留学生の労働時間に制限はある? 注意事項も解説
外国人留学生でも、出入国在留管理庁の許可を得れば、日本で働くことが可能です。
しかし、留学生の労働時間や働く職種は、出入国管理法で制限されています。不法就労によるペナルティを避けるためにも、出入国管理法における労働のルールを理解しておきましょう。
今回は、留学生の労働時間に関するルールなどを解説します。
1. 留学生の労働時間に関する制限
永住者やその配偶者等、日本人の配偶者等、定住者を除き、日本に在留する外国人は、原則として在留資格によって認められた活動しか行うことができません。
留学生は原則として労働不可とされていますが、出入国在留管理庁長官の許可を得ることにより、一定の時間内に限り労働することが認められます。
(1)日本での労働には「資格外活動許可」が必要
留学生の場合、教育機関で教育を受けることが活動内容とされており、日本国内での労働は原則として認められません。ただし、出入国在留管理庁長官の「資格外活動許可」を受けた留学生は、例外的に労働が認められます(出入国管理法第19条第2項)。
なお、資格外活動が認められるのは、以下のうちいずれか先に到来する日までです。期限の到来以降も日本での労働を続けたい場合には、許可の更新を受ける必要があります。
- 許可の日から6か月後の日
- 現に有する在留資格の在留期間の満了日
(2)労働は原則として、週28時間以内
資格外活動許可によって認められる日本国内での労働は、原則として週28時間以内に限られます(出入国管理法施行規則第19条第5項第1号)。
労働基準法第32条第1項では、法定労働時間が週40時間以内と定められていますが、留学生の労働時間は、それより短い週28時間以内です。そのため、留学の在留資格でフルタイム勤務を行うことはできず、必然的にパートやアルバイトなどとして働くことになります。
もし日本国内においてフルタイムで勤務したい場合は、留学ではなく、職業に応じた在留資格を取得しましょう。
(3)長期休暇中は1日8時間まで労働可能
ただし、留学生については例外的に、在籍する教育機関が学則で定める長期休業期間中に限り、1日8時間を上限に労働することが認められています。
したがって、夏休み・冬休み・春休みなどの間は、日本国内においてフルタイムで働くことも可能です。長期休業期間の定めは教育機関によって異なるので、学則の規定をご確認ください。
2. 留学生が日本で働く際に注意すべき事項
留学生が日本で働く際には、働いてはいけない業種があることと、労働時間の上限を超過すると不法就労に当たることに注意が必要です。
(1)働いてはいけない職種がある
資格外活動許可に基づいて日本国内で労働する留学生は、以下に挙げる職種に就くことが禁止されています。
①以下の営業が営まれている営業所にて行うもの
- 風俗営業(接待のある飲食店、照度10ルクス以下の飲食店、見通し困難かつ5平方メートル以下の客席を設けた飲食店、射幸的な遊戯をさせる店舗)
- 店舗型性風俗特殊営業(ソープランド、店舗型ヘルス、ストリップ劇場など)
- 特定遊興飲食店営業(午前0時以降午前6時までの間に営業するナイトクラブなど)
②以下の営業に従事するもの
- 無店舗型性風俗特殊営業(デリバリーヘルスなど)
- 映像送信型性風俗特殊営業(アダルト動画の配信など)
- 店舗型電話異性紹介営業(店舗型テレクラなど)
- 無店舗型電話異性紹介営業(無店舗型テレクラなど)
なお性風俗関連の営業については、留学生は実際に客を接待することだけでなく、その他のスタッフとして勤務することも禁止されている点にご注意ください。
(2)労働時間の上限を超過すると不法就労活動に当たる
留学生が禁止されている職種で働いた場合や、労働時間の上限を超過した場合には、出入国管理法に違反する不法就労活動に当たります(出入国管理法第24条第3号の4)。
不法就労活動をした外国人労働者は、日本からの退去を強制される可能性があります。入国警備官による違反調査の後、入国者収容所に収容され、最終的には国籍または市民権のある国などへ送還されます。
退去強制を受けると、日本での留学継続が不可能になるだけでなく、退去日から5年間は日本に入国することができません(同法第5条第1項第9号)。友人関係なども途絶してしまうおそれがあるので、留学生アルバイトの方は、出入国管理法に基づくルールをきちんと守ったうえで労働を行ってください。
- こちらに掲載されている情報は、2023年01月19日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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