掲示板やSNSの削除請求を弁護士に依頼すべき理由とは?
  • 2021年07月12日
  • インターネット

掲示板やSNSの削除請求を弁護士に依頼すべき理由とは?

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

インターネット掲示板や会員制交流サイト(SNS)における、誹謗中傷やプライバシー侵害を削除する方法はないかと検索していると、ウェブページの広告欄に「削除請求を代行します」「削除成功率99%、格安で削除可能」といった業者の広告が表示されることがあります。

掲示板やSNSにおける投稿や記事を削除したいのであれば、広告に表示されるような「削除代行業者」を利用してはいけません。必ず弁護士に依頼してください。
今回は、なぜ削除代行業者ではなく、弁護士に依頼するべきなのかについて解説したいと思います。

1. 一般的な削除請求の流れ

掲示板やSNSなどによって若干の違いはありますが、任意の削除請求は一般的に次のような流れで進みます。

  • サイト管理者に対して削除依頼フォームやメールから削除を求める
  • サイト管理者が各サイトのポリシーに違反していないかを検討する
  • サイト管理者が検討した結果、削除が相当とされた場合に投稿や記事が削除される

全体的な流れでみた場合、依頼主がすべきことは「削除を依頼する」という作業だけです。「通報」などのかたちで、必要項目を入力するだけの削除依頼フォームを用意しているサイトであれば、この作業自体はさほど難しくはないでしょう。

ただし、削除請求に応じるか、それとも応じずそのまま掲載を続けるのかの判断は、すべてサイト管理者に委ねられています。削除してくれないからといって理由の説明を求めても、詳しい理由を教えてくれるサイトは、ほとんどないでしょう。

しかも、何度も削除請求をしていると、その行為自体が「嫌がらせだ」「攻撃的だ」とサイト管理者に受け止められてしまうこともあるので注意が必要です。

サイト管理者が削除請求に応じてくれない可能性があるということを念頭におけば、サイト管理者に削除を依頼するのと同時に、法的措置を進めることも検討するべきといえます。

2. 削除請求を弁護士に依頼するべき理由

インターネット上の投稿・記事を削除したい場合は、弁護士へ依頼することをおすすめします。

  • 格安で済ませたいから、削除代行業者を利用したい
  • 自分はネットに詳しいので、自分で対応できそうだ

このように考えることもあるかもしれません。しかし、トータルで考えると、やはり弁護士に依頼したほうが確実な解決が期待できるでしょう。

(1)掲示板・SNSごとにルールが違っているので難しい

削除請求を受けたサイト管理者は、それぞれが独自に設けているポリシーに従って慎重に審査します。削除依頼フォームへの入力自体はさほど難しいものではありませんが、各サイトのポリシーをしっかりと理解して、どのようなポリシー違反にあたるのかを具体的に指摘しなければ削除に応じてくれません。また、権利侵害がある場合には、法的な視点をもって事実の指摘を行う必要があります。

これまでに削除請求の経験がある弁護士であれば、法的な観点はもちろんのこと、サイトごとのポリシーを十分に理解したうえで削除を申請します。
そのため、「削除依頼フォームに必要項目を入力して送信する」という方法で弁護士がサイト管理者に対して削除を依頼したとしても、申請内容について自らの申請と比べると格段に高い説得力があるのです。

(2)弁護士からの要請なら削除に応じるサイトもある

『5ちゃんねる』『2ちゃんねる』など一部のサイトでは、これまでの削除請求の実績から「リーガルマインドを持った弁護士」と認める弁護士からの要請であれば削除に応じるという姿勢を示しています。
つまりサイトによっては、正当な理由を示したうえでリーガルマインドを持った弁護士が要請を行えば削除が実現できる可能性があるのです。

(3)法的手段による削除が可能

サイト管理者がフォーム・メールからの削除請求に応じてくれない場合は、法的手段での削除を検討することになるでしょう。

まず考えられるのが、プロバイダ責任制限法を根拠とした「ガイドラインに基づく削除請求」です。
テレコムサービス協会が用意している書式に従って申請書類を作成する方法なので、個人での対応も可能です。
ただし、ガイドラインに基づく削除請求は、サイト管理者から投稿者本人に意向を確認し、その回答内容をサイト管理者が検討した上で削除される方法です。つまり、相手が削除を拒否した場合やサイト管理者が削除は適切ではないと判断した場合には削除されないおそれがあります。

より確実な法的手段は、裁判所への仮処分の申立てです。
仮処分とは、権利侵害によって生じた著しい損害や急迫の危険を回避するための措置で、裁判所が仮処分命令を下せば、ほとんどのサイトはこれに従って削除に応じます。

仮処分の申立て自体は個人でも可能ですが、具体的な侵害されている権利の内容や申立ての理由を明らかにしなければなりません。

侵害されている権利の内容や申立ての理由の記載には法律の知識が必要なので、弁護士に依頼して行うのがよいでしょう。

(4)加害者の特定と損害賠償請求も依頼できる

ネット上の誹謗中傷やプライバシー侵害などでは、加害者がハンドルネームやアカウント名しか明らかにしていないため、どこの誰が加害者なのかを特定できないことが少なくありません。
加害者を特定するためには、裁判所の手続きを利用した『発信者情報開示請求』が必要です。

発信者情報開示請求の手続きにおいても、侵害されている権利の内容や申立ての理由を明らかにしなければならず、法律の知識が必要となるため、弁護士に依頼して行うのがよいでしょう。
加害者が特定できれば、慰謝料の支払いを含めた損害賠償請求も可能となります。「削除だけでなく責任も追及したい」と望むなら弁護士に依頼して進めたほうがスムーズでしょう。

(5)削除代行業者は違法

広告などで見かける「削除依頼代行業者」のほとんどが違法業者の可能性があります。

ネット上の投稿や記事の削除は、本来、被害を受けた本人しか請求できません。これらの対応を有償で代行できるのは弁護士だけです。

削除代行業者は、あらゆる手段で削除申請を行いますが、業者からの申請だと分かれば、サイト管理者は「適法な請求ではない」と判断して削除に応じてくれません。
また、削除代行業者に頼んだものの、削除に失敗し責任を追及できなかったにもかかわらず、「ほかの方法で削除するには追加費用がかかる」などと言って、さらに支払いを求められてしまうケースも少なくありません。

低価格につられて違法な削除代行業者を利用しても、解決は期待できないでしょう。ぜひ弁護士へご相談ください。

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  • こちらに掲載されている情報は、2021年07月09日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。