隣の家がうるさい! 対処法や弁護士に相談するメリットを解説
隣の家からの話し声や物音などは、ある程度までは生活音として我慢する必要があります。しかし、度を超えてうるさいと、さすがに静かにしてもらいたくなるものです。
本コラムでは、隣の家がうるさい場合にどのような方法で静かにしてもらうのか、またその際に適した相談先はどこなのかを解説します。
1. 隣の家がうるさい! 静かにさせる方法は?
隣の家の人に静かにしてもらうには、まず直接頼みに行くことが考えられます。それによって解決すればよいですが、現実的には断られたり、その場では謝られても静かにはしてくれなかったりと、スムーズにはいかないものです。場合によっては恨みを買って、騒音が激しくなる、トラブルに発展する、などのおそれすらあります。
そこで次に、第三者への相談が考えられます。この方法を採る場合、ポイントとなるのは以下の2点です。
- どこから騒音が発生しているのかを特定すること
- 騒音が発生している証拠を第三者にもわかるような形で集めること
まずは、騒音の発生元を特定しましょう。話し声にせよ物音にせよ、どこから発生しているかを確定させる必要があります。そうしなければ、第三者を通じて隣の家へ静かにしてもらうよう頼んだとしても、「うちではありません」などとシラを切られてしまうおそれがあるからです。どの家から騒音が発生しているのか、できればその家のどの部屋からなのかまで特定することが求められます。
次に、騒音が発生している事実を示す証拠の収集です。具体的には、次のようなデータやアイテムが証拠となります。
- 騒音が発生した日時を細かく記録した手帳(一日だけでなく、一定期間)
- 騒音を録音したデータ(一日だけでなく、一定期間)
- ほかの近隣住民による「騒音があった」という証言
- 病院の診断書(騒音が原因で体調を壊したことが明記されているほうがいいです)
- 騒音による、一定期間の病院への通院実績
これらの証拠を集めた上で、以下で解説する第三者へ相談しましょう。
2. 不動産の管理会社・大家・自治体・警察に相談する
相手との直接交渉はトラブルを招くリスクがあります。そこで、隣の家を静かにさせられる立場にある第三者への相談を検討しましょう。具体的な候補としては、不動産の管理会社・大家・自治体・警察です。
(1)不動産の管理会社・大家
自分と隣人が同じアパートやマンションの住人である場合、まずは管理会社や大家へ相談してみましょう。管理会社や大家は、住人から賃料を受け取る代わりに、部屋の貸し出しにあたって通常の生活を営める環境を用意する責任を負っているためです。賃貸借契約の内容と騒音の程度によっては、契約解除や慰謝料・治療費などを請求できる可能性もあります。
(2)自治体(役所)
隣の家が出す騒音は、多くの場合「生活騒音」に該当します。これは生活に伴って必然的に生じる物音との区別が難しいため、法律や条例による規制はなされないのが一般的です。したがって、一部の自治体を除き、役所に苦情を持ち込んだとしても、直接的に隣の家を静かにさせてくれることはありません。ただ、役所では別の相談先を紹介してくれたり、騒音計を貸し出してくれたりする場合があります。騒音計は騒音の程度を証拠として集める際に便利です。
(3)警察
警察もまたご近所トラブルのような民事での争いには関わらないのが原則です(民事不介入)。しかし、騒音の程度によっては刑事事件にも発展する可能性が見込まれるため、注意などの対応をしてくれることがあります。このような場合には、騒音があるという証拠をそろえてから相談したほうがスムーズです。また、騒音によって体調を崩したことを示す診断書などがある場合、傷害事件として被害届を受理してもらえる可能性もあります。
3. 弁護士に相談する
騒音トラブルが耐えがたい場合や、隣人が話し合いに応じない場合には、弁護士に相談するのも手です。たとえばアパートやマンションであれば、弁護士に相談すると、証拠にもとづき管理会社や管理組合へ対応を申し入れてくれることで早期解決の期待がもてます。
また、隣人が話し合いに応じない場合は、裁判所への民事調停の申し立て、あるいは被害届の提出や告訴といった法的な手段について、専門的知見から適切なアドバイスを提供してくれます。
弁護士には、防音対策の実施や慰謝料の請求といった交渉・手続きを代理人として任せることも可能です。直接隣人とやり取りする必要がなくなるため、精神的・肉体的な負担を軽減できます。
弁護士が取れる手段は、大きく3段階に分けられ、警告文の送付、民事調停の申し立て、そして民事裁判へと進んでいきます。ただ、裁判にまで至ると、認められる慰謝料額が弁護士費用を下回るリスクもあるので注意しましょう。
隣の家との騒音トラブルは、直接交渉するよりも、証拠を集めて管理会社や警察といった第三者に相談する方が安全です。早期解決を目指す場合には、弁護士への相談も検討しましょう。
- こちらに掲載されている情報は、2024年06月18日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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