娘・息子からの家庭内暴力が止まらない…その原因と解決方法
小さいころは素直で聞き分けのよかった子どもであっても、成長するにつれて親に対して反抗的な態度をとることがあります。子どもの成長に伴う反抗期であれば誰でも経験するものですが、中には家庭内暴力にまで発展するケースも存在します。
子どもの親に対する家庭内暴力が起きてしまう原因には何があるのでしょうか。また、家庭内暴力が起きてしまった場合には親としてはどのようなことができるのでしょうか。
今回は、家庭内暴力の原因と解決方法について解説します。
1. 子どもが家庭内暴力を振るう原因
家庭内暴力とは、家庭内で行われる暴力のことをいい、息子や娘から母親に対してなされる暴力がもっとも多くなっています。このような家庭内暴力が起きる原因としては、以下の原因が考えられます。
(1)親に対する反抗
親が子どもに期待するあまり、親の考えや価値観を押し付けるなどの過干渉によって、子どもがストレスを感じることがあります。また、反対に、子どもの自発性を重んじるあまりに子どものことを放置しすぎてしまうと子どもが疎外感を抱いてしまうことがあります。
このような親の過干渉・無関心があると、子どもが自分の気持ちを素直に表現することができずに、暴力という手段に出てしまうこともあります。
(2)社会生活でのストレス
学校での勉強や友人関係がうまくいかずに、ストレスを抱える子どもも少なくありません。それにもかかわらず、学校に行かなければならないというプレッシャーや親からの期待を受けていると蓄積したストレスが爆発し、親に対して暴力を振るってしまうことがあります。
(3)発達障害や精神疾患
子どもに発達障害や精神疾患などがある場合には、その特性に応じた対応をしてあげなければ、自分の気持ちを理解してもらえないというストレスから家庭内暴力が生じることがあります。
2. 子どもからの家庭内暴力を解決するために親ができること
息子や娘からの家庭内暴力を解決するためには、親としては以下のような対処法を検討しましょう。
(1)子どもが落ち着くまで見守る
子どもが親に対して暴力を振るった場合、親としても感情的になってしまい、大声で叱ってしまったり、暴言を吐いてしまったりすることもあります。
しかし、子どもが親に対して暴力を振るう原因には、親に対して自分のことを理解してほしいという気持ちがある場合もありますので、そのような対応をしてしまっては逆効果になることもあります。
暴力自体はいけないことであると子どもに言い聞かせることは必要ですが、話し合いをするのであれば、子どもが落ち着いてからの方が良いかもしれません。
(2)子どものストレスの原因を把握する
子どもは、家庭内や社会で様々なストレスにさらされており、成長段階に応じた葛藤を抱えています。子どものことを理解しているつもりでいたとしても、実は、子どもが抱えるストレスの原因について正確に理解している親は少ないです。
家庭内暴力を解決するためには、子どものストレスの原因を把握することも重要です。そのためには、時間をかけて子どもとじっくりと話し合うことが大切です。すぐに解決をしようと焦ってもそう簡単には解決できないでしょう。毎日少しずつ子どもと向き合う時間をとることで、少しずつ解決に進む可能性もあります。
3. 子どもからの家庭内暴力がやまない場合の相談先
家庭内暴力の問題は、親が一人で抱え込みがちです。一人では解決することができない場合には、以下のような機関に相談をしてみることも必要です。
(1)精神保健福祉センター
精神保健福祉センターは、精神保健福祉法によって各都道府県に設置が義務付けられている機関であり、思春期・青年期における精神医学的問題について知見のある専門の相談員が相談に対応しています。
相談員からは、具体的なアドバイスや専門の医療機関や相談機関に関する情報提供を受けることができます。
(2)児童相談所
児童相談所というと虐待を受けている児童を保護する機関というイメージを持たれる方も多いかもしれません。しかし、児童相談所では、虐待児童の保護だけでなく18歳未満の子どもに関するあらゆる相談を受け付けており、必要に応じて支援を行っています。
(3)医療機関
家庭内暴力の原因が発達障害や精神疾患にある場合には、専門の医療機関のサポートを受けながら解決していく必要があります。医療機関を受診することによって、子どもの障害に気付くきっかけになるかもしれませんので、精神保健福祉センターに相談して医療機関を紹介してもらうとよいでしょう。
(4)警察
息子や娘からの家庭内暴力がエスカレートして、身体や生命に対する危険が生じるおそれがある場合には、警察に相談をすることも検討しましょう。重大な事件が発生してからでは取り返しがつきませんので、「子どもを加害者にしたくない」「大ごとにしたくない」といった気持ちも十分に理解できますが、手に負えない場合には相談をしてみるようにしましょう。
- こちらに掲載されている情報は、2022年08月08日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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