家族同士のケンカが激しくなったとき警察を呼んだらどうなる?

家族同士のケンカが激しくなったとき警察を呼んだらどうなる?

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

家族内でも、気に入らないことや許せないことがあればケンカになってしまうのは仕方がありません。

口論で済んでいるうちは特に問題はないはずですが、どちらか一方が、またはお互いが暴力をふるう事態になれば、周囲の家族では止めに入るのも大変でしょう。

そんな事態に発展すれば「警察を呼ぼう」と考えるものですが、どうやって警察を呼べばよいのか、その後はどうなるのかが気がかりになっている方も多いはずです。

本記事では、家族同士がケンカになった場合に警察を呼ぶ方法やその後に起こりえることを解説します。

1. 暴力をふるわれたら110番を

警察への通報手段としてまず考えられるのが局番なしの「110番」です。

(1)緊急性が高い場合は「110番」

携帯電話・スマホ・固定電話のいずれからでも、局番なしの「110番」に架電すれば、24時間・365日、いつでも現在地を管轄する警察につながります。

警察官の現場臨場を求める際の緊急通報用電話なので、ケンカが白熱してしまい当事者の生命や身体に危害がおよぶおそれがある場合は、まよわず110番通報しましょう。

(2)警察署の代表電話と110番、どちらにするべきか?

家族同士がケンカしている状況では「とにかく早く警察官に止めてほしい」と焦ってしまうのも当然です。

二度手間になりそうなので、110番ではなく管轄の警察署の代表電話に通報したほうが早いのではないかと感じるかもしれません。

110番通報は、都道府県警察本部の通信指令課につながります。

詳しい状況を尋ねられるので焦りが増すかもしれませんが、110番を受理している係員とは別の係員がパトカーの現在地を確認しながら無線で司令を送っているので、実は聴取の間にも警察官が現場へと向かっています。

警察署の代表電話への通報だと、一刻を争う状況なのに電話交換を経る必要があったり、緊急性の低い通報や問い合わせのために回線がつながりにくくなっていたりするので、警察官の出動までのタイムラグが避けられません。

このように、通報受理から警察官出動までのシステムをみれば、警察署の代表電話に電話をかけるよりも110番通報をしたほうが素早い対応が期待できることがわかるでしょう。

2. 緊急でなくても警察に相談できる「#9110」とは

まさに今、その場で家族がケンカをしているのではなく、警察に「日ごろからケンカが絶えないので困っている」「いつかどちらかが怪我をしそうで心配だ」といった相談をしたい場合は、110番通報ではなく局番なしの「#9110」に電話をかけましょう。

#9110は警察相談の専用電話です。

緊急性が高い事件・事故の通報は110番通報で警察官の臨場を求めるべきですが、緊急性が低い相談は#9110を利用することで、専門の相談員によるアドバイスが得られます。

3. 警察を呼んだあと起こりえること

家族間のケンカで110番通報をして警察を呼ぶと、その後はどのような展開が待っているのでしょうか?

(1)当事者が厳重注意を受ける

たとえ家族同士であっても、殴る・蹴るといった暴力行為があれば暴行罪が、相手に怪我をさせれば傷害罪が成立します。

ただし、どちらが先に手を出したのかにかかわらず双方が暴力をふるっている場合や、暴行・傷害の程度がごく軽微で被害届を提出しない意思を示している場合は、特に事件にはせず、厳重注意を受けるだけで済まされる可能性が高いでしょう。

これまでに警察に通報したことがなければ、今後は「警察沙汰になってしまってはいけない」という意識が芽生えてケンカが減るかもしれません。

(2)悪質な場合は刑事事件となる

家族間であっても、一方的に暴力をふるって重症を負わせている、日常的に配偶者への暴力行為をはたらいている、女性・子どもといった弱者が対象になっているといったケースでは、刑事事件に発展することもあります。

一昔前までは「民事不介入」や「法律は家庭に入らず」などといわれていましたが、DV(配偶者からの暴力)や児童虐待はあとを絶ちません。

悪質なケースであると判断されて、加害者が逮捕・刑罰を受けるケースも少なからず存在します。

警視庁の管内では、令和2年中にDVを原因とした暴行・傷害などで814件が検挙されました。

家族間でのケンカでも、お互いが白熱してしまえば生命や身体に危害が加わる危険があります。

緊急性が高い場合はただちに110番通報を、アドバイスの教示を求めるなど緊急性が低い場合は#9110の警察相談を利用して解決を図りましょう。

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