書き込み相手を特定する方法は? 法的手続き
  • 2022年05月22日
  • インターネット

書き込み相手を特定する方法は? 法的手続き

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

平成28年版の情報通信白書によると、どの年代でもインターネットショッピングを利用するにあたって70~80%の人が口コミ・レビューを参考にしていることが判明しています。いまでは、ショッピングに限らず、飲食・美容・医療など、さまざまなサービスを選択するうえで口コミの存在は欠かせません。

それゆえに、インターネット上で悪評が立ってしまうと、実際の経営にも多大な影響を及ぼしてしまいます。口コミとして悪質な書き込みがあれば、人物を特定して責任を追及したいと考えるのが当然です。

今回は、インターネットにおける書き込み相手を特定する方法を解説します。

1. 悪質な書き込み主を特定する方法は?

口コミやレビューをみると、ほとんどがユーザーネームやハンドルネームで投稿されています。また、氏名を使って書き込んでいる投稿も見受けられますが、果たしてそれが本名であるのかも確実ではありません。

悪質な書き込み主を特定する方法はあるのでしょうか?

(1)匿名の書き込み主でも特定は可能

インターネット上で口コミ・レビューなどを書き込んで公表する場合、書き込み主は必ずどこかのインターネット回線を利用してアクセスしています。たとえ匿名を使ってどこの誰なのかが特定できないようにしていても、書き込みの足あとやどの回線を利用したのかをたどれば、書き込み主の特定は可能です。

ただし、スマートフォンや自宅のパソコンを操作して特定できるわけではありません。

裁判所の手続きを利用した「発信者情報開示請求」が必要です。

(2)発信者情報開示請求とは

発信者情報開示請求とは、プロバイダ責任制限法第4条にもとづく手続きです。

インターネットによる情報の流通によって自分の権利を侵害された者が、サイト管理者やインターネットプロバイダといった事業者に対して「発信者の情報を開示してほしい」と求める手続きを意味します。

発信者情報開示請求によって情報開示を受けられるのは、次の2つの条件のうち、いずれかに該当しなければなりません。

  • 権利侵害が明らかであるとき
  • 損害賠償請求をおこなうなど、発信者情報の開示に正当な理由があるとき

たとえば、書き込みが名誉毀損罪や侮辱罪などの犯罪に該当する場合や、これらの書き込みによって経済的な損害を受けたため慰謝料などの賠償金を請求したい場合に利用できます。単に「どこの誰なのか知りたい」というだけでは発信者情報開示請求は認められません。

2. 発信者情報開示請求の流れ

発信者情報開示請求では、裁判所の手続きを利用します。

(1)サイト管理者に対するIPアドレスなどの開示請求

まずは犯罪や権利侵害にあたる口コミ・レビューが書き込まれたサイトの管理者に対して、投稿のIPアドレスなどを開示するよう請求する訴えを起こします。

サイト管理者がIPアドレスなどの情報を保管している期間はサイトごとに差があり、90日程度で削除してしまうところから、1年近く保管しているところまであります。ただいずれにしても、時間が経ってしまうと情報が削除されてしまいます。そのため、この段階では迅速に情報開示を受けるために「仮処分」を用いて情報を保全するのが一般的です。

(2)インターネットプロバイダに対する契約者情報の開示請求

IPアドレスなどの情報を入手できれば、書き込み主が利用したインターネットプロバイダがわかるので、インターネットプロバイダに対して正式な裁判を起こし、契約者情報の開示を請求します。

インターネットプロバイダは書き込み主が利用したインターネット回線の契約者の住所・氏名といった情報をもっているので、悪質な書き込み主がどこの誰なのかが判明するわけです。

(3)発信者情報開示請求は弁護士のサポートが必須

発信者情報開示請求は裁判所の手続きを利用したものであり、個人からの請求では受け付けないというわけではありません。

ただし、最低でもサイト管理者・インターネットプロバイダという二段階での開示請求が必要であり、書き込み主が格安SIMなどを提供するMVNOを利用していた場合は別途の開示請求を要するため、手間がかかります。

さらに、サイト管理者がIPアドレスなどの情報を保管している期間は限りがあるため、迅速に証拠を集めて手続きを進めなければ、書き込み主を特定できません。

個人で対応していると、発信者情報開示請求のために必要な証拠収集や裁判所に提出する書類をそろえるだけでも大変な労力になってしまうでしょう。

悪質な書き込み主を特定したいと考えるなら、ネット上のトラブルや発信者情報開示請求の実績が豊富な弁護士を探してサポートを依頼することをおすすめします。

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  • こちらに掲載されている情報は、2022年05月20日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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