
労働問題に強い弁護士への無料相談|窓口と相談できる内容、流れ
パワハラ、不当解雇、賃金未払いなどの労働問題は、自分ひとりで抱え込むにはあまりに重いでしょう。そんなときに頼りになるのが、労働問題に強い弁護士です。無料で相談できる窓口もありますが、すべての弁護士が無料相談を実施しているわけではありません。ご自身の状況に合った相談窓口を選ぶことが大切です。
本コラムでは、無料で弁護士に相談できるケースや無料相談の方法、弁護士を選ぶためのポイントや相談の流れを解説します。
1. 労働問題で弁護士に相談すべきケース
弁護士にはあらゆる労働問題を相談できますが、ここでは、厚生労働省が公表した「令和5年度個別労働紛争解決制度の施行状況」に掲載されている特に相談の多い労働トラブル5つを紹介します。
主な労働問題 | 具体例 |
---|---|
①いじめ・嫌がらせ |
|
②自己都合退職 |
|
③解雇 |
|
④労働条件の引き下げ |
|
⑤退職勧奨 |
|
似たような悩みをお持ちであれば、遠慮なく弁護士に相談しましょう。
2. 労働問題で弁護士に無料相談する方法
ここでは、弁護士への無料相談が可能な主な相談窓口4つとそれぞれの特徴を紹介します。ただし、内容や事務所によっては、相談が有料となる場合もあります。無料相談は費用面でのハードルが低いため気軽に利用できますが、無料だからといって必ずしも自分の問題に最適なサポートが受けられるとは限りません。たとえば、相談時間が短いケースや、深い助言までは得られないケースもあります。内容によっては、専門的な対応や継続的な支援が必要となることもあるため、その点を留意して相談窓口を選ぶようにしましょう。
(1)弁護士への無料相談の手段別のメリットと留意点
①法テラス
法テラスとは、国が設立した法的トラブル解決のための総合案内所です。
法テラスでは、無料法律相談や弁護士費用・司法書士費用の建て替え制度を提供しています。ただし、利用するには収入または資産が一定以下でなければならない点には注意が必要です。
②弁護士会
「弁護士会」は、弁護士と弁護士法人を会員として構成される団体です。北海道に4つ、東京都に3つ、その他の府県に1つずつ弁護士会が設立されています。
弁護士会が定期的に開催している相談会に予約することで、無料相談が可能です。地域に根ざした弁護士を紹介してくれる点が魅力です。ただし、相談会の実施日時が限られており、希望日に相談できない可能性があります。
③各自治体の法律相談窓口
市役所・区役所などが住民向けに設置している相談窓口です。弁護士などの専門家を定期的に招待して、無料の法律相談を行っている自治体もあります。
予約なしで利用できる役所もあり、気軽に相談できる点が魅力です。ただし、対応するのが必ずしも労働問題を得意とする弁護士ではなく、専門的なアドバイスが受けられない可能性がある点には注意が必要です。
④法律事務所の無料相談
自分で弁護士を選んで、法律事務所に直接相談する方法もあります。
初回の法律相談を無料とする事務所もありますが、ケースによっては有料で対応している法律事務所もあります。たとえば、労働問題のなかでも専門性が高い相談(例:未払い賃金の請求など)では、相談内容に応じて費用がかかることもあります。
また、都合の良いタイミングで相談できる点がメリットですが、弁護士を自分で探す必要があります。
(2)早く相談したいなら法律事務所への相談予約がおすすめ
労働トラブルを抱えたままだと、精神的な負担が大きくなるでしょう。負担軽減のためには、相談までのスピードが早い窓口の利用がおすすめです。
以下、窓口ごとのスピード感を比較しました。
相談窓口 | 相談までのスピード | 補足 |
---|---|---|
①法テラス | △やや遅い | 事前審査あり。審査に数日〜1週間程度かかることも。 |
②弁護士会 | ◯普通 | Webフォームや電話で日程調整。空きがなければ数日〜1週間程度。 |
③各自治体の相談窓口 | △やや遅い | 毎月の相談日が限られており、直近は予約で埋まっている可能性あり。 |
④法律事務所の無料相談 | ◎すぐに相談可能 | Webフォームや電話で日程調整。当日〜数日以内に相談できることも多い。 |
4つのうち、「④法律事務所の無料相談」を利用するのが最もスピーディーです。担当弁護士の日程に空きがあれば、比較的早期に予約がとれることが多いからです。
スピード感を重視するのであれば、まずは法律事務所の無料相談を活用しましょう。
(3)よくある質問
ここでは、弁護士の無料相談に関するよくある質問をまとめました。似たような疑問をお持ちの方は、ここで疑問を解消してください。
Q1. 弁護士に無料相談する場合、何分程度話せますか?
A1. 一般的に30分〜60分が多いですが、事務所によって異なります。
Q2. 弁護士に相談すると必ず依頼しなければなりませんか?
A2. まずは相談だけでも問題ありません。弁護士からの話を聞いた後に正式に依頼するか決定しましょう。
Q3. アルバイトですが、相談できますか?
A3. アルバイトやパートも「労働者」なので、正社員と同じく相談できます。
3. 労働問題に強い弁護士を選ぶためのポイント
弁護士にも得意・不得意分野や個性があります。選び方次第で結果が大きく変わることがあるので、自分にあった弁護士を選びましょう。
ここでは、弁護士を選ぶうえでの主なポイントを5つ紹介するので、ご参考ください。
(1)労働問題に関する解決実績が豊富
労働問題の解決実績が豊富であれば、専門的な知識や経験を有しているといえます。事務所のホームページなどに目を通して、過去の解決実績を具体的に確認しておきましょう。
特に、弁護士が「労働者側」のトラブルにどれだけ関わってきたかを確認するのがポイントです。一概に労働問題といっても、相談相手が企業なのか労働者(従業員)なのかで対応のスタンスやノウハウが異なり、アドバイスの内容にも違いが出るからです。
(2)説明のわかりやすさ、コミュニケーション能力
説明のわかりやすさや、コミュニケーション能力も重要です。
労働問題の解決には、法律の理解が欠かせません。ところが、弁護士のなかには「条文どおり」の説明に終始する人もいます。良い弁護士は、難しい内容でもわかりやすく伝えてくれます。
たとえば、「これは労働基準法に違反しています。あなたには残業代の請求ができますよ」、「この部分は証拠が弱いので、まずは○○を集めてみましょう」といった具体的なアドバイスをくれます。
また、こちらが納得できるまで丁寧に話してくれるか、質問にもきちんと答えてくれるかといった点も確認しておきましょう。
(3)相性の良さ
法律の知識だけでなく、相性の良さも重要な要素です。実際に相談してみて、「この人なら本音を話せる」と感じられるかどうかを大切にしましょう。真剣に耳を傾けてくれる弁護士なら、安心して悩みを打ち明けられます。
(4)立地条件
1回の相談だけで解決する労働トラブルは少ないです。証拠の追加提出、相手との交渉、書類作成など、複数回のやりとりが必要になるケースもあるでしょう。そのため、事務所の立地も重要です。
「仕事帰りに立ち寄れるか」「最寄り駅から徒歩圏内か」「車でも通えるか」など、自分にとって都合の良い条件を踏まえて選びましょう。
(5)オンライン相談対応の有無
近くに労働問題に強い弁護士がいないときは、Zoomなどのツールを利用して全国の弁護士にオンライン相談する方法もあります。子育てや介護で時間がとれないときにも利用しやすく、顔を見ながら話せるので安心感もあるでしょう。
ただし、オンライン相談ができるかどうかは事務所によって異なります。予約の際に確認しておきましょう。
4. 弁護士に無料相談する際の流れ
法律事務所の弁護士に無料相談をする際は、以下のような流れで進むのが一般的です。
ただし、すべての法律事務所で無料相談ができるわけではないため、予約時に確認することが大切です。

ここから、各段階での対応事項を詳しく解説します。
(1)無料相談の予約をする
まずは、電話・メール・Webサイト・LINEなどから無料相談の予約をします。
(2)必要となる証拠を収集する
予約が取れたら、相談に向けた準備を始めます。限られた時間を有効活用するために、以下のような証拠を準備しておきましょう。
【労働問題を弁護士に相談する際に準備すべき証拠】
-
賃金未払い
雇用契約書と就業規則、賃金規定、給与明細など
-
残業代未払い
タイムカードや勤務時間記録、パソコンの稼働履歴、メールの送信記録、雇用契約書、賃金規定
-
労働条件の引き下げ
勤務記録、音声録音や動画、メール文面など
(3)面談日に相談をする
面談日になったら、弁護士に相談内容を詳細に説明します。事実関係を時系列で整理し、関係者や希望する解決方法を事前にメモしておくと、相談がスムーズに進むでしょう。
(4)委任契約を締結する
相談後に継続的なサポートを希望する場合は、正式に委任契約を結びます。費用や今後の進め方もここで確認します。
ここまで、弁護士への無料相談について解説しましたが、無料相談は気軽に利用できる反面、内容や対応の質に差が出る場合もあります。本格的に解決を目指すなら、「費用がかかってもなお信頼できる弁護士に相談する」という選択肢も、十分に検討すべき価値があります。
労働問題は放っておくと状況が悪化しやすく、精神的な負担も大きくなります。些細なことでも我慢せず、早めの相談を心がけましょう。
- こちらに掲載されている情報は、2025年06月27日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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斉藤 雄祐 弁護士
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