に対し、相続分譲渡の交渉をし、無事に無償での相続分譲渡を受けることができました。これにより、本来異母兄弟が相続するはずの分についても依頼人が相続することになりました。相手方に対しては、自筆遺言書の内容を確認しようとしましたが、相手方が一切応じなかったため、直ちに遺産分割調停を申立てしました。調停においては、相手方に全ての資料を提出させることができ、遺言書の内容についても早急に確認ができたことから、期日も2回目で調停成立に至り、正当な額にて遺留分侵害額の算定を含めた遺産分割を行うことができました。不動産については売却の運びとなりましたので、当方にて不動産業者を手配して直ちに売却の手はずを整え、迅速に売却を行い、早急な精算をすることができました。
永岡 孝裕 弁護士からのコメント
相手方が話し合いに応じない際、個人ではどうしてよいか分からなくなってしまうと思います。当事者間の話し合いが不可能であれば、その時点で弁護士に依頼して調停や訴訟等の法的手続の利用も視野に入れ、進めていくしかありません。
被相続人の財産状況が全く分からず、被相続人死亡の事実のみから開始した案件
相談前
■事例の背景と相談内容
依頼者の父は半年ほど前に他界。依頼者は父と長らく没交渉であったため、いかなる相続財産が存在するのか依頼者自身、全く不知の状態でした。依頼者は一人っ子であるが、異母兄弟が2名おり、依頼者父は生前異母兄弟らと生活していました。被相続人の死後、異母兄弟より依頼人に対して葬儀の場で「渡せる財産は何もない」旨の通知を受けましたが、依頼人は納得がいかず、せめて預金残高や不動産等の遺産の全容を把握したいとのことからご相談いただきました。
相談後
■永岡法律事務所の対応と結果
相談を受けた後、まず相手方である異母兄弟2名に対して相続財産に関する一切の疎明資料の提供を求めると共に、当職の方でも独自に、不動産や銀行の残高証明書を取得し、遺産の総額を把握しました。「渡せる財産は何もない」との話でしたが、実際には預金や株式が遺産として存在していることが分かりました。この事実を相手方に突き付けたところ、観念したようで全資料の開示を受けることができました。相手方曰く口頭での遺言があるとのことでしたが書面化されておらず有効なものではなかったので、無効である旨を説明し、法定相続分どおり遺産総額の3分の1を取得いたしました。
永岡 孝裕 弁護士からのコメント
遺産は何もないというセリフは相続ではお決まり文句であり、多くのケースでは金額の大小はあれど、きちんと調査すれば財産が出てくる場合が多いです。弁護士は受任事件の証拠や資料を収集、調査する権限を持っているため、相手の言うことに納得できない場合、まずはご相談ください。