単身赴任の夫と離婚したい|知っておくべきことと離婚の方法
夫が単身赴任となっても円満な家庭は少なくありませんが、なかには、夫婦間のコミュニケーション不足や浮気・不倫につながり、離婚に至ってしまうこともあります。
本コラムでは、夫の単身赴任をきっかけに離婚に至る主な理由と、単身赴任が原因で離婚が認められるケースについて紹介します。さらに単身赴任中の夫と離婚するまでの手順と離婚時の注意点について解説します。
1. 夫の単身赴任が原因で離婚に至る理由とは
配偶者が単身赴任している夫婦は、同居している夫婦に比べて離婚率が高まるといわれています。とくに夫の単身赴任がきっかけで離婚に至るケースが見られます。その代表的な理由として以下の3つが挙げられます。
(1)夫婦間のコミュニケーション不足
同居している夫婦であれば、当たり前に顔を合わせ、何気ないコミュニケーションも生じやすいです。しかし、単身赴任をしている夫婦のコミュニケーションは、電話やメールなどに限られます。しかも単身赴任当初はこまめに連絡を取り合っていても、徐々に自分の生活スタイルが確立されると、次第に必要最低限の連絡しかしなくなり、夫婦間に溝ができるケースは多いです。
(2)浮気や不倫
単身赴任中は一人暮らしの環境にあり、浮気や不倫の誘惑にあいやすい状況ともいえます。「寂しさを紛らわすため」「つい出来心で」など、軽い気持ちになりがちですが、不貞行為は家庭を壊す重大な結果を招く可能性があります。
(3)金銭問題
単身赴任中は二重生活になり、金銭的負担が増えます。こうしたことがストレスになって夫婦の心が離れてしまうことがあります。さらに、離れて暮らすなかで一方の配偶者が散財するようになったり、生活費を入れなくなったりと、金銭トラブルが起こってしまうケースもあります。
2. 夫の単身赴任が原因での離婚は認められる?
夫の単身赴任中に夫婦関係が悪化し、夫婦ともに離婚に合意すれば、理由は何であれ離婚は可能です。しかし、夫が離婚に合意していない場合、「単身赴任をしている」という理由だけで離婚はできません。
相手の合意なしに離婚するには、裁判をして離婚原因が「浮気や不倫」「生活費を家計に入れない」などの「法定離婚事由」に当てはまり、婚姻関係が破綻していると認められなければなりません。
夫の単身赴任が原因で離婚が認められやすいのは、以下のようなケースです。
- 夫が浮気・不倫をしていた場合
- 夫が生活費や養育費を渡さなくなった場合
- 別居期間が長く、夫婦関係が破綻した場合
なお、「別居期間が長く、夫婦関係が破綻した場合」の別居期間には、仕事上の都合である単身赴任の間は含まれないとされています。しかし、相手に対して離婚する意思を書面やメールで伝えるなど、婚姻共同生活を継続する意思がないことを明確にすることで、別居と認められる場合があります。
3. 単身赴任中の離婚の方法と注意点
離婚を決意したなら、誰でもできる限りスムーズに離婚したいと思うものです。ここでは単身赴任中の離婚手続きの流れや離婚するときの注意点、離婚を弁護士に依頼するメリットについて解説します。
(1)単身赴任中の離婚の手順
夫の単身赴任中の行動が原因で離婚を決意した場合、一般的な離婚手続きの流れは以下のとおりです。
①証拠を集める
単身赴任中の夫の浮気や不倫、DV、金銭トラブルが原因で離婚する場合は、その証拠を十分に集めておくことが重要です。確実な証拠があることで、相手方に離婚を認めさせ、有利な条件で離婚できる可能性があります。
②離婚届を渡しに配偶者と会う
離婚届に記入したら、単身赴任中の配偶者に直接渡すことが重要です。相手に離婚の意思がない場合、郵送で離婚届を送ると、離婚届を放置する可能性が高いです。できるだけ早く離婚を成立させるためにも直接会って記入してもらいましょう。
③離婚する
離婚は本人たちの合意はもちろん、親権や養育費、財産分与、慰謝料などの離婚条件をきっちり取り決めないと、離婚後トラブルに発展するおそれがあります。
そのため、離婚はまず夫婦間で話し合う「協議」を行います。ほとんどの場合、ここで離婚が成立します。しかし、協議でまとまらない場合には、家庭裁判所の調停委員会が介入して話し合う「調停」が行われます。それでも離婚がまとまらない場合には、家庭裁判所に離婚訴訟を提起して、「裁判」によって、離婚するかどうかを決めてもらいます。
(2)離婚の注意点
協議離婚が成立した場合、今後のトラブルを防ぐために、話し合った内容を「離婚協議書」という書面で残して「公正証書」にしておくことが大切です。なお、公正証書作成は基本夫婦で公証役場に行く必要があります。
調停離婚を目指す場合に注意したいのが、家庭裁判所の場所です。調停は基本的に相手方の所在地を管轄する家庭裁判所に申し立てなければなりません。そのため、夫が遠くの地域で単身赴任している場合には、調停が開かれるたびに足を運ばなければならず、交通費が負担になる場合があります。また、調停は、1回の期日でも2~3時間ほど時間がかかり、平日に行われるため、場合によっては、仕事を休んで、調停に出席しなければならない場合も出てきます。
そして裁判になる場合には、離婚までに時間がかかるので注意しましょう。子どもがいるケースでは子どもに精神的なストレスがかかるおそれもあります。
(3)単身赴任中の離婚は弁護士に依頼しよう
単身赴任中の相手と離婚する場合、離れて暮らしているため、通常の離婚に比べて話し合いがスムーズに進まないことが少なくありません。また、できるだけ夫と話したくない、話すと感情的になってしまうという方もいます。さらに、物理的、精神的な負担もかかってきます。そのようなときは弁護士に依頼するのがおすすめです。弁護士に依頼することで、自分の代わりに相手と交渉してもらえ、調停や裁判に発展しても弁護士が代理人となって離婚までサポートしてくれます。
単身赴任中の夫との離婚は距離的な問題もあり、心身ともにストレスが大きくかかります。スムーズな離婚を望むなら、離婚までのサポートを一任できる弁護士に相談してみましょう。
- こちらに掲載されている情報は、2024年06月14日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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