遺産分割協議でのよくあるトラブルと弁護士に依頼した場合のメリット
  • 2021年04月05日
  • 遺産相続

遺産分割協議でのよくあるトラブルと弁護士に依頼した場合のメリット

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

相続には、さまざまなイベントがあります。そのうち、もっともトラブルが発生しやすいといわれているイベントが、「遺産分割協議」です。
遺産分割協議は相続が発生してから比較的早期に行われるため、そこで発生したトラブルは後続の相続手続きに大きな影響を及ぼしかねません。したがって、遺産分割協議でトラブルが発生した場合は、弁護士と相談しながら早期の解決を目指すことがおすすめです。

遺産分割協議とは

人が死亡すると同時に、相続が発生します。そして相続人は、被相続人(亡くなった人のこと)の一身に専属したものを除く、財産や権利義務を遺産として相続します。

相続人が1人であれば、遺産は一括してその相続人が包括承継するので比較的簡単です。

一方で、相続人が複数いる場合は共同相続となり、相続財産は共同相続人が共同所有(共有)することになります。この共有状態を解消し、相続人それぞれが自己の名義で遺産を所有するため、遺産分割を行います。このとき、誰が・何を・どの割合で相続するか、相続人間で話し合って決めることが「遺産分割協議」です。

もし、何らかのトラブルにより遺産分割協議がまとまらないときは、各共同相続人の請求により家庭裁判所が遺産分割の調停・審判手続を行い、分配方法が決定します。(民法第907条第2項)

遺産分割協議で起こりうるトラブル

(1)相続割合

もっとも起こりやすいと考えられるトラブルは、相続割合をめぐるものです。

相続人のなかには、自身の利益を最大化するために少しでも多い相続割合を主張する人もいます。つまり他の相続人と利害が対立してしまうため、いつまでも遺産分割協議がまとまらず、たとえ親族どうしであろうと関係が著しく悪化してしまうことがあります。

また、相続割合をめぐっては、特別受益(特定の相続人が被相続人から受けていた特別な利益)や、寄与分(他の相続人と比較して被相続人の財産形成や介護に貢献していたことに対する遺産の上乗せ)が論点となることもあります。

(2)遺産や相続人の調査不十分

遺産分割協議は原則として被相続人の全財産が対象となり、そして相続人全員の合意のもと成立させなければなりません。それにもかかわらず、遺産分割協議がまとまったあとから新たな財産が見つかった、あるいは遺産分割協議が一部の相続人を欠いた状態で行われたとします。この場合、遺産分割協議そのものが無効になることがあります。

(3)利益相反

このほか、相続人に未成年者とその親権者がいる場合は、「利益相反」というトラブルが発生する可能性があります。

未成年者は、父母つまり親権者の親権に服します(民法第818条)。そして親権者は、未成年者である子どもの財産に関する法律行為を代表すると定められています(民法第824条)。このため、親権者と未成年者がともに相続人である場合、親権者が未成年者を代理すると、わざと未成年者の相続分を少なくしてしまう可能性があります。これが、遺産分割協議における利益相反です。

そのような事態を防ぐために、民法第826条では遺産分割協議において親権者も相続人となる場合、親権者は未成年者を代理することを禁止しています。そして、未成年者のために、親権者の代わりに家庭裁判所に請求して特別代理人を選定することが定められています。

なお、この利益相反を防ぐための特別代理人の選定は、親が相続人でなくても相続人として複数の未成年者がいる場合、成年後見人と成年被後見人が同時に相続人となった場合も必要とされます。さらに、特別代理人が必要であるのにもかかわらず、それを欠いて成立した遺産分割協議は、基本的に無効となります。

遺産分割協議の期限

遺産分割協議の成立は、特に期限が決められているわけではありません。しかし、相続税の申告・納付期限は「被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内」と決まっています。

上記のようなトラブルのため遺産分割協議がまとまらない状態で相続税の申告・納付期限が到来すると、いったんは法定相続割合で相続したものと仮定してその割合に応じた相続税を支払います。しかし、遺産は依然として共有状態にあるため、納税のために自由に使うことができません。そのため、相続税の納税資金の確保に影響が出てしまう可能性があるのです。

このことから、遺産分割協議に関するトラブルはなるべく早く決着させる必要があります。そのためには、弁護士に相談することがおすすめです。相続に関する知見を持ち、トラブルの解決に実績のある弁護士であれば、相続発生時における相続人や相続財産の調査、さらにあなたの代理人としてトラブルの相手方となっているほかの相続人との交渉や調停・審判の手続きを行うことができます。

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