
【不当解雇】無料相談先まとめ|ケース別のおすすめ窓口と相談の流れ
会社から突然解雇を告げられたものの、不当に感じたことはありませんか?
正当な理由のない解雇は不当解雇に該当する可能性があります。不当解雇の該当性については、専門家へ相談して判断してもらうことが解決への第一歩となるでしょう。
本コラムでは、無料で相談できる窓口をケース別にご紹介し、それぞれの特徴や適した活用方法、相談をスムーズに進めるための準備や相談後の流れについても説明しています。
1. 不当解雇とは?その定義とよくあるケース
(1)不当解雇の基本的な定義
不当解雇とは、法律や契約で定められた要件に反して行われる解雇のことを指します。
解雇には主に以下の3種類があり、それぞれ特定の要件があります。要件を満たさない場合、不当解雇となります。
解雇の種類 | 概要 | 主な要件 |
---|---|---|
懲戒解雇 | 労働者の重大な規則違反による解雇 | ・就業規則に根拠があること ・解雇権の濫用に該当しないこと(労働契約法第16条) |
整理解雇 | 経営不振によるリストラ | ・高度な経営危機 ・解雇回避の努力 ・対象者選定の合理性 ・適切な説明 |
普通解雇 | 懲戒解雇・整理解雇以外の解雇(勤務態度・勤怠不良、他従業員とのトラブル、協調性欠如、能力不足など) | ・労働契約や就業規則上の解雇事由に該当すること ・解雇権の濫用に該当しないこと(労働契約法第16条) ・従業員へ解雇を通知すること ・解雇が制限される場合に該当しないこと(労働基準法第19条など) ・30日前の予告する、または30日分以上の平均賃金を支払うこと |
(2)よくある不当解雇の事例
不当解雇の典型的な事例として、以下のようなケースが挙げられます。
- (懲戒解雇)単純な仕事のミスをしただけで、労働者を懲戒解雇した。
- (整理解雇)経営危機に陥っていないにもかかわらず、労働者を整理解雇した。
- (普通解雇)1か月以内の復職が見込まれるにもかかわらず、病気による休職を理由に普通解雇をした。
2. 無料相談が有効な理由と利用できる窓口一覧
(1)無料相談を活用するメリット
無料相談を活用することで、早期に専門家の意見を得られる、無駄な争いを回避できるなどのメリットを享受できます。
不当解雇ではないかと感じたら、まずは無料相談窓口に相談してみるのがよいでしょう。
(2)【ケース別】不当解雇のおもな無料相談窓口一覧
不当解雇に関するおもな無料相談窓口の特徴を、相談ケース別に紹介します。
①労働基準監督署:行政的な解決を目指す場合
労働基準監督署は、労働基準法に基づき労働条件や安全衛生の改善・指導、労災保険の給付などを行う機関です。
労働基準法違反の指摘はしてもらえますが、トラブルの具体的な解決にはつながりにくい点に注意が必要です。
②総合労働相談コーナー:幅広い労働問題の相談に対応
労働基準監督署内に設置された相談窓口で、幅広い労働問題に対応しています。
相談内容や事案に応じて、解決方法を提示してくれますが、会社との問題を直接解決してくれるわけではない点に注意が必要です。
③労働組合やユニオン:加入者向けの支援
労働組合が会社との交渉を支援してくれる場合があります。
もっとも、スピード感は組合により異なる点、そもそも機能していない場合もある点に注意が必要です。
④法テラス:収入が一定基準以下の人向け
収入が一定基準以下の人が利用できる公的な法律相談サービスです。弁護士費用の立替え制度もあるため、金銭的な負担が重い人に特に有用です。
もっとも、利用するためには収入や資産が一定基準以下でなければならない点には注意が必要です。
⑤弁護士相談:法的対応を検討する場合の最適解
無料相談を受けている法律事務所もあります。
不当解雇問題で最も適切な対応が期待できるのが弁護士相談です。法的視点からの助言を受けられるだけでなく、調停や裁判を視野に入れた解決策を提案してもらえます。
3. 無料相談の準備と実際の相談の流れ
無料相談窓口を有効活用するためには、事前準備と相談後の適切な対応が重要になります。
(1)相談前に準備すべきこと
無料相談で有益なアドバイスを受けるために、以下のポイントを準備しましょう。
①解雇通知書や解雇理由証明書を準備する
解雇通知書や解雇理由証明書は、不当解雇であることを証明する重要な資料となります。もし受け取っていない場合は、会社に対して発行を請求しましょう。
②就業規則を確認する
就業規則には解雇に関する規定が記載されているため、会社側の対応が適切だったかどうかを判断する手がかりになるので、内容をしっかりと確認しましょう。
③自分の主張や事実関係を整理する
次のような内容を箇条書きでまとめておくと、相談がスムーズに進みます。
- 解雇された日時と経緯
- 解雇理由として提示された内容
- 自分が考える解雇の不当性
- これまでの勤務状況や会社とのやり取り
④証拠を準備する
解雇の不当性を裏付ける証拠を可能な範囲で収集しておきましょう。具体例は、以下のとおりです。
- 雇用契約書や給与明細
- メールやメッセージのやり取り(解雇通知や理由に関する内容)
- 勤務時間、残業代算定のための残業時間や業務内容の記録
- 同僚や第三者の証言(メモや録音も含む)
(2)無料相談の具体的な流れ
無料相談後の具体的な流れは以下のとおりです。
①労働基準監督署や法テラスへの相談の場合
労働基準監督署へは窓口や電話で相談し、必要に応じて会社に是正勧告を出してもらう手続きに進むことが可能です。
法テラスへは予約を取ったうえで面談することで、無料の法律相談が受けられます。
②弁護士への相談の場合
-
初回相談(多くは無料)
解雇の経緯や準備した証拠をもとに、弁護士がアドバイスを提供します。
-
事実調査
不当解雇に該当するかを確認し、解決に向けた方針を決定します。
(3)無料相談後に取るべき次のステップ
まずは労働者と会社との話し合いを進めます。早期解決が可能な場合、この段階で問題が解決することもあります。
和解交渉が成立しない場合は、労働審判による解決を目指し、労働審判でもまとまらない場合に訴訟に移行するか、もしくは労働審判を経ないで訴訟提起することになります。
4. 弁護士に相談するメリットと依頼のポイント
不当解雇を受けた場合の相談先はさまざまありますが、中でも多くのメリットを享受できる弁護士に相談するのがおすすめです。
(1)弁護士に相談する3つのメリット
弁護士に相談するメリットとしては、大きく3つが挙げられます。
①勤務先との交渉を任せられる
不当解雇の問題では、勤務先との直接的な交渉が避けられません。しかし、当事者同士の話し合いでは感情的になりやすく、解決が難航することもあります。
弁護士が間に入ることで、冷静かつ専門的な交渉が可能となり、お互いに合意しやすくなることが期待できます。
②証拠収集がスムーズ
不当解雇を証明するには、必要な証拠をそろえることが不可欠です。
弁護士は、どのような証拠が有効か法的観点から判断して、収集方法について的確なアドバイスをするので、証拠収集がスムーズに進みます。
③労働審判や訴訟で有利に進められる
万が一労働審判や訴訟に発展した場合でも、弁護士がいれば専門的な対応を一任して、労働者にとって有利となるよう進めてくれます。
(2)弁護士費用の種類と目安
弁護士費用の目安は、以下のとおりです。
- 相談料:1時間1万円程度(無料の場合あり)
- 着手金:30万円程度
- 成功報酬:解決金額の10~20%程度
- その他の費用:裁判所までの交通費、書類作成費用などの実費負担
もっとも、費用は法律事務所ごとに異なるため、見積もりを事前に取得するのがおすすめです。不明点があれば遠慮せずに質問し、納得したうえで契約を結びましょう。
(3)労働問題に強い弁護士を選ぶポイント
労働問題に強い弁護士を見つけるにあたっては、以下の3つのポイントを意識するとよいでしょう。
①専門性の確認
弁護士にも得意・不得意分野が存在します。労働問題に関する経験が豊富な弁護士を選ぶことで、適切かつ迅速な対応が期待できます。
②初回無料相談の活用
多くの法律事務所では初回無料相談を実施しています。無料相談を上手く活用して、弁護士の対応や説明の分かりやすさを確認しておきましょう。
対応に納得できない点がある場合、ほかの弁護士に相談するのもひとつの方法です。
③評判のチェック
インターネットや口コミを参考にし、評判の良い弁護士を選ぶと安心です。
労働問題に強い弁護士の力を借りて、不当解雇問題を適切に解決しましょう。
- こちらに掲載されている情報は、2025年03月24日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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