学校裏サイトでトラブルに! 加害者・被害者がとるべき対応とは?

学校裏サイトでトラブルに! 加害者・被害者がとるべき対応とは?

弁護士JP編集部 弁護士JP編集部

多くの学校が公式サイトを開設して在学生・卒業生への情報を発信しているなか、非公式の「裏サイト」でのトラブルも多発しています。

学校裏サイトでは、学校・児童生徒・教師に対する誹謗中傷や個人情報の暴露などが横行しており、誰もが被害者にも加害者にもなり得るため、その存在は問題視されているところです。

子どもが学校裏サイトで加害者としてトラブルを起こしてしまった、あるいはトラブルに巻き込まれて被害者になってしまった場合は、どのように対応するべきなのでしょうか?

1. 「学校裏サイト」とは?

学校裏サイトとは、学校側が運営する公式サイトではなく、在学生・卒業生、そのほかの有志が開設する非公式のサイトです。

公式サイトのように専用のドメインを取得して開設するのではなく、多くは無料で利用できる掲示板サイトやSNSが活用されています。

また、掲示板サイトやSNSを利用すると無関係な第三者にも閲覧が可能になってしまうので、秘密のコミュニティーとしてパスワードを設定する、PCからのアクセスを遮断する、学校名で検索してもヒットしないようにするといった工夫をしているケースもあるようです。

平成20年に文部科学省が公開した調査結果によると、全国で3万8260もの学校裏サイトの存在が確認されたようです。

このなかから約2000件を抽出して内容を調査したところ、約50%のサイトに誹謗中傷にあたる表現が、約27%のサイトに暴力的な発言が見られたということです。少し古い調査結果ではありますが、現在でも学校裏サイトでは誹謗中傷や暴力的な発言が横行しており、トラブルに発展する事例も少なくありません。

なかには、攻撃のターゲットになってしまった児童生徒を自殺に追い込んでしまういたましいケースや、誹謗中傷が原因で不登校になってしまう、名誉毀損・脅迫・恐喝といった刑事事件に発展するといったケースもあるため、決して軽視できる問題ではないでしょう。

2. 子どもが加害者だったときの対応

学校裏サイトでは、自分の子どもが加害者になってしまうことがあります。

クラスメートや教師を誹謗中傷した、脅迫や恐喝をはたらいたといったケースでは、まずは投稿・書き込みを削除して、問題のある状態を解消しなくてはなりません。

さらに、事件化を回避するために被害者への謝罪と被害弁償を尽くさなければならないので、被害者となった児童生徒とその保護者との話し合いの場を設ける必要があります。

クラス担任などの学校関係者を仲介に話し合いを進めるとスムーズですが、学校側にトラブルを知られないほうがよい場合があるのも事実です。特に、受験前などできる限りトラブルを表沙汰にしないほうが子どもの将来のために有効な場面では、学校側の介入を避けた解決法も考える必要があります。

そのような場合、当事者同士ですと冷静な話し合いをすることも難しいため、第三者として、弁護士を間にはさんだ交渉を検討してみましょう。

3. 子どもが被害者だったときの対応

自分の子どもが誹謗中傷や脅迫・恐喝などの被害を受けていることが判明した場合は、まず加害者を特定する必要があります。

アカウント名などから加害者が予測できる場合でも、なりすましや偽装を受けている可能性があるので、サイト運営者から加害者に関する情報の開示を受けたうえで個人を特定しなくてはなりません。

もしサイト運営者側でユーザー情報を保有していない場合は、投稿・書き込み時のIPアドレスからインターネットプロバイダを通じて契約者を特定することになります。

加害者の特定は、サイト運営者との交渉や裁判所の手続きが必要となるため、個人での対応は困難です。弁護士に依頼して加害者の特定を進めるべきでしょう。

また、誹謗中傷にあたる内容や個人情報を暴露する「晒(さら)し」の状態は、素早く解消すべきです。サイト運営者が削除請求に応じない場合も、やはり裁判所に削除の仮処分申し立てが必要となるため、弁護士への依頼は欠かせません。

被害の内容によっては、慰謝料を含めた損害賠償請求が認められる可能性もあります。民事上の責任能力のない者による不法行為には法的な責任がないため、加害者となった子どもを監督すべき法定監督義務者である保護者に対して、責任を追及することになるでしょう(民法714条1項)。

加害者との交渉では、どのような不法行為があり、どのような損害が生じたのかを客観的に示す必要があるため、法律の知識や経験が求められます。

保護者同士が話し合うと感情的になってしまうおそれもあるので、弁護士を代理人として交渉を進めたほうが賢明といえます。

弁護士JP編集部
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法的トラブルの解決につながるオリジナル記事を、弁護士監修のもとで発信している編集部です。法律の観点から様々なジャンルのお悩みをサポートしていきます。

  • こちらに掲載されている情報は、2021年11月10日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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