解雇予告に納得できない方へ! 労働基準法上の解雇で知っておきたいこと
  • 2021年04月05日
  • 労働問題

解雇予告に納得できない方へ! 労働基準法上の解雇で知っておきたいこと

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

突然の解雇予告は、労働者にとってショッキングなものだと思います。しかし、過度に悲観的になる必要はありません。

あなたに懲戒解雇の事由がある、あるいは会社が倒産寸前の状態でもないかぎり、その解雇予告は労働基準法など労働関連法令上の要件を満たさず、無効となる可能性があるのです。

本コラムでは、予告された解雇が不当解雇であるときにとるべき対応についてご説明します。

解雇予告を受けたときにしてはいけないこと、すべきこと

(1)退職届は安易に提出しない

もし会社から解雇予告を言い渡されたとしても、解雇の理由に納得がいかない場合は、簡単に退職届の提出に応じないようにしてください。なぜなら、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない解雇は無効になるためです(労働契約法第16条)。

(2)解雇理由証明書の発行を請求する

解雇予告を言い渡されたときは、会社に対して労働基準法第22条で規定する「解雇理由証明書」の発行を請求してください。解雇理由証明書には退職の理由、解雇の場合であれば解雇に至った理由が記載されています。

もし解雇理由証明書に記載されている解雇理由がわかりにくい、あるいは納得いかない場合は、あなたを解雇する理由を会社からしっかりと聞き出してください。

(3)記録を付ける

解雇を通告されたときのやり取りに関する記録は、しっかりと残しておいてください。

記録としてはEメールや書面、録音が望ましいのですが、そのようなものがない場合は解雇を通告されたときの記憶が薄れないうちに記録を付けておきましょう。このような記録は、不当解雇をめぐり会社と訴訟とになった場合に、有力な証拠となり得ます。

不当解雇が疑われるケースとは?

会社から解雇予告を受けたら、まず会社やあなたの状況が以下のようなものか、よく確認してください。

  • 社員を解雇する客観的な必要性や、やむを得ない事情は生じているか。
  • 解雇予告は、解雇する日の30日以前に行われているか。そうではない場合、30日分以上の平均賃金が支払われているか(労働基準法第20条)。
  • 社員の解雇を防ぐための手立てを、会社は尽くしていたか。
  • 整理解雇(リストラ)の一環による解雇の場合、対象となる社員の勤続年数やスキル、能力などの基準は明確か。また、その運用に合理性はあるか。
  • 会社は社員を解雇する理由や退職条件の説明を十分に行っているか。
  • 社員の病気やケガが解雇の理由である場合、それは業務に耐えられない程度のものか。
  • 社員の能力やスキルの低さを解雇の理由としている場合、会社による社員の能力やスキル向上のための指導はあったか。また、会社が解雇の理由としている能力やスキルの低さが、業務を遂行できない程度のものか。

上記は労働関連法令や過去の判例などに基づく、会社が社員を解雇するときのチェックリストのような意味合いもあります。これらに何も当てはまらないようであれば、会社による不当解雇を疑ったほうがよいかもしれません。

不当解雇の場合は弁護士に相談

弁護士はあなたのパートナー

あなたが会社と争うことは、個人で組織と争うことを意味します。そして会社は、人事部門を中心に組織として解雇などに関するノウハウや労働関連法令に関する知識を持っているものです。もしかしたら、解雇のためのマニュアルを作ったうえで解雇に臨んでいる可能性もあります。

用意周到な相手では、あなたが不利な立場になりかねません。したがって、会社と争うときはあなた自身もしかるべきフォーメーションを組むべきなのです。そのフォーメーションに加えるべきメンバーが弁護士です。

労働問題に知見があり、トラブルの解決に実績のある弁護士であれば、あなたが受けた解雇が不当解雇であるか否かを見極め、不当解雇である根拠を明確化してくれます。これが、会社と争うための第一歩になります。

また弁護士は法律であなたの代理人となることが認められています。法的な知見と労働問題の解決に関する経験を活かしながら、弁護士は会社に対して解雇の無効について交渉できるのです。

裁判における手続きもサポート

会社と労働審判、さらに訴訟になった場合でも、弁護士はあなたの代理人として裁判上の手続きを行います。

しかし、会社と争おうとしても証拠を集めることができない、あるいは不当解雇の事実を隠したい会社側によって、証拠の隠ぺいなどを行われる可能性があります。

このようなとき、弁護士は裁判所に対して「証拠保全」の申立てを行います。証拠保全とは、訴訟等に先立ちあらかじめ証拠調べをしておかないと、証拠を使用することが困難となる事情があると認められる場合に、本来の証拠調べに先立ち裁判所が証拠調べを行う手続きです。

証拠保全の申立てが裁判所に認められると、裁判所は会社に証拠の開示・提出を求めます。なお、証拠保全は必ずしも法的に強制力のあるものではありません。しかし、証拠保全による証拠の開示・提出は裁判所が求めることですから、会社がそれに応じる可能性は十分にあるでしょう。

不当解雇を予告されたときは、決して泣き寝入りする必要はありません。弁護士と相談しながら、あなたにとって最善の解決方法を見つけることをおすすめします。

弁護士JP編集部
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